肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

今日のお月さん満月ピンクムーンだそう 2021.4.27

2021年04月27日 | 

 
 
PENTAX K70 300mmズーム ISO200 F7.1 上が1/125 下が1/320
 
 
マクシー60とiPadPro10.5インチ

    

 
 こんな感じにセットして撮っています。
東の空に上がってきたときはオレンジ気味、しかし、雲があってもやっとしか撮れず、いったん雲に入っちゃってそのあと薄雲になって撮影再開、マクシー60とiPadPro10.5インチで撮ったものとPENTAX K70と300mmズームで撮ったもの。


B型肝炎再発時の請求権を認める、除斥の壁を破る画期的な判決 2021年4月26日(月)

2021年04月27日 | 肝炎救済に関連して
 
2021年4月26日(月)画期的な判決がおりました。
B型肝炎訴訟では被害が発生してから20年経つと、除斥期間という壁があり和解金が一気に減ります。苦しんだ期間が長い方が、証拠を集めるのに時間がかかった方が和解金が減るというなんとも被害状況に合わない壁が存在しています。
その壁をなんとかクリアする方法として、再発時を請求権の発動時とすることを認めさせることになりました。まだまだ除斥の壁はありますが、その壁を破る一つの方法が見つかったこと、本当によかったです。

全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団からの声明をのせておきます。
 
令和3(2021)年4月26日
全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団

声明
1 本日、最高裁判所第二小法廷(三浦守裁判長)は、集団予防接種における注射器の連続使用によってB型肝炎ウイルスに感染し、慢性肝炎を発症し、沈静化した後に再発した原告らに対し、最初の慢性肝炎発症時を起算点として除斥期間(旧民法724条後段)を適用した福岡高等裁判所の判決を破棄し、逆転勝訴の判決を言い渡した。
  本判決は、除斥期間という時の経過による権利の制限を形式的に適用するのではなく、客観的に損害賠償を請求できるかという観点から除斥期間の適用を制限したものであり、被害者救済のために最高裁判所が司法の職責を果たした画期的な判決であって、高く評価できる。
2 本判決は、「どのような場合にHBe抗原陰性慢性肝炎を発症するのかは、現在の医学ではまだ解明されておらず、HBe抗原陽性慢性肝炎の発症の時点で、後にHBe抗原陰性慢性肝炎を発症することによる損害の賠償を求めることも不可能である。」から、「HBe抗原陰性慢性肝炎を発症したことによる損害は、HBe抗原陰性慢性肝炎の発症の時に発生したものと言うべきである。」として、再発の肝炎による損害は、再発時が除斥期間の起算点となるとして、原告らの請求を認容した。
  あらかじめ請求できない損害についての請求をしていなかったことを、被害者の不利益に解釈してはならないという民法の本質から原判決を取り消したものであり、法理論としても重要な意義がある。
  本判決は、これまでの最高裁判例が、旧民法724条後段が除斥期間であることを前提としながらも、除斥期間の適用をできる限り回避して被害救済を行ってきた流れに即し、原告らの被害実態に向き合い、時の経過のみで国の責任を免じる不合理を許さないと判断した、まさに正義にかなった判決である。
3 さらに、裁判長の補足意見では、極めて長期にわたる感染被害の実情に鑑みると、上告人らと同様の状況にある特定B型肝炎ウイルス感染者の問題も含め、迅速かつ全体的な解決を図るため、国に協議を行うなどして感染被害者等の救済にあたる国の責務が適切に果たされることを期待するとされた。極めて的確な指摘である。
  上告人2名と同様の再発肝炎の被害者はほかにも111名、それ以外に除斥の肝炎を闘っている被害者も200名以上いる。これらすべての被害者に対し、国は加害者として誠実に向き合い、迅速に解決のための協議を行うべきである。
4 我々は、不合理な除斥の壁に立ち向かう被害者全員の救済を求めて、全国の原告団、弁護団、支援者と一丸となって闘い続ける決意である。
以上
 
以下毎日新聞の記事を載せておきます。
 
B型肝炎が再発した患者2人が国に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で「逆転勝訴」の旗を掲げる原告団。左から3人目は原告の平野裕之さん=東京都千代田区の最高裁判所前で2021年4月26日、北山夏帆撮影
 集団予防接種が感染原因のB型肝炎を20年以上前に発症し、再発した慢性患者2人が国に賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(三浦守裁判長)は26日、請求権が消滅する除斥期間(20年)の起算点を「再発時」と判断した。起算点が最初の発症時か再発時かで、1、2審の判断が分かれていた。再発時が除斥の起算点と示されたことで、他に全国で除斥期間を争う再発患者約110人の救済につながる内容となった。
○忘れられた3億人の感染者 ウイルス性肝炎
 裁判官4人全員一致の意見。小法廷は、最初の発症時を起算点と認めて請求を棄却した2審・福岡高裁判決(2019年4月)を破棄し、審理を高裁に差し戻した。【近松仁太郎】