虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

「見えない世界」の栄養 3

2015-01-11 20:19:05 | 日々思うこと 雑感

「見えない世界」の栄養 1

「見えない世界」の栄養 2 の続きです。

 

昨年末に年中のAくんが始めた映画ごっこに端を発し、

年明けも映画ごっこブームが続いている教室。

面白いのは、同じような材料を使っていても、遊びに参加する子が変わる度に、

質の異なるアイデアが生まれてきて、別の楽しみが共有されていくところです。

また、深く探求されていく興味も、一人ひとり異なります。

 

↑ 使っているのは、こんなにしょぼく吊らした布一枚なのですが、

これまで多種多様のアイデアが試されました

 

小学4年生のBちゃん、Cちゃん、Dちゃんのレッスンで、こんなことがありました。

『今回のレッスンでどんなことがやりたいか』を話しあう時間に、

「このところ、教室で流行っているのは、部屋を真っ暗にして影絵をしたり、

映画を撮影したり、光の実験をしたり、プラネタリウムをしたりすることだけど、

何かやりたいことがあれば別のことをしてもいいわよ。」と告げると、

「部屋を暗くするやつ……うーん、いいんだけど……でも、ねぇ……」と言いながら、

お互いの顔を見合わせていた3人。

 

しばらく、「うーん」と気乗りしない様子で悩んでいたBちゃんが、

「あっ!そうだ!大阪城をライトアップするのはどう?」と言いました。

すると、他の子らも「そう、そう!」と身を乗り出して賛成しました。

 

なんと、教室で、大阪城3Dマッピングスーパーイルミネーションをしようという

アイデア。

 

ちょうどこの日、Bちゃんの弟の年長のEくんがらくがき帳に妖怪ウォッチの絵を

描いてきてくれていました。

そこで、この絵を教室の大阪城の立体パズルの壁面に映そうという流れに

なりました。

 

お姉さんたちが協力して、使い捨て弁当のふたに油性マジックでなぞり書きした

弟のEくんのイラストに色付けしています。

 

ライトアップを試しているところです。

 

「大阪城だけじゃなくて、ロシアの聖堂にも映像映したら?」とBちゃん。

最初の気乗りしない態度はどこへやら、ショーの解説をする役は買ってでるし、

ついでに行う実験の準備にも全力投球していました。

(ライトアップ中、イージーチターで音楽を奏でていました)

 

この意欲の変わり様を見て、しみじみ、「どんなに完成度が高くて大人が感動する

ようなものを見せられたとしても、

最初から「これこれこういうことをします」と決まっているプロセスを

子どもに歩ませるようなことをしてはいけないな」と感じました。

 

子どもたちにとって、自分たちの想像力、思考力を使うことがどれほど大切か。

自分たちのアイデアがどんなに貴重なものか。

それが、夢中になって時間のないところまで行く起動力となることを

日々、教室の中で再確認しています。

 

 みんながびっくりした光のクイズ。

 

「布に映ったたくさんの花柄模様。どうやって作ったでしょう?」

あんまりきれいに均一に花柄模様ができているので、何を映しているのか、

親御さんたちには見当もつかなかったようです。

 

答えはアルミ箔に楊枝で穴をあけたものの背後から、

LEDライトの懐中電灯(100円ショップのもの)で照らしていたのでした。

小さな楊枝の穴を通って、一つのLEDライトが穴の数だけたくさん、

おまけにもとのLEDライトの形で映しだされる様子は、

学校で習った光の進み方をわかっていたとしても不思議で心打たれる光景です。


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