日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

都議選に向けて自民党の態度はいただけない

2017年06月17日 09時37分36秒 | 日々雑感
 東京都議選は23日公示、7月2日投開票に決まった。一方、小池百合子都知事は今月1日、自民党に離党届提出すると共に、地域政党 ”都民ファーストの会”の代表に就任し、「東京大改革を進めるために決意を示した」と述べた。

 自民党東京都連会長を務める下村博文幹事長代行は記者団に ”これで非常に分かりやすい構図となった”述べた。これは、今まで小池氏が自民党に進退伺を提出していたが、自民党はこれを保留しており、小池氏が自民党員であるような無いような状態でいたからだ。

 これまで都議会で過半数を占め我が世の春を謳歌してきた自民党は、今回の選挙では苦戦を強いられるとみて、小池批判を強めている。攻撃のキーワードは、専ら ”決められない知事”や”小池氏の言いなりになる都政の弊害” である。

 菅義偉官房長官も4日、東京都議選の党公認立候補予定者の決起大会に出席し、小池知事について ”決められない知事だ”などと批判を展開し、対決姿勢を鮮明にした。決められないとは、例えば石原元都知事が築地市場の豊洲移転を決めたことに対し、安全性の観点から見直しを図ったが、その後の計画をなかなか具体化できないことを指している。自民党は小池氏の進退伺に対し、何も決められなかった件はすっかり忘れてしまったようだ。

 6月11日、都の専門家会議が豊洲市場の土壌汚染対策に関し追加対策案を妥当と判断する提言をまとめた。また、市場問題プロジェクトチーム(PT)は築地市場を残すよう促す報告書を取りまとめており、小池知事が二つの有識者会議に求めていた判断材料が出そろった。いよいよ小池氏の決断が迫られている。

 小池氏の判断は頭の中では既に決まっていると思われる。心の内を明かさないのは、都議選との絡みではないだろうか。巷では基本豊洲移転とするが築地市場も売却することなく有効活用する方針とのことらしい。この案に対し、自民党はどのように批判して来るであろうか。

 豊洲移転のみであれば、自民党は”それ見ろ自分たちの主張と同じになった”と、自分たちの正しさを主張し、決断の遅れを一層衝いてくるだろうと思われていたが、小池氏はその反撃も封じたことになる。なかなかの知恵者だ。

 自民都連会長の下村氏は、ファーストの会の躍進と自民党の後退を予期してか、都議会が小池知事のイエスマン集団になってしまってよいかと、危機感を煽っている。

 下村会長のこの発言は、石原元都知事時代、東京五輪や豊洲移転経費の膨張は過半数を占める自民党にチェック機能が無かったからとの反省からと思い、さすが会長を伊達に勤めてはいないと感心していた。しかし、その後の発言を聞くと、イエスマン集団の弊害の例を北朝鮮にしており、自らの反省は全く無いようだ。

 自民党と都民ファーストの会は真っ向から衝突しているように見えるが、安倍首相と小池知事の関係はそう悪くはないとのことである。両者ともに改憲論者であり、右翼の政治結社である日本会議を介しての同志とのことだ。

 下村会長にとって、都議選での敗北は辞任問題に直結するが、安倍首相にとっては大きな問題と考えていないのではなかろうか。自民党と都民ファーストの会の関係は、自民党と大阪維新の会の関係と同じになるとみている人もいる。憲法改正を本望とする首相にとって、将来小池氏が都政を踏み台にして国政にまで進出した場合、東京における自民党の敗北も、代わりの改憲勢力が穴を埋めてくれれば、それで十分だと言う訳である。

 さて、先日共謀罪に関する法案が成立した。強行採決で参議院を通過させたのも、早く国会を閉会させ、都議選への影響を最小限にするためと言われている。共謀罪の他に加計学園問題もある。政府は正式な手続きを経ており何ら問題ないとしているが、そうとすれば正々堂々とすべて公開すればよいが、ひたすら早く幕引きを図り、国民が忘れるのを待っているようだ。国会閉会しても身の潔白を証明すべきである。民主主義の基本は情報公開である。2017.06.17(犬賀 大好-347)