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つまみ食いの読書

2017-02-24 21:10:51 | 歌う
         つまみ食いの読書

 ♦ 十分で一冊の本が読めるらし十分後には忘れる本を  松井多絵子
 
 昨日の夕刊朝日を読みながら私は高橋源一郎さんとオシャベリをしているような気分だった。珈琲ではなくビールを飲みながら。「本を読む時間がなくて。最近は日に30分くらい」と私が言えば「30分だけ読書を楽しめばいい。読書を勉強のように考えてはいけない、そんなの楽しくない」と源一郎さん「たとえばドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」トーマス・マンの「魔の山」紫式部の「源氏物語」100年、200年経っても残っている作品には、その理由がある。

 一冊丸々読み通す必要はない。ショートケーキの苺だけ食べるみたいに。気が向いた時に好きなところを読めばいい。どんどんぺ-ジを読み飛ばしてもいい。好きなフレーズを見つけたら何度もそこを読み返すだけでいい。長編の名作は遊びがいがある。ぼくも昔から飛ばして読むことが多かった。どんどん読書のつまみ食いをしてほしい。

 「つまみ食いが楽しくなって最初から全部読みたくなったらそうすればいい。そんな風にして本と友達になれたら楽しい。源一郎さんは背広よりポロシャツとジーパンが似合う。気ままに生きている感じ。会ったことがないのに親しい男のような、私が落ち込んでいる時に飲みながら一緒におしゃべりをいたくなる老人未満の男である。音楽もつまみ食い。本でも音楽でもたくさん読んだり聴いたりすればするほど、いろんなもののつながりが見えてきて、楽しみが広く深くなっていくと思う」と語る高橋源一郎は明治学院大国際学部教授。

 先日デパ地下でハム、チーズなどなど試食していた男子、もしかして源一郎先生かしら。新聞の先生は「そうだよ。あれは僕、ケーキの苺も試食したよ」と。

   さあ、今夜は『さようなら、ギャングたち』をