日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

東京五輪の簡素化検討は中止への地ならしか

2020年06月13日 09時31分58秒 | 日々雑感
 2021年夏に延期された東京オリンピック・パラリンピックについて、6月4日、東京都の小池知事と大会組織委員会の森会長が新型コロナウイルスの感染拡大を受けて会談し、大会の簡素化を検討する方向で一致したことが、関係者への取材でわかったとのことだ。

 安倍首相はこれまで”完全な形”での開催をめざすと宣言していたが、菅官房長官もこの日、アスリートや観客にとって安心、安全の大会にすることも極めて大事だと述べ、完全な形での実施は無理だろうことを認めたようだ。

 安倍首相も完全な形での開催は到底無理だろうと内心思っているだろう。だからと言って、今の時点で即中止を決定するのはよっぽどの決断力と勇気が必要だ。次善の策として開催の余地を残しつつ簡素化の方向を打ち出すのは当然でる。しかし頭の片隅には中止の選択もあるに違いない。

 新型コロナウイルスの収束は、ワクチンの開発や治療薬が開発されない限り期待できない。ワクチンの実用化は早くても今年末だとの報道もあるが、世界中に行き渡るのには更に1年位はかかるであろう。オリンピックは世界平和の祭典だ。例え日本で収束しても世界中からコロナウイルスが撲滅されない限り開催できない。

 さて、5月29日発売の週刊フライデーが来年7月に延期された東京五輪が実はすでに中止とすることで決定済みであるという記事を掲載したとのことだ。米政府との繋がりを有する大手旅行会社のマル秘レポートの中に中止決定という一文が見つかったというのだ。オリンピック開催はIOCが決定権を有し、ここが中止と宣言しない限り正式決定では無いだろうが、オリンピックの開催にはいろいろな利権団体が絡み、様々な意見が出るのは当然であろう。中止の報道も驚くに値しない。

 また、IOCバッハ会長は安倍首相が来年開催予定の東京大会を更に1年延期できないことを明確に示していると語っている。この真意は不明であるが、オリンピック中止となるとその経済損失は莫大になるだろうが、何としてでも1年後に開催して損失を最小限に留める決意の表れでもあろう。

 しかし来年の開催も危ぶまれるが、再来年の開催は例えウイルス騒動が一段落しても他の競技との関係等で無理であろう。2年後の中止となるより、今から中止と決定した方が最小限の損失で済むと思われるが、これまで完全な形で来年実施と言ってきた手前その決断は唐突過ぎる。

 東京都の小池百合子知事は6月4日、報道陣の取材に五輪・パラリンピックの開催には都民、国民の共感、ご理解が必要。そのためにも合理化すべきところ、簡素化すべきところを進めていくと述べたそうだ。

 開閉会式の出席人数限定等や時間短縮や聖火リレーの廃止、競技種目の削減や出場選手の制限等が検討されるのであろうが、一番の難題は観客の扱いである。選手を含む大会関係者へのPCR検査等は人数が限定されるため不可能ではない。しかし、観客は人数が多い。無観客試合にする手もあるが、それでは選手の為の大会となり平和の祭典の名前が泣く。

 そもそも東京に決定する際の最大の弱点は都民の盛り上がりが少なかったことであった。簡素化の検討過程で熱が冷めれば中止の方向に舵を切ることが容易になる。2020.06.13(犬賀 大好-608)