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「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

日本と世界のリアル状況確認と僕の思索を書き留めるブログ。
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1号機も2号機も3号機もメルトダウンしているなら、政府はウソを言い続けていたことになる

2011-05-15 06:03:30 | 福島第一原発と放射能

 東京電力が1号機のみならず、2号機も3号機もメルトダウンしている可能性を言い始めました。落ち着いているように見えていた1号機がメルトダウンしていて、水棺は何の意味もない作業であった事が公になりました。その上、2号機も3号機もメルトダウンしている可能性をようやく認めはじめました。当事者たちはわかっていなかったのでしょうか。いいえ、わかっていたとしか思えません。僕らが指摘するよりも、直接分かる場所に居続けている彼らが分からないはずは、ありません。少なくとも、いくつかの可能性の中でこういう状況も想定できるレベルです。こういうことから考えると、彼らはメルトダウンしている可能性があるにもかかわらず、それに対して口をつぐんでいた事はまちがいありません。政府が間違いなく、国民に対して、メルトダウンしている疑いが強い事を言わなかった、否、メルトダウンしていなかったと事実上、ウソをついていたのです。これは、大変な事です。こんな根幹の事をウソをついたのか、隠蔽しようとしたのか、ふれないようにしたのか、いずれにしてもひどい話です。政府や東電を信用できないと言う声は、いろんなひとからいただいていますが、僕自身もここまでくると、本当に何一つ信用できないかもしれないと言う疑いを段々ぬぐえなくなってきました。

 私は当初から、この爆発事象の連鎖に悩み、特に3号機の異様な爆発後に、この状態では、取材を近距離で続ける事はままならないと強く思い、当初四十キロエリアをボーダーにしていたのを(これも僕が政府の境界よりもいちはやく線を引きました、東海村でも政府は大体出遅れましたので)、百キロまで下げるように進言し続けましたが、全く聞き入れられませんでした。さらにこのまま制御が出来なければ、東京も高濃度の被曝になる可能性、特に再度の爆発事象を伴う可能性も鑑みて、更なる進言をしましたが、全く聞き入れられませんでした。そのため、相当な逡巡を繰り返した挙句に、上には、通告した上で、自分の中でのかなりの覚悟をして退きました。周りに理解されないと言う認識は当初からありましたが、なぜぎりぎりの戦いをする僕が、今回は退いたのか、その意味を周りにはくみ取ってほしいと考えていました。東海村の臨界被曝事故で、最も最前線に出て、二週間現場キャップを東海村でおこなった僕が、どうして今回はこの直感しかないのか、僕の中でも悩みに悩みに悩みつづけました。今でも完全に答えは出ていませんが、今回の福島第一原発でおきていることは、これまでとレベルが全く違うものであると言う事しか言えません。その事を未だに理解しない人々が、不確かな知識のまま、国民を傷つかせる行為に加担している報道を平気で続けている事は、毎日毎日、信じられない思いばかり、胸の中に押し寄せてきます。相手側がどう思っているのかは知りませんが、僕の中では彼らは、全く異世界の住人なのだなというあきらめに似た気持ちしか芽生えなくなりました。僕は別にレベルの高いジャーナリストでもなんでもありません。ですが、多くの人が傷つく結果になることに対して、口をつぐむ事はどうしてもできない人間だと言う事です。このことについて、口をつぐんでいる、否、そんな認識すらない人々とは、決定的に人間として分かり合えない立ち位置にはっきりいるということです。このために、僕はこのブログを書き始めましたし、退避を最低八十キロ(アメリカ基準)、出来れば百キロ退避を主張する事から、始めました。少なくとも、自分個人で出来る方法で、少しでも多くの人に僕の危機意識を伝えるべきだと考えたからです。

 関係者や週刊誌、元新聞記者などから執拗な攻撃を受けていたのは、皆さんもよくご存知の事ですし、その中身は「ありもしないことを木下は考えて、怯えて逃げた」という話でした。ありもしないこと、妄想を僕が抱いていたのなら、いくら非難されても仕方がないかもしれませんが、現在の状況は果たしてそうと言えるでしょうか。政府は当初レベル4とか5とか言っていたのに突然、先月のレベル7発表、そしてメルトダウンはないと断言していて、今月は1号機はメルトダウンしてましたと発表。さらに2号機、3号機もメルトダウンと言う事になってくると、極限的な状況は、地震の3.11から十日間ほどはまず最低でも続いていて、さらにどうやらその後も本質的にこの大きな崩壊をくいとめる状況には今も至っていないと言う事がはっきりしてきたとしか言えないのではありませんか。いまでも水を入れる事以外に何もできないということです。制御できていないと言う事です。どうなるのかはおまかせでしかない危険な状況です(継続する3号機の温度上昇など)。そして、二回の爆発事象の影響も当初よりもどうやらおおきく広がっていて、福島県内のみならず、東京を中心とした関東全域に降り注いでいる放射性の降下物は尋常な状況ではないと言う事です。これは、大変な状況です。こうした事がおきている状況は僕が当初から懸念していた事の反映でしかありませんし、福島市や郡山市の子どもたちがおかれている苛酷な状態こそ、本来避難ゾーンが広く設定されていればありえなかった事象です。すべての判断が間違っています。

