梟の独り言

色々考える、しかし直ぐ忘れてしまう、書き留めておくには重過ぎる、徒然に思い付きを書いて置こうとはじめる

金は金を生み、貧者は更に貧しくなる

2017-07-15 07:58:24 | 雑記
建設業界で35年くらい生きてきたのでいろんな方と話す機会がある、
ある時大手ゼネコンの役員と飲む機会があった時彼が「工費の最低3割はうちで取る、しかし工事のケツをふけるなら(責任を取れるなら)うちの口銭はそんなに取らない、数百億のケツがふけるならな」と言われたことがある、
5〜6年前にこの言葉の意味が如実に理解できる出来事がおきた、
都内の一等地に戸数40程度の億ションが計画された、クライアントは大手デベロッパーと著名なマンション販売会社で最低でも1戸1億5千万と言うマンションだったが計画発表から3ヶ月も立たずに完売するという人気だった、しかも全額前払がほとんどと言う売れ方だった、
工事は4大ゼネコンの一社で基礎と躯体はゼネコンで設備はそれぞれ大手サブコンに外注する、総合建築費用は設備と内装が7割近くなるのが一般的だが共同住宅は比率は低い、
現在の工法は基礎が終えると設備は追いかけるように工事に入る、躯体工事は先行し四階部分まで進んだ頃事件が起きた、
壁には構造壁と言って建物の強度を保つ重要な壁が有るのだがある設備会社が隔壁を貫通する穴を開けるのに指示共有のミスで過剰に開けてしまったのだ、
ゼネコンの指摘で急遽貫通孔の調査をしたらなんと200を超える過剰開口が発覚、サブコンも当然一級建築士を抱えているので計算し直したが構造壁としての強度を担保できないと結論付けられた、
クライアントは即日解体再設建築を要求の上売却済みの顧客に契約に従って手付金の倍額を返金した、殆どが全額を支払っていたのでこの文も含めてゼネコンが支払ったのは80億以上、サブコンに来た請求はその半分の40億だった、
無論監督責任はゼネコンにあるがそれは損害の半分を負担する事で責任の一端をとり原因を作ったサブコンに半額を請求したわけだ、
サブコンは監督をだして管理しているのだがある程度の責任と権限を協力会社に任せている、直接のミスはこの協力会社に所属している職人が起こした、工事の職人と言うのは大抵一人親方という人たちで個人事業者である事が多い、この時の責任者がそうだったのかは不明だがいずれにしても工事の末端会社は多くても4〜50人程度で資本金も千万単位、年商も一人あたり7〜800万程度である、民事的には一番賠償責任が来るのは末端会社だが負担できるわけもない、
サブコンは内部留保から支払ったが支社の土地を売却して補填した、
こんな事が起きる確率は%以下である、その上当然だが工事保険を掛けているのでトータルで言えば3割とか4割のゼネコンマージンは多額の利益を生む、
工事保険はかなりの掛け率で保険会社に大きな利益をもたらすが更に保険会社は再保険をかけてリスクを分散している、この再保険は個人が案件ごとに引き受けることもあり結果的に多くの資産を保有している人間に大きな利益をもたらしているのが現状だ、
確かにこう見ていくと万が一の為にリスクを分散し各々引き受けられる範囲で出資しているのだから非合法に儲けているわけではない、
しかしこ様に資産というものは有る一定の量を超えると資産自体が資産を生むと言うのが本質だということになる、
ピケティの「新資本論」を頼るまでもない、自由資本主義には富の遍在とその結果による加速度的な格差社会を産むと言うことを内在している、
現在の政治形態は産官政の連合体だ、実際の人数的に言えばこの連中以外の方が圧倒的に多い筈だが現在を生きるのに精一杯で政治は他人事のような有様だ
家康が「民は生かさず殺さず」と言ったと言われているが追い詰められなければ中々行動には移せない、かと言って革マル派の様に何のビジョンもなくテロ行為にでても民意は得られない、
しかしこんなことを書いていると「共謀罪」で捕まるかもしないな、クワバラクワバラ


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