未熟者武道記

空手徒然。
二つの戈を止める武を核とし、諸諸と調和して溶け込んで。(いけたらいいな)

空手道場選び

2017-09-07 23:37:51 | 雑感
早いものでと言うべきか、やっとと言うべきか秋がきました。ダラけた夏を取り戻すかのように皆が食に学に運動にと活発になる季節。うちの道場も毎年少なからずその恩恵を受けており体験も続々舞い込んできておりますが、子供に空手を習わせたい、或いは御自身が習いたいとお考えの方々へ道場選びの一助となればと記しておこうと思います。

•其の一【スタイル選び】
ひとえに空手と言いましても残念ながら纏まりが無いのが空手界。流派や会派が入り乱れ初めての方にはよく解らないと思います。ざっくり別けると所謂①伝統派と②フルコン派になるでしょう。この二つのスタイルは大会を目的に活動している団体が殆どです。

①は名前の通り昔ながらの空手。形も組手もあります。何方かと言えば形に重きを置くイメージがあります。
②は組手が全てといった感じでしょうか。①と違い当てるのではなく打ち込みます。

あとライトコンタクトや試合等に固執しない原理的な武術としての空手を追う道場もあったりします。


•其の二【長所と短所】
では双方+1を学んだ身として①と②の長所と短所を挙げてみましょう。

①の長所
長く続けられる。
深まった理解を形に反映しやすい。
安定した競技人口。
五輪。(個人的に空手の五輪はベクトルが狂うのが目に見えているので大反対です。技術は大きく停滞或いは衰退するでしょう。)

①の短所
会派の多さ。即ちそれだけ言う事の違いがある。
見栄え>実戦性。言うなれば点数を追う競技化。
常設道場の少なさ。等々。


②の長所
イジメへの耐性。
直接的なストレスの解消。(選手除く)

②の短所。
若者特化型。年齢を重ねて続けるのは…。競技人口は減る一方。強さ>上手さ。流派は多々あれどやってる事は何処もドツき合いオンリー。
ほぼ皆無、空手らしさ。和装キックボクシングと言われても認めざるを得ない。形も酷い。怪我の多さ。等々。

これぐらいにしておきましょう。クレーム来そうだから(笑)


・其の三【先生の見極め】
①にしろ②にしろ会派流派が多いのでそれだけ先生が居ます。いきなり「ここ!」と即決せず色々な先生の話や方針を聞いて道場を選ぶ事をお勧め致します。
最近は女子のように終始スマホを片手に稽古させSNSに挙げる事を仕事にしているような先生もいます。知り合いのお子さんは翁先生がそれなので黒帯目前でしたが辞めたそうです(苦笑)

特に資格が必要な仕事ではないので、中には某流派の元五級なんて人物が館長をして組手ばかりさせている道場もあります。うちの近隣にも二件。見極める一つの方法としては一般部(大人クラス)があるかどうかを調べると良いかも知れません。時間貸しの都合等もあるので絶対ではありませんが。余り自分が動かずに指導している所も怪しいかもしれません。

ではどんな先生が良いのかと問われると難しいのですが、私はやはり実際話してみるのが一番かと。空手の事は解らなくても情熱のある人であれば何か感じるものはあると思います。あと飽くまで個人的にですが空手に懐疑的なものを持っている先生に子を預けたいです。幾つか回って頂いた後お父様お母様、或いは御本人の人生経験で判断して戴ければ(笑)


・其の四【向き不向き】
お子さんを習わせたい親御さんによく訊ねられるのが「この子向いてますかね?」というテンプレート。大人の方だと「経験ないのですが…」ですかね。何でもそうですがこればかりはやってみないと分かりませんし当たり前ですが誰しも初めは初心者です。割と運動センスがあっても最終的にやる気が失速して昇段審査不合格なんて子も間々居ます。最初頼りなくても見違えるほど芯が太くなる子も居ます。
ただ、稽古事ですから人の話を聴ける態勢の作れた子の入門をお願いしたく思います。聞けない=振り返れない=稽古にならない のです。
そこさえクリア出来て入れば誰でも強く上手く成れるでしょう。


さて四項目だけですがこれらを踏まえて探して頂ければ自分に合った道場が見つかる事でしょう。大抵は近い所になるのかもしれませんが(笑)
秋は各地で大会も開かれますから頑張ればあんな風に成れる、というモデルを探しに足を運んでみるのも良いかもしれませんね。

では良い道場に巡り会えますよう。





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