 官邸内部の通り文句は、「二度の爆発で出たものしか大気には放射性物質は大量に出ていない。だから大丈夫だ。東京も大丈夫。」というものばかりです。この二度で本当はどのくらい出ているのか、さらにその後も継続している放出では、本当はどうなのか。今後の爆発はありえないのかどうなのか。実際、各地のエリアの細かい汚染状況は厳密にどうなのか。こうした疑問に答える態度とは全くいえない感じです。そして、メルトダウンを想定していなかったと白を切り続ける状態です。こんなの、どうやって信じられますか?二度の爆発で致命傷になっているのは、本当に福島の一部だけなのですか?

 ウソをついているのか、隠蔽しているのか、見ないようにしているのか、どの可能性もありえます。汚染の本当の状況を調べないようにしているのか、調べてもまずいデータは隠蔽しているのか、データの解釈を捻じ曲げているのか、どの可能性もありえます。政府と東電がどれをおこなっているのかは分かりませんが、どれかはおこなっていると思います。僕の不信感は根底から強くなっています。こうした中で危機は去っていません。警戒を続ける以外の方法は何もありません。爆発はおきないと言い張れる根拠もありません。

 原発の作業員が亡くなったニュースがありました。被曝ではないですが、防護服での現場の作業が、月がすすむにつれて、気候的な意味からもきつくなっていると言う事だろうと思います。限界ということをしつこく確認しておきます。皆がそうした中で追い詰められているのが、原発内部も、福島も、東北も、関東も段々シンクロしてきていると思います。シビアな現実です。

 

 

 

この福島原発の事で直接いろんな方とお話をしたいとおもいます。この危険について、僕が知りうる知見をお話いたしますし、それよりも懸念を抱かれている皆さんと、色々話したいです。全国に伺います。ミニ集会でも、トークセッションでも、講演会スタイルでも構いません。何件か申し込みがきはじめましたので。

条件1 参加者は主催する方が集めていただく事(何人でもかまいません)。場所の設営、部屋の使用料がある場合は主催者が考えて下さい。

条件2 交通費実費のみいただきます(すいません経費のゆとりはありません)。謝礼は不要。

お問い合わせはnagaikenji20070927@yahoo.co.jp

参加者が二千三百人を超えました。 Facebookの公開グループ「福島第一原発を考えます」は大変活発な論議が始まっています。行動する皆さんの参加を期待します。

 

 Facebookにまず僕は、自分の名前「木下黄太」アルファベット表記が「Kinosita Kouta」という形で登録してありますが、さらに「福島第一原発を考えます」という公開グループを立ち上げました。http://www.facebook.com/home.php?sk=group_163985373661863このブログの読者や福島第一原発の問題を考えていきたい皆さんが、議論し、交流し、何かを創り上げていく場になれば、ありがたいです。イベントの立ち上げ連絡も含めてです。行動する事につながればと思っています。公開グループの説明文です。

「We think about Fukushima Daiichi.

 東京電力の福島第一原発について、この事故の事態に直面し、考え、対話し、
さらに行動するためのグループです。」

 できる限りみなさんが、このFacebookにご登録していただき、この公開グループに参加していただければと思います。参加リクエストに気がついたらすぐに承認します。この問題に関心のある方は、勿論、全て承認いたしますので、よろしくお願いします。いろんな動きが出てくれば、ムーブメントになると思います。インターネットでのやりとりにとどまらず、今後、現実の動きとなることを想定しています。いろんなことを覚悟しながら、僕は動いているつもりです。このブログをよくご覧いただいている全ての皆さんに、是非入っていただき、何かのきっかけになればと切に願っています。尚、私への友達リクエストも構わないですが、先にこの公開グループへの参加リクエストを直接してからにしてください。そのほうが早いです。宜しくお願いします。 

 


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34 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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首都移転レベルの汚染 (清水 みどり)
2011-05-15 12:18:49
木下様

