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森沢明夫「海を抱いたビー玉」

2011年10月30日 | ま行の作家

 

小学館文庫
2009年2月 初版第1刷発行
解説・ひすいこたろう
274頁


悪人が登場しない小説です
少々イヤな人間は出てきますが、それはそういう性質(たち)といった程度のものです
こういう物を読むとホッとします

運転手の親子に愛されたことで心を持った瀬戸内海の小さな島のボンネットバスと、手にした者に勇気を与える不思議な青いビー玉が、時代を超え、運命に導かれながら旅をしていくファンタジー
事実をもとに描いた奇跡と感動の物語

文庫版のためのあとがきに、魂を持ったボンネットバスがたどった軌跡をトレースするための取材旅行の様子が写真とともに描かれています
瀬戸内海の大三島から広島の竹原へ運ばれ空き地でゴミが詰め込まれていた状態だったバスが福山のレストア職人の手で生き返り福山自動車時計博物館で展示され、さらに町おこしのために新潟の湯沢町へお嫁入り、数年後には大三島へ一時里帰り
バスは現役時代には大三島の運転手の息子を元気づけ、30年以上後には大震災に見舞われた山古志村の子供たちに希望と勇気を与えます


プロローグとエピローグには成長した運転手の息子が登場
ここの見事な繋がりは健在
プロローグの次にエピローグを読んで、それから本編に入っても構わないかもしれません


魂を持っていたバスは長い時間空き地に放置されている間に眠ってしまいます
福山に運ばれバスと同じように魂を持った古い車から、今は21世紀だと聞かされ驚き!
なんと空き地で28年間も眠っていたのです
その間に映画の影響で古臭かったボンネットバスの人気が復活していたんですね
バスを見た子供たちに「ねこバスだ!」と喜ばれても、ねこバスが何だかわからない
流行とか人気というのは分らないものです


素晴しく感動する物語ではありませんし、ファンタジーとしてもそれほどわくわくするものではありませんが、そこそこ良い作品だと思います


自動車博物館の館長さんの言葉
思う、言う、成る
人が、なにかを心で思う
そしたら思ったことを言葉にして言う
それを言い続けていれば、いつかは現実になってしまう
それが、思う、言う、成る、だ


大三島の楠の巨木がボンネットバスに届けたメッセージ
キミが生きているということは、それだけですでに奇跡だろう?
ならば、これから先、キミにふたつめの奇跡が起こらないと決めつける理由は、いったいどこにあるんだい?

 

 

 

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コメント (2)   この記事についてブログを書く
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2 コメント

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ありがとうございます。 (tyaki)
2011-12-18 21:44:39
トラックバック今気が付きました・・(^^;)
ありがとうございます。

この本ほんとに素敵ですね。。
たくさん本を読む私ですが、この本は保存版で置いてあります(笑)

繰り返し読んでみたいです。。。

tyakiさん (こに)
2011-12-20 19:52:34
訪問&コメントありがとうございます
森沢さんは、まだ3冊目ですが外れの無い作家さんですね
今後もボチボチ読んでいこうと思っています

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