小幡歯科医院歯科話

品川区目黒駅前小幡歯科医院の公式ブログです。一般歯科治療の話から体の健康の話まで幅広く語ります。

歯の割れ方による治療の違い

2008-06-30 10:13:00 | 歯が割れた

歯が割れたり欠けたりした場合、その割れ方によって治療方法が異なります。

                   

          

歯が1/3程度割れた場合

 割れた部分のみをプラスティックの詰め物で治す

Hasetu_004_2                  

               

                     

      

             

                        

                                                   

Hasetu_005

    治療は1回で済みます。       

               

                     

      

             

                             

          

歯が1/2以上割れた場合

 歯を全周削ってかぶせて治す

                            

001

 義歯をかぶせるために歯を前周削ります。               

            

            

  

               

                                

002

  義歯が入りました。          

                

              

                    

           

              

                 

           

歯ぐきの中の部分(歯の根)まで割れた場合

 歯ぐきをレーザーなどで切って差し歯をする

  歯ぐきの中にもぐった部分がわずかであれば、歯ぐきを少し切除するだけで

  歯を作ることができます。

                   

                   

 小矯正で根を引っ張りあげて差し歯をする

               

003

  歯ぐきの中に歯がもぐってしまっています。           

             

                   

   

             

                         

004

  小さいゴムで歯を引っ張って外に出します。         

                 

                

 

            

                                 

005

  歯ぐきを整えます。          

               

              

  

               

                              

006

  正常な状態になりました。                  

               

                

  

                 

                                       

007

  義歯が入りました。          

            

                

                     

                 

                    

                      

 再植して歯を引っ張りあげた状態で固定後、差し歯をする

             

                  

                    

歯の根が2つ(以上)に割れた場合

 歯を抜いて接着剤でくっつけてから再植

              

               

             

このように割れ方によって治療方法が異なります。

             

割れる前段階として歯にヒビが入ることがあります。

               

ヒビについては後日まとめます。

          

                 

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割れた歯を再植した後の経過

2008-06-29 10:00:00 | 移植、再植

割れた根の周りがレントゲンで黒くなっていない歯が再植できた場合は、普通の

歯と同じように噛めるようになります。

             

              

問題は割れてから半年以上たっていて、根の周りが感染してしまっている時です。

            

感染しているとレントゲンで歯の根の周りが黒くなります。

                

こういう場合は再植が成功しても、歯が完全に回復しないことがあります。

           

どのような状態になるかというと、「やわらかいものは噛むことができるが、硬い

ものは噛めない」ようになります。

              

感染した部分が完全に回復しないと、回復しない分だけ硬いものが噛めなくなり

ます。

            

どのくらい回復するかは、回復力に個人差がありますので術前に予測できま

せん。

             

つまり「やってみなければわからない」のです。

               

科学的な根拠をもとにして治療方法を決める現代においては、ギャンブル的な

要素がある治療です。

          

ただ、「歯根膜」を大切にするという面において大きな意味のある治療です。

             

そして、自分の歯を残すということでは究極の方法です。

                 

 

               

 

           

 


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何故割れた歯を発見できないのか

2008-06-28 10:15:00 | 移植、再植

前回、割れた歯を再植した場合の成功率は、「割れてからどれくらい期間が経って

いるか」によって決まることを書きました。

            

歯が割れてからすぐに再植を行うことができれば成功率はかなり高いです。

            

治療後も元々の歯の状態と同じくらいに回復して、食事も問題なくできるようになり

ます。

                    

               

ただ、歯(の根)が割れていることはすぐには発見できないものです。

             

それは歯が割れてもすぐに痛みや歯ぐきが腫れたりする症状がでないからです。

          

割れてから半年くらい経たないと症状がでません。(「なんかうずく」くらい

の違和感しか感じないものです。) 

                

また半年くらい経たないとレントゲンに異常が現れません。

               

違和感があってもレントゲンに異常がなければ、なかなか治療に踏み切ることが

できません。

                

そのため、どうしても痛みや腫れの症状が出てレントゲンで歯の根の周りが黒く

なってから治療に踏み切ることになってしまいます。

               

そういうわけで、ほとんどの場合、割れてすぐに再植をすることができないのが

現状です。

               

 

               

 


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割れた歯の再植の成功率

2008-06-27 10:12:00 | 移植、再植

割れた歯を再植する治療の成功率は、だいたい5年成功率

80%です。

(5年で80%というのは、歯科治療としてはかなり低い数字です。)

          

具体的に説明していきましょう。

            

再植がうまくいけば(割れた歯がきちんと復元できれば)、歯は元に戻ります。

        

問題はどのくらいの状態に回復するか、です。

               

それは「割れてからどれくらいの期間が経っているか」によって決まります。

                    

もし割れてすぐに再植することができれば成功率は高いです。

            

「食事中にピシっという音がしたのでレントゲンで確認したら割れていた。」という

ような場合です。

          

ただ割れた後すぐに再植ができることは滅多にありません。

                 

ほとんどの場合が割れてから半年以上経っています。

                  

そこで成功率の基準となるのは、「割れた歯がどれくらい感染しているか」です。

              

判断はレントゲンで行います。

                

感染するとレントゲンに写ります。

               

歯の根の周りが黒く写ります。

                

この黒い部分が大きい場合は再植の成功率が低くなります。

           

5年以内に抜歯となってしまいます。

                     

抜歯の理由は「ぐらぐらする」「噛むと痛い」「歯ぐきが腫れる」などです。

           

これは歯周病で歯を抜く理由とまったく同じです。

             

再植した割れた歯は、ダメになる場合は歯周病のようになって抜歯となります。

                

                      

小幡歯科医院

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割れた歯の再植の手順

2008-06-26 10:11:00 | 移植、再植

割れた「歯の根」を再植する手順は以下のとおりです。

        

              

麻酔をして歯を抜く

割れた歯を抜くのは簡単です。割れている歯は抜きやすいものです。ただ抜くとき

にさらに割ってしまわないように慎重に処置を行う必要はあります。

             

抜いたところを洗浄する

割れた歯の部分には必ず細菌が入り込んでいます。この部分をキレイにしておか

ないと再植した歯の根付きが悪くなります。

        

この部分(抜歯した穴)を徹底的に洗浄します。

               

割れた歯をキレイにする

割れた歯にも細菌や汚れが入り込んでいるので、それらを取り除きます。

              

割れた歯を接着剤でくっつける

もっとも重要なステップです。

できる限り元通りになるように接着させます。

割れてから日が経っている歯ほど元通り復元しにくくなります。

             

復元した歯を元の場所に再植する

元に戻してもすぐには成着しないので、隣の歯などを利用して取れないように固定

します。

                 

1週間後に固定を外す

3日くらいで歯はくっつきますので1週間目には固定を外します。

ただ1週間目ではまだぐらぐらしています。

しっかり根付くには2~3ヶ月かかります。

           

                  

根付いた後に仮歯を入れて、噛めるかどうか確認します。

          

食事に支障がなく噛めることを確認したら最終的な義歯を装着して治療は終わり

です。

               

なお、根付くのに6ヶ月くらいかかることもあるので、その場合は仮歯の期間が長く

なります。

 


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割れた歯の再植

2008-06-25 10:00:00 | 移植、再植

割れた歯の根を残すには再植しかありません。

                

割れた歯を一旦抜いて、割れた歯同士を接着剤でくっつけます。

            

くっつけて通常の根の状態になったら、元の場所に戻します。

                    

きわめて特殊な治療です。

               

以下の論文は、10年前に私が勤務医の時に書いた論文です。

                 

Img_2367               

           

           

            

                 

               

                 

                  

  

           

                      

                                   

                     

日本歯科医師会雑誌 1998 VOL.50  NO.11

                     

 

             

Img_2370                          

                       

                   

                  

               

                         

            

                

                

     

             

                      

                                   

                      

                        

                     

割れた歯の再植(垂直破折歯の接着保存法)について発表しています。

                  

割れた歯の再植は特殊な治療ですが、日本歯科医師会にも認められている治療

です。

                   

元来この治療法は「接着歯学」の第一人者である真坂 信夫先生が考え出した

治療法です。

                        

当時、割れた歯は抜歯の適応でした。

                   

抜歯をするのはもったいないので強い接着剤でくっつけたら残せないだろうか、

という意気込みで残す方法を考えたそうです。

                    

現在でも、根が割れた歯は「再植」しか治療方法はありません。


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歯の根が割れる

2008-06-24 10:10:00 | 歯が割れた

歯(の根)が真っ二つに割れてしまうことがあります。

                 

             

いきなり割れることはありません。

             

最初に歯にヒビが入って、そのヒビが徐々に進行して最終的に割れるという経過

をたどります。

                  

                

神経のある歯が割れることは滅多にありません。

            

割れるのは神経を取った歯です。

                

              

神経をとってすぐに割れるものでもありません。

          

神経を取ってから10年くらいしてから割れることが多いです。

                   

                    

割れる原因は「歯ぎしり、食いしばり」であることがほとんどです。

              

硬いものを食べたからといって割れることはそんなにありません。

                     

              

歯が割れると痛くなりそうですが、一般的にはあまり痛くありません。

            

割れた瞬間はひどく痛むことはありますが、だんだんその状況に体(歯ぐき)

が慣れてしまうようです。

              

痛みを感じることは少なく、うずく(軽い鈍痛)くらいの症状しかでません。

              

ただ割れたところに膿が溜まってくると痛みが出てきます。

             

膿がたまってくると歯ぐきも腫れます。 

               

ですので、患者さんは痛みや歯ぐきの腫れが出て初めて歯の異変に気が

つきます。

            

                  

歯の根にヒビが入っていても、レントゲンで発見できないことがありますが、歯が

割れるとレントゲンで確認できます。

                 

                 

このように根が割れてしまうことは、実はよくあることです。

                  

根が真っ二つに割れてしまった場合は治療方法は「再植」しかありません。

             

            

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根の治療がうまくいかない歯の再植

2008-06-22 10:08:00 | 移植、再植

根の治療が奏功しない場合に、最後の手段として再植治療を選択することがあり

ます。

               

一般的には、根の治療が奏功しないときには「歯の根の手術」を選択します。

              

ところが「歯の根の手術」ができない歯もあります。

                     

                  

以下のような歯は手術ができません。

 

 

                                 

            

奥歯

大臼歯の根は手術で届かない場所にあるので、手術の適応ではありません。

         

再植が可能であればそちらを選択します。

                           

              

差し歯が入っている歯

「歯の根の手術」は「根の中がキレイになっているのに化膿が収まらない場合」に

適応となります。

              

差し歯の入っている歯は、差し歯を外して根の中をキレイにしてからでなければ

手術はできません。

            

差し歯を外せない歯が化膿している場合は、再植を選択します。

                      

                

根の中がつまっている歯

化膿がある場合は根の中すべてをキレイにしなければなりません。

               

歯によっては根の中がつまっていてすべてをキレイにできないことがあります。

        

そういう場合は再植の適応となります。

            

                   

以上の条件の場合は再植治療がもっとも確立の高い治療となります。                  

 


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虫歯の再植の成功率

2008-06-21 10:00:00 | 移植、再植

虫歯で歯が歯ぐきの中にもぐってしまった場合の再植は、歯(実際は歯の根)が

きちんと抜ければ100%に近いです。

                   

歯ぐきにもぐってしまっている歯の根は時として抜くのが困難です。

             

虫歯で根が弱体化していて、抜くときに折れたり欠けたりすることもあります。

                  

ですから再植の処置においては歯を抜くことがもっとも重要なステップ

です。

           

抜いた歯を再び使用するのですから、丁寧に抜く必要があります。

                

きちんと抜けたら根が再植に耐えうるかよく見て診断します。

            

根の周りの組織(歯周靭帯)が健全化どうか

根の長さがが10ミリ以上あるか

感染している兆候がないかどうか

              

これらを診断して再植が可能と判断されれば、根を歯ぐきよりも表に出るように

戻して固定します。

           

再植した根に歯を作るのは処置後2~3ヶ月後です。      


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虫歯になった歯の再植

2008-06-20 10:06:00 | 移植、再植

009虫歯が大きくて歯が歯ぐきの中にもぐってしまっている

       

            

                

                   

虫歯で再植を検討する場合があります。

            

虫歯で歯が崩壊してしまって歯ぐきの中にもぐってしまっているような場合です。

             

歯ぐきには歯を覆う性質があり、歯ぐきの中の部分にまで虫歯が進行すると

歯ぐきが歯に覆いかぶさります。

             

少し歯ぐきにもぐっているくらいなら、「レーザーで余分な歯ぐきを切る」だけで治療

できます。

            

1~2ミリ程度歯ぐきにもぐっている場合は、「小矯正で歯を引っ張りあげてから

余分な歯ぐきを取り除く」ことで対応します。

                

それ以上もぐっている場合は小矯正で引っ張りきれません。

                 

「一度歯を抜いて、歯ぐきから出た状態で固定する」という再植で対応

します。

         

これは一般的には「外科矯正」と呼ばれる処置です。

              

レーザーでも小矯正でも対応できない場合に行います。


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どんな時に再植を行うか

2008-06-19 10:02:00 | 移植、再植

歯を失う理由は大きく分けて4つあります。

                     

虫歯で歯が崩壊する

歯周病で歯がぐらぐらになる

歯の根が化膿して治らない

歯が割れる

                               

の4つに分類されます。

                

このうち「歯周病」以外は再植を考慮する場面があります。

           

また歯をぶつけて抜け落ちてしまった時も再植の適応です。

                

                               

再植は最終手段です。

          

一般的な治療で治るのであれば、そちらを選択するべきです。

          

一般的な治療で残せないと判断された場合のみ、再植治療を選択します。

        

          

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再植

2008-06-18 10:00:00 | 移植、再植

再植とは悪くなった歯を一旦抜いて、治療してから元に戻すという治療方法です。

           

とても特殊な治療方法です。

            

一般的な治療が奏功しない場合に、最後の手段として行う治療です。

               

歯を元に戻すため、移植(別の場所に植え替える治療)よりも成功率が高いです。

                

一般的な治療ではないため、メリット、デメリットをお話してよく相談してから治療を

行います。


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歯根膜

2008-06-17 10:00:00 | 移植、再植

移植において「歯根膜(歯周靭帯)」がもっとも重要である、という内容を書きま

した。

          

Photo 歯根膜(赤) 

別名 歯周靭帯        

          

             

           

                

                          

                

この歯根膜という組織は歯科の中でも、もっとも重要な組織であるともいえます。

                

            

歯根膜には以下の特徴があります。

            

 

血液が流れている

血液によって栄養が補給され、細菌に対する抵抗力もあります。

                

神経がある

この神経によって噛んではいけない硬いものを識別します。またこの神経は脳に

つながっているので、脳の活性化にもつながります。

               

歯を作ることができる

歯が傷ついた時に、その部分を修復することができます。

             

歯を吸収することができる

歯の表面が不具合になった時にその部分を取り去ることができます。

              

骨を作ることができる

歯根膜には骨をつくる能力があります。

              

骨を吸収することができる

骨に不具合があった時にその部分を取り去ることができます。

               

                

レントゲンにもわずかしか写らない薄い組織ですが、歯根膜はこれだけの働きを

しています。

          

歯周病になるということは、この歯根膜を失うことなのです。

              

しっかりと歯周病予防をしていきましょう。

 

 


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歯を抜いた後にインプラントを入れる

2008-06-16 10:00:00 | インプラント

残せなくなった歯を抜いてインプラントを入れる場合は、すぐに入れられる場合と

しばらく期間をおかないと入れられない場合があります。

             

その違いは抜く歯の大きさによります。

          

歯を抜いた後には穴が残りますが、その穴が小さい場合はインプラントをすぐに

入れることができます。

            

穴が大きい場合は、穴がふさがってからでなければインプラントを入れられま

せん。

                

穴がふさがる期間は、抜く歯の状況、顎の状況、年齢などの条件によって異なり

ます。

         

3ヶ月から2年くらいの幅があります。

             

その間、歯を入れることができません。

           

                

抜いた歯の穴が大きい場合は移植の方がメリットがあります。

             

移植は穴がふさがる前に行うことができますし、歯根膜によって穴に骨がつくられます。

             

歯を抜いた穴が大きくて移植に適した歯が存在する場合は、インプラント

よりも移植の方をお勧めします。


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移植vsインプラント

2008-06-15 10:00:00 | インプラント

移植もインプランとも歯のないところに歯を植える治療です。

            

移植は自分の歯、インプラントは人工の歯(人工歯根)です。

        

どちらの治療も選択できる場合はどちらに軍配が上がるのでしょうか。

                

                

成功率と予後

インプランとが発達した現在、成功率も予後(どのくらいもつか)もインプラントの

方が高いです。

           

移植歯は虫歯、歯周病、そして歯が割れる可能性があります。インプラントは

歯周病(インプラント周囲炎)になる可能性はありますが、虫歯や割れる心配は

ありません。

           

治療期間

移植が3~4ヶ月、インプランとが2~3ヶ月。インプラントの方がやや期間が短い

です。

          

治療費

インプラントの方が治療費が高くなります。

         

噛み心地

歯根膜のある移植歯は自分の歯と同じ感触です。歯根膜のないインプラントは

自分の歯とは異なる感触なはずなのですが、人はその違いを感じ取ることは

できません。

        

ですから噛み心地は両者とも同じです。

            

失敗した時の対処

移植歯は抜くのが簡単です。インプラントは抜くのが大変です。

            

適応症

移植はそれに適した歯(親知らずやいらない歯)がなければ、できません。

インプラントは全身状態や顎の状態が適正であれば、誰にでも行うことができ

ます。

             

                  

インプラントの治療が確立した現在、インプラントの方がメリットが多いように

思えます。

           

ただ、移植の方が良いと思われる場合もあります。         


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