仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

吸血鬼ゴケミドロ

2017年02月28日 | ムービー
『吸血鬼ゴケミドロ』(1968年/佐藤肇監督)を見た。
物語は、「飛行機内に時限爆弾が持ち込まれたとの警察情報により、羽田空港へ引き返すことになったJA307便は、外国大使を暗殺した殺し屋の寺岡博文(高英男)にハイジャックされてしまう。同時刻、日本領空に未確認飛行物体が侵入し、自衛隊機とアメリカ空軍機がスクランブル発進したのだが、JA307便はその未確認飛行物体とすれ違った際に計器がすべて使用不能となり、2基のエンジンのうち1基が破損。操縦不能の状況となって不時着する。機長は死亡したが、副操縦士・杉坂英(吉田輝雄)、スチュワーデス・朝倉かずみ(佐藤友美)、乗客では寺岡、次期総理大臣候補の政治家・真野剛造(北村英三)、兵器製造会社の重役・徳安(金子信雄)、その妻・法子(楠侑子)、精神科医・百武(加藤和夫)、宇宙生物学者・佐賀敏行(高橋昌也)、ベトナム戦争で夫と死別した未亡人・ニール(キャシー・ホーラン)、時限爆弾を持ち込んだ自殺志願者・松宮(山本紀彦)の10人だけが生き残り・・・」という内容。
羽田空港発伊丹空港行きのJA307便は、爆弾騒ぎで羽田に引き返すことになったものの、ハイジャック犯の指示により沖縄へと向かったのだが、途中、無線機が破壊され、未確認飛行物体のおかげで計器類もすべて使えなくなったことから、一体どこに不時着したのか誰も分からない。
ただ、「高い場所に登って周囲を見渡せばいいじゃないか」と思えるほどに、どう見ても機械的に採掘された跡が丸分かりの景色が見える。
スタッフはあまり良いロケ地を見つけることが出来なかったのだろうか。
(^_^;)
救助が来るまでこの場所を離れない方がいいと言う杉坂の判断は正当な判断なのだろうが、(設定や画像など)きちんと作り込まれていない作品というのは、どうにも陳腐に見えてしまって残念だ(主人公の杉坂が少しマヌケに見える)。
不時着後、謎の宇宙生物ゴケミドロに身体を乗っ取られてしまった寺岡が次々と生存者達を襲い出すのだが、生存者達の人間関係は酷くなる一方。
事件が起きる前は「それにしても嫌な世の中だ。国際紛争は拡大するし、テロが世界中に横行する。現代は狂っとる」などと言っていた政治家の真野が一番どうしようもない人間だったが、あり得ない状況を作った上で、その登場人物を使い、社会や人間を批判しているような演出もあり、ニールの英語の台詞などは、反戦思考の台詞だけが字幕で表示されていたくらいだ。
CGがない時代のずいぶん昔の特撮作品なことから、思わず笑ってしまうような場面もあったのだが、最新VFXを駆使してリメイクすれば、現代でも通用するそこそこ面白い作品になり得るのではないかと思った。