血糖値は血液中のブドウ糖の濃度です。
ブドウ糖は解糖系のエネルギー源です。ケトン体はクエン酸回路のエネルギー源です。
http://blog.goo.ne.jp/obatadc/e/2e7bead9089026497cb673462c198ea8
そして、解糖系とクエン酸回路は同時に働きません。
エネルギーをつくるのにはどちらか一方が働きます。
(解糖系は瞬発力のような瞬間的なエネルギー産生システム、クエン酸回路は持続力のような長期的なエネルギー産生システムです。)
血糖値が高いということは、血液中にブドウ糖が多いということです。
その場合、解糖系が優先的にエネルギー産生に働きます。
ブドウ糖がなくなって、脂をエネルギーとして使わなければならなくなって初めて、体はケトン体を溜め込もうとします。
ですから血糖値とケトン体濃度は反比例する傾向にあるのです。
ただし、インスリンが働けば血糖値は下がりますし、頭や体を使ってケトン体を消費していればケトン体は下がりますので、必ずこの両者が反比例するとは限りません。
私自身測ってみると、綺麗に両者が相反するデータが出ました。
ケトン体 血糖値
① 100 110
② 400 103
③ 800 89
④ 1200 74
①は糖質のやや多い食事をした後です。(牛丼屋のつゆとトン汁の根菜類です。)
②は糖質の少ない食事をした後です。(ステーキに付け合せがブロッコリーです。)
③は食後8時間経ってかなり空腹になっている時ですが、途中で補食をしています。
④は同じ食後8時間ですが、その間何も食べていない状態です。空腹でブドウ糖が枯渇するとケトン体が動員されることがわかります。
ところが例外もありました。
ケトン体も血糖値も低い状態です。血糖値は下がり過ぎの警告がついています。
これは激しい運動をして体が疲弊している状態で測ったものです。
エネルギー切れの様相です。
一時間の休憩をとったら、ケトン体は上がり血糖値は回復していました。
ブドウ糖の枯渇に対してケトン体が上がり、糖新生によって血糖値も回復しています。
(何も食べていません。)
激しい運動が体に悪いことが伺えます。
少なくとも激しい運動をする際には、エネルギー不足にならないように脂肪を補給する必要があるでしょう。
運動が激しくなるタイミングに合わせて糖質を摂るのもいいかもしれませんが、私は糖質を補給しないようにしています。
ケトン体と血糖値を測ることによって、体の中でエネルギー代謝がどのように行われているか推し量れるので興味深いです。
小幡歯科医院