大いなる勇気と行動力に敬服いたします。木下さんの全ての時間と力を注いで今の日本の未曾有の危機に立ち向かわれていることに感謝しております。

私自身は現在欧州に滞在しております。が、小さい子供を持つ母親としてまた一日本人として今の日本の危機をどう乗り越えたらよいのか毎日考え、募金活動や遠くの地より署名、啓蒙活動に励む日々です。

それで本題ですが、福島の子供達だけでなく、現在の東日本及び関東全域に及ぶ放射能汚染の地図を見ると高汚染地域の居住者の暫間的な避難だけではなく、首都移転すべきレベルの汚染であると思います。http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1721787917&owner_id=3305817
賢明な木下さんのことですから既出でしたら申し訳ありません。
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同感です (ひろ)
2011-05-15 12:28:42
この期に及んで政府と東電を信じる、もしくは
信じてないけど危機とは感じていない人達は
なにか意識が足りないのでは、と思います。

私は1号機爆発後に
関西出身の仕事仲間に『もう逃げよう』と頼んで
彼の大阪の実家に避難させてもらいました。

私の家族が福島沿岸部で被災したこともあり
悲観的になりすぎていたのもありますが
『何かとても嫌な予感』しかしなかったのです。

事実、2日後に仕事仲間が東京に戻った後も
私は関西のホテルに泊まっていたくらいでした。

その後多少落ち着きましたが
やはり何か違和感がずっと残っており、
最近のメルトダウン認める等のニュースが出てきたことで
直感はそこまで間違っていなかったのだと思っています。

真偽はわかりませんが
50キロ外でプルトニウム検出の話もあります。
我々日本人は日本を疑うという姿勢を示さなければならない時です。

『臭いものに蓋をする』性質の強い
東北の皆さんは静かに黙っていますが、
本当に結束して『大丈夫なのか?!』を問うべきではないでしょうか。
声をあげましょう。受身は終わりです。
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Unknown (全て忘れたい弱虫)
2011-05-15 12:31:50
初めて書き込みさせていただきます。
今回の一連のメルトダウンを認める発表は、出来の悪い茶番劇をみるようで呆れてしまいました。
政府による概算的賠償枠組み決定後のタイミングを考えると、やはり政府指示による発表とみるのが妥当と思われます。
政府は間違いなく事実を把握していたのです。
事故後2ヶ月、終息に向けての対策どころか、原子炉の状態変化すら掴めていないのが現状と見られます。また、爆発による損傷及び海水に侵された計装機器・計器類の数値を参考にするなんてあり得ません。
実際、一般の方でも数値を信じた方はいらっしゃらないと思いますが・・・。
2ヶ月間、溜まりもしない容器に水を入れ続けたことは、パフォーマンス以外の何者でもありません。

また、冷却を空冷チラーに切り替えると言っていましたが、『冷媒』と『海水を含む放射性の水』との熱交換なんて機器能力にかなりな無理があると思います。仮に配管するルートがあったとしても、塩分は機器内配管、バルブ等に深刻なダメージ生じさせます。

なんだか、考えれば考えるほど終息よりも終焉が近いように思われます。
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放射能汚染進行中 (テツ)
2011-05-15 12:39:22
木下さんを支持します。
そして木下さんの行動を参考にするなら周囲の理解を得るより、避難をする方がより大切だと思います。
今現在もですが今後状況がさらに悪化したとき、私たちは(理解してもらえない)周囲と対立してしまう可能性も考えなければいけませんね。
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運を天に任せて (Unknown)
2011-05-15 14:36:31
最近、ここの読者も増えてきたようですが、私はもうついていけない感じです。
そういえば福島県在住さんもみかけないような・・・
当初から原発は行くところまで行くと思ってました。
でも、結局肝心の15日と22日に逃げる踏ん切りがつかず、きょうまできました。
爆発もなさそうですし、このまま放射能と付き合っていくしかないかなと思ってます。
うちは子どももいないので。
脱原発の活動は応援していきます。

皆さん心配だ心配だっておっしゃってますけど、
結局だれかのサポートがないと避難もできない状況ですよね。
その状況で心配だってストレスためても体壊しますよ。
海外にでも行かない限り原発からは逃げられませんよ。
関西なんかもんじゅですよ。来月の作業失敗したら世界も終わり。
国も自治体も何もしないのはわかってるじゃないですか。
無関心層が結果的に支えてるんですから。
皆さんの敵は、国でも東電でもなく、何千万人もいる無関心層ですよ。
国やマスコミが情報を出さないから無関心なんだって言うかもしませんが、
その手の人達は、無関心かパニックおこすかの、両極端の行動しかとらないでしょう。
戦後65年、考えることをしないよう育てられてきた層ですから。

