仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

あかね空

2011年02月01日 | ムービー
『あかね空』(2006年/浜本正機監督)を見た。
物語は、「江戸時代。豆腐屋・相州屋清兵衛(石橋蓮司)とおしの(岩下志麻)は、永代橋の上で4歳になる一人息子・正吉と生き別れてしまった。長い月日が流れたある日、京都で修業した栄吉(内野聖陽)という男が美味しいと評判の井戸がある蛤長屋で豆腐屋"京や"を始める。しかし、柔らかい京都風の豆腐は深川で生活する人たちの口に合わず、客はほとんどつかないのだった。同じ長屋の桶屋の娘おふみ(中谷美紀)の励ましを受けながらなんとか店を続けていく栄吉。そして、おしのは栄吉に生き別れた正吉の姿を重ね合わせ、身元を隠したままで豆腐を買い続けるのだが・・・」という内容。
庶民の口に合わず毎日売れ残ってしまう栄吉の豆腐だったが、同業者がその美味しさを認めているのが面白い。
質の高いものが売れるとは限らないのだ。
そして、京やの井戸を狙う平田屋(中村梅雀)の執念は恐ろしい。
善人の顔をして近づいて、やがて全てを奪おうとする。
これが犯罪者の手口なのだろうな。
さて、これは2002年に直木賞を受賞した山本一力著『あかね空』が原作。
確か山本氏は奥さんの実家が抱えた2億円ほどの借金を返済するために作家としての活動を始めた人で、その辺りの話は『爆笑問題のススメ』というテレビ番組で話していたはずだったものの、発売されている同番組のDVDには山本氏の登場回が収録されていないのが残念である。
この『あかね空』は面白い映画だったし、山本作品は今後もどんどん映像化されていくのだろう。