『父親たちの星条旗(原題Flags of Our Fathers)』(2006年/クリント・イーストウッド監督/アメリカ)を見た。
物語は、「第2次世界大戦の最中、太平洋戦線で日本本土へと迫るアメリカ軍は、1945年2月19日に硫黄島へ上陸した。硫黄島は東京の南約1,080kmに位置する占領地ではない従来からの日本の領土。ここを制圧することにより日本本土への戦略爆撃が可能になるのだが、日本軍の抵抗は激しい。2月23日、予想に反しまだ完全制圧には至っていなかったが、摺鉢山の頂上に星条旗が立てられた。旗を立てる様子を撮影した写真が全国紙の第一面を飾り、それを見たアメリカ中の国民が熱狂した。旗を掲げている6人の兵士達は英雄に祭り上げられ、激しい戦闘を生き残っていたジョン・ブラッドリー(ドク/ライアン・フィリップ)、アイラ・ヘイズ(アダム・ビーチ)、レイニー・ギャグノン(ジェシー・ブラッドフォード)の3人は本国への帰還を許される。しかし、祖国へ戻った3人は政府の戦時国債キャンペーンに担ぎ出され・・・」という内容。
これは、硫黄島での戦いを日米双方の視点から描く"硫黄島プロジェクト"のアメリカ側視点の作品で、物語に登場するドクの子息であるジェームズ・ブラッドリーのノンフィクション『硫黄島の星条旗(原題 Flags of Our Fathers)』(ジェームズ・ブラッドリー/ロン・パワーズ共著)が原作となっている。
過酷な状況下で死に直面する軍人達が描かれていた日本側視点の作品『硫黄島からの手紙(原題Letters from Iwo Jima)』(2006年/クリント・イーストウッド監督/アメリカ)に対し、本作は戦争を生き残った軍人達が描かれているのだが、戦地に戻ることを願うアイラ・ヘイズなど、登場人物が抱える切なさについては日米一緒であるようにも思えた。
硫黄島で日本軍と交戦する場面では、砲弾や銃弾が飛び交う中で味方の誤射によって死んでしまったり、闇に紛れて銃剣で襲い掛かってくる兵士と格闘する等の生々しい描写もあったが、本国での戦時国債を募集するパーティーの場面は華やかで、食料品の配給だなんてどこの話?といった感じだ。
ただ、ヨーロッパ戦線での対ドイツ戦も同時進行しているアメリカの懐具合はかなり厳しくなってきていたようで、英雄に仕立て上げた3人を連れ、戦時国債キャンペーンの全国ツアーに出るのは財務省のバド・ガーバー(ジョン・スラッテリー)にとって重要な仕事だったようだ。
「燃料がなくて飛行機が飛ばないかもしれん。石油も金塊で買うほどだ。140億ドルが集まらんと月末に終戦を迎えることになる。日本の要求をのんで引き揚げるしかない」という台詞があったりもしたが、この1枚の写真が戦争の終わり方に何らかの影響を与えたのかもしれない。
さて、共同通信によると、「アメリカ海兵隊は2016年8月25日までに、摺鉢山で星条旗を最初に立てたとして公式文書に記録されていたアメリカ兵6人の内2人が別人だったとの調査結果を発表した」という。
その詳細はノンフィクションの原作を基にしている本作品を見れば分かるのだが、この事情は少々複雑で、劇中、「ランチの度に掲揚していたのか?」と皮肉る台詞もあったほどだ。
(^_^;)
登場人物はほとんど皆が短髪で、軍服も同じだし、見分けがつかなくて分かりにくいところもあったのだが、なかなか面白い作品だった。
物語は、「第2次世界大戦の最中、太平洋戦線で日本本土へと迫るアメリカ軍は、1945年2月19日に硫黄島へ上陸した。硫黄島は東京の南約1,080kmに位置する占領地ではない従来からの日本の領土。ここを制圧することにより日本本土への戦略爆撃が可能になるのだが、日本軍の抵抗は激しい。2月23日、予想に反しまだ完全制圧には至っていなかったが、摺鉢山の頂上に星条旗が立てられた。旗を立てる様子を撮影した写真が全国紙の第一面を飾り、それを見たアメリカ中の国民が熱狂した。旗を掲げている6人の兵士達は英雄に祭り上げられ、激しい戦闘を生き残っていたジョン・ブラッドリー(ドク/ライアン・フィリップ)、アイラ・ヘイズ(アダム・ビーチ)、レイニー・ギャグノン(ジェシー・ブラッドフォード)の3人は本国への帰還を許される。しかし、祖国へ戻った3人は政府の戦時国債キャンペーンに担ぎ出され・・・」という内容。
これは、硫黄島での戦いを日米双方の視点から描く"硫黄島プロジェクト"のアメリカ側視点の作品で、物語に登場するドクの子息であるジェームズ・ブラッドリーのノンフィクション『硫黄島の星条旗(原題 Flags of Our Fathers)』(ジェームズ・ブラッドリー/ロン・パワーズ共著)が原作となっている。
過酷な状況下で死に直面する軍人達が描かれていた日本側視点の作品『硫黄島からの手紙(原題Letters from Iwo Jima)』(2006年/クリント・イーストウッド監督/アメリカ)に対し、本作は戦争を生き残った軍人達が描かれているのだが、戦地に戻ることを願うアイラ・ヘイズなど、登場人物が抱える切なさについては日米一緒であるようにも思えた。
硫黄島で日本軍と交戦する場面では、砲弾や銃弾が飛び交う中で味方の誤射によって死んでしまったり、闇に紛れて銃剣で襲い掛かってくる兵士と格闘する等の生々しい描写もあったが、本国での戦時国債を募集するパーティーの場面は華やかで、食料品の配給だなんてどこの話?といった感じだ。
ただ、ヨーロッパ戦線での対ドイツ戦も同時進行しているアメリカの懐具合はかなり厳しくなってきていたようで、英雄に仕立て上げた3人を連れ、戦時国債キャンペーンの全国ツアーに出るのは財務省のバド・ガーバー(ジョン・スラッテリー)にとって重要な仕事だったようだ。
「燃料がなくて飛行機が飛ばないかもしれん。石油も金塊で買うほどだ。140億ドルが集まらんと月末に終戦を迎えることになる。日本の要求をのんで引き揚げるしかない」という台詞があったりもしたが、この1枚の写真が戦争の終わり方に何らかの影響を与えたのかもしれない。
さて、共同通信によると、「アメリカ海兵隊は2016年8月25日までに、摺鉢山で星条旗を最初に立てたとして公式文書に記録されていたアメリカ兵6人の内2人が別人だったとの調査結果を発表した」という。
その詳細はノンフィクションの原作を基にしている本作品を見れば分かるのだが、この事情は少々複雑で、劇中、「ランチの度に掲揚していたのか?」と皮肉る台詞もあったほどだ。
(^_^;)
登場人物はほとんど皆が短髪で、軍服も同じだし、見分けがつかなくて分かりにくいところもあったのだが、なかなか面白い作品だった。