首都圏3000万人が行くとこないでしょう?
西日本だけで日本の食糧賄えないでしょう?
今力を入れるべきは、空気と水がこれ以上汚染されないことを祈る。
子どもと妊婦さんの水と食べ物を別に用意するよう働きかけることでしょう。

原発を止めるとか、新しいエネルギー政策とかは間に合えばいいかなっていうレベルですかね。
これは上で書いた無関心層が動かないとどうしようもないですから。
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こんな市議がいてくれるなんて (千葉県松戸市在住)
2011-05-15 14:56:59
ネットのニュースを読み、ただ恐ろしくなっているホットスポット在住の者です。

でも、私の住んでいる市にこんな市議がいることを知ってちょっとほっとしています。

http://blog.goo.ne.jp/utuno_jcp

こういう時に頼りになるのは、フットワークの軽い若手の野党議員なのかもしれません。
自民党や民主党にしか票を入れてこなかった自分が恥ずかしくなります。
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こんなニュース見つけました (千葉県松戸市在住)
2011-05-15 15:09:43
この記事を読んで泣きました。
以下、引用です。

福島原発を注視する技術者、山田恭暉さん(七二歳)がこのほど「福島原発暴発阻止行動プロジェクト」を呼びかけている。山田さんは住友金属工業で技術者として三〇年勤続した経験をもとに、技術者仲間との議論の末、以下のような決意を呼びかけた。

(1)原発の暴発を防ぐには、一〇年作動する冷却設備を設置しなければならない(2)高度に放射能汚染された環境下での作業となる(3)それができなければ広範な汚染が発生する可能性がある(4)阻止するには、現場作業や技術を蓄積した退役者たちが次世代のために働くしかない。

当然、被曝するわけであり、大半の人間は賛否の判断にとまどう。「人のせいにしているのは気楽なことですけども、我々は原発で作った電気を享受し、それを許してきた」と山田さんは決意の理由を次のように語る。「被曝の制限で一〇分、一五分で帰ってこなければならない中ではまともな設備は作れない。三、四時間続けて作業をしなければというのが私たち技術者の実感。ロボットを使うにしても、手で触りながらやらないとできない仕事が残る。誰がそれをやるか。自衛隊がやればいいと言う人がいるが、若い奴にやらせるわけにいかない」。

実現の道筋も探り始めている。「東京電力に言っても受け付けないでしょう。政治の力を使わない限りこのプロジェクトは実現しない」との認識で政治家と話し、「長期にわたる国の体制として退役した元技能者・技術者のボランティアによる行動隊を作ることを提案」したいと呼びかけ文に記した。「原発専門の技術者に聞くと数カ月なら応急措置でも回せる。その間、作業の訓練を一、二カ月行なう。技術者といっても原発作業の専門家ではありませんから」と実現可能性を追求する。

「反対や批判は承知の上。だけど最悪のシナリオを書いて、やらなければいけないことからやる。これは技術者が心をこめてやらなければ。報酬があってやっちゃダメです」と捨て身である。五〇〇通のメール、二〇〇〇通の封書で呼びかけを始め、すでに二五人が参加を表明した。この覚悟を東電と政府はどう受け止めるのか。
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地域線量評価システムソフト (ひなぎく)
2011-05-15 17:27:44
こんなニュースを見つけました。

千葉市にある独立行政法人「放射線医学総合研究所」が開発した放射線量の総量を確認できるコンピューター用ソフトが公表されたそうです。

福島原発の周辺住民の方々が、事故後どれだけの放射能を浴びてしまっているのか?と言う心配の声を受けて作られたソフトで、3月11日以後の自分の行動と場所を一日毎に入力をしていくと、今日まで浴びてしまった放射線総量が出てくるソフトだそうです。

被災地限定のソフトらしいですけれど、URLを載せます。

 http://www.nirsdose.jp/
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Unknown (読者)
2011-05-15 18:30:48
読み辛いから、もっと空白行で改行してください
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本当に被曝ではなかったの? (なにわのおっさん)
2011-05-15 21:02:39
亡くなった作業員の方の死因が被曝ではなかったとのことですが、絶対にまちがいないことなのでしょうか、信頼度の高い情報なのでしょうか、はっきり言って、今までの政府等の発表は全て嘘やはぐらかしばかりだったではありませんか?絶対に第2第3の犠牲者っはでないと断言できるのでしょうか?
人一人が亡くなったのに余りにも報道等情報が少ないのも気がかりです。
死亡原因が被曝ではないとしても、原発作業中であるということは間違いなく因果関係は必ずあるはずです、確実に原因を追求し発表して欲しいものです。
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