失職した中年男二人が、チベット仏教まがいの新興宗教を立ち上げる。一人は、都庁の管理職を辞めてゲーム本を出版しようとしたが、出版関係者の詐欺いに遭い挫折。もう一人はその出版関係者で、ひょんなことでこの二人が出会って、金儲けのために起こした教団。
一時は8000人もの信者を集めるも毀誉褒貶の末、心ならずも熱心な信者5人と車での逃避行、一人は喘息で死亡、教団主は殺人教唆で実刑となる。
様々な理由で家庭から逃避して、教団で支え合って生きていく若い女性達(熱心な信者)の姿が、家庭崩壊など現代社会について考えさせられる内容の濃い小説だった。
ある病院に見舞いに行くたびに、備え付けの(ひまわり文庫)この本を読み継いだもので、合わせて900ページほどの大作。