虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

『地頭力』が育つ幼児期 5

2010-06-24 21:09:44 | 教育論 読者の方からのQ&A
前回の記事へのコメントのお返事は近いうちに書きますね。

灘中の赤本と格闘していた息子が、
過去問を解くだけでは、らちが明かないので、
参考書や問題集を何冊か買ってこなくちゃ……と言い出したときには、

ざっと自分で数年分の受験問題に目を通していたため、

どのような問題が、どのような配分で出題されているのか、
確実に点に結びつきそうな分野は何か、
何をどれくらいの量、訓練したら良さそうか、
自分の強みがいかせそうな部分はどこかといったことを、

全体を俯瞰した位置から見渡せていたようです。

そのおかげで、最も得点に結びつきそうで、自分の強みをいかせそうなものの
ランキングが
自分のイメージの世界にできていたようです。

パートから帰宅後、息子の勉強を見てあげようとは思うものの、
灘中の問題は、当時の私には「何を手がかりとしたらよいのかさっぱり~」なものも多くて、
結局、息子からの勉強についての分析や経過の報告に
耳を傾けるだけでした。

息子は、最初に過去問で全体像をつかんでいたので、
最重要課題から順番に手をつけていってました。
こうした全体像を先につかんだり、自分にとって重要なことから、手をつけていく習慣は、
ボードゲームや工作など、好きな遊びに熱中するなかで、
息子が身体で覚えた勘です。
おかげで、短時間ながら、
着実に力をついてはいました。

ネックは時間。
計算が遅いし、ミスが多いところは一朝一夕には
なおらず、時間内に解ききることが入試の際まで、一番の課題となっていました。
実際、灘中の受験準備に一年ではあまりに厳しく、
「最低ラインギリギリだろうけど……
けっこう良い線までいってるんじゃないかな?
当日調子が良ければいけるかも?」
と期待したのもむなしく、結果は不合格。

ついでに受けた中高一貫校は、風邪による腹痛で、試験を途中までしか受けられなかったものの、合格していました。
この私学も関西ではとても人気が高くて、近辺の子たちも、ここの学校を目指して早くから受験塾に通い出すのです。
ですから、ラッキーと言えば、ラッキーで、
息子の受験計画の進め方は、まずまずだったんじゃないかな?とも
思われました。

最初から、合格できそうな学校を狙わず、自分の力を超えたチャレンジをした
ことで、不合格の痛手は負ったものの良いこともありました。
中学に入学してから、姉が数検を受ける際、
息子も同じ準2級(高1レベル)受けたがって、
2週間ほど姉の教科書を借りて勉強しただけで、
1次の計算技能、2次の数理技能のどちらも合格していたのです。
1年間、自分なりに、もがきながらがんばった受験勉強は、
息子の中に何かを残してくれていたようなのです。

数学への感性はもちろんなのですが、
「こういう結果を得たい」と思ったときに、

「結論から」「全体から」「単純に」考えて取り掛かって、
短期間にどうやって自分の思うような結果を導き出すか、
うまく段取りして、やり遂げる力が
受験を通して身についたようなのです。

教室の子たちを見ていても、子どもって
やりたがることを自分たちで失敗もOKでやらしていると、
うまい具合に段取りしたり、交渉したりするようになるものです。

今日は小学生の女の子たちに、
勉強の前に、片栗粉を水で溶いたもので
遊ばせてあげていたら、

自分たちはこういうことをしたいので、こういうものが欲しいんだけど~
それはどんな風にやる意味があるのかといったセールスポイントと、
それぞれの子がどんな役割をしようと思ってるのか~など、
こちらがその話に乗りやすいように交渉してきました。
そしてさんざん、粉を練って遊んだ後で、
「先生、一瞬でトロッとした液体から、粉だけの塊にする方法を発見しました」
と報告してきました。
見せてくれたのが、小さな紙コップに片栗粉で作ったドロドロの液を入れ、
上からティッシュペーパーで強く押さえるというワザです。
何と、手品のように粉だけの塊が残るのです。
確かに、びっくり!大発見です。

ぐだぐだ書いているうちに、ちゃんと地頭力について説明することを忘れていました。
近いうちに、もう少しわかりやすくまとめますね。

にほんブログ村 教育ブログ 幼児教育へ



web拍手を送る


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。