仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

手紙

2009年07月21日 | 映画サークル
『手紙』(2006年/生野慈朗監督)を見た。
原作は2003年に刊行された東野圭吾の小説である。
物語は「二人きりの兄弟・武島剛志(玉山鉄ニ)と武島直貴(山田孝之)。剛志は直貴の学費を稼ぐため懸命に頑張ったが、いつしか無理がたたって腰を痛め、重労働ができなくなってしまった。ある日、切羽詰まって盗みに入った留守宅で、帰宅した家人を殺害してしまう。人殺しの弟とレッテルを貼られた直貴のもとへ、服役囚となった剛志から毎月手紙が届くのだが・・・」という内容。
身内に犯罪者がいるということは、こんなにも辛いことなのか。
ようやく努力が報われる頃になると兄の事件が明るみに出て、その都度それまで築いてきたものが無に帰してしまう。
直貴が由美子(沢尻エリカ)には身内に犯罪者がいることをあっさり話してしまうものの、自分の芸を理解してくれる朝美(吹石一恵)には事実を話すことができなかったのは、巡ってきたせっかくの機会を逃したくなかったからだろう。
「ずるいな」とも思ったが、やはりそれが人間だ。
たくさんの挿入歌が使われているようだが、小田和正の♪言葉にできない♪がやはり効果絶大である。
これは良い物語だった。