那田尚史の部屋ver.3(集団ストーカーを解決します)

「ロータス人づくり企画」コーディネーター。元早大講師、微笑禅の会代表、探偵業のいと可笑しきオールジャンルのコラム。
 

自動車事故教習所を作ってみたら

2010年12月23日 | 雑談
私は凝り性だ。何かに懲りだすと、最低3ヶ月、大抵は3年間夢中になる。
山菜採集も、釣りも、日曜大工も、3年間は熱病患者のように集中した。
 
自動車の運転もそうだ。免許を取って、最初の一年間は「毎日100キロ走る」ことを実践した。
だから、愛媛県の西南部では、大げさに言えば、「走らなかった道はない」といっていいほど走りまくった。遠くの町のブラインドカーブの角度まで全て覚えていたものである。

ところで、自動車教習所では、法定速度をきちんと守り、絶対に事故が起こらない状況で実技運転をする。だが、実際の道路に出てみると、法定速度で走っていたら、あおられ、追い抜かれ、逆に危険だ。教習所で習っていない状況に晒されるのである。「ウソ、そんなことあり?」と悲鳴を上げる現場ばかりなのである。

だから、私は最初の愛車は「車検2年付き、20万円」のスプリンターを買って、最初の3年間は徹底的に危険な運転を試した。例えば、山岳地帯で、ガードレールの外は谷底の道で、「どこまで左に寄ったらガードレールにぶつかるか」を何度も試した。
 狭い道で対向車と出会い離合するときに、どこまで左に寄ればガードレールにぶつかるか、などという訓練は、教習所では教えない。だから、私は、ガードレールを擦っては離れ、擦っては離れる練習をつんで、車体の左側面の車幅感覚を鍛えたのだ。なかなか擦れないものだ。勇気が必要だよ。
 そうだ。小学校のグランドに女房を立たせて、手を横に伸ばさせ、その手の先にフェンダーミラーを擦らせる、という練習も繰り返し行った。
 自分の身体の延長として車が運転できるようになるための訓練である。

あと、きついカーブの連続する山岳地帯を「左手一本で運転する」練習にも熱中した。これは突然右手が使えなくなったときのための練習である。また、右でも左でも自在に車を動かせるようにするための訓練でもあった。
 おかげで愛媛県の小京都と言われる「内子町」の路地を走るときに大いに役立った。内子の路地は非常に狭く、おまけに車や自転車や人でごった返しているのだ。そういう狭隘な道を右に左にハンドルを切って走る抜けるには、両手で運転するよりも、むしろハンドルの真上を片手で握って走るほうが、とっさの対応に対処できる。ついでにギアはセカンドに入れておくのがいい。急ブレーキや急アクセルが利きやすいからだ。所謂、ドラバビリティーが高くなるんだね。同乗した親戚のおばちゃんが、「お前、運転うまいね。うちの息子はこの道は怖くて入らないよ」と言ってくれたときは嬉しかった。

さて、頭の中で四角い枠組みをイメージして欲しい。その枠組みの中に丸い円がある。その丸い円は四角い枠に接していない。四角い枠の線の上は、事故死に出会う可能性の高い線である。
 丸い円の外と四角い枠組みの間が、危険ゾーンで、丸い枠組みが安全ゾーンだ。自動車教習所では、この丸い円の中だけの運転しか教えていないんだね。だから、丸い円の外側のグレーゾーンを教える「自動車事故教習所」を作るべきだと思っているんだよ。

例えば、ガードレールを擦る練習。それから、オカマを掘る練習。どれぐらいの車間距離をとっていないと危険か、これで教えるわけだ。それから壁に激突する練習。何キロで激突すればどれぐらいの衝撃が襲ってくるのか、体で覚えさせるわけ。
 それから、あえて危険な状況を作ってわざと事故を体験させる練習。例えば「サンキュウ事故」のシチュエーションを生徒には秘密で作っておく。まず100%事故を起こすだろう。そういうありとあらゆる危険な設定を体感させてやれば、普通の教習所を出た人間より、何倍も「安全運転」が身に付くに違いない。
 冗談じゃないんだよ。本気でそういう「自動車事故教習所」があったら、どれだけ事故の数が減ることだろうと思ってる。

こんな発想を抱いたのは、私が実験映画ファンだから、ということと大いに関係している。
実験映画というのは、普通の撮影マニュアルや編集方法からみたら、「事故」みたいなNGカットをいかに修辞法の一つとして応用するか、という世界なんだ。
 例えば、普通は適正露出を決めて、被写体をラチチュードの幅の間において明暗のグラデーションを生み出す。でも実験映画だと、わざと露出オーバーにしたりアンダーにして、目に「交通事故」を味あわせる。
 パンニングだってそうだね。ある一定の速さを超えると人間の目にはチカチカして不快なんだが、実験映像作家はわざとスラッシュパンを多用して、「スピード違反」を繰り返すからね。
 安全な丸い円の外側にあるグレーゾーンの中に表現の可能性を見つけるのが実験映画だ。
自動車事故教習所も同じだね。交通事故ゾーンぎりぎりの運転を知っている運転者は、普通の運転者より遥かにテクニシャンだ。実験映像作家もテクニシャンが揃っているからね

それにしても、日本の交通死亡事故を「一発で半分に減らす方法」があるのに、政府はなぜかそれをやらない。ご存知かな?
 簡単ですよ。「100キロ以上のスピードが出ないようにリミッターをつける」。これだけで死亡事故は半分以上減ります。
 みんなそれを分かっているのに、なぜか実行しない。噂では、政権与党が自動車産業から莫大な寄付をもらっているかららしい。また一説には、「事故回避」のために100キロ以上のスピードがでるように車を作っている、という自動車産業の主張に沿っている、と言われているが、こんなのは嘘っぱちだよ。私は以前毎日のように中央高速を走っていたが、ブレーキを踏んで事故を回避する場面はあっても、アクセルを踏んで事故を回避する場面なんて絶対にないからね。万一あるとすれば、元々スピードオーバーで二台の車が走りあっている時だ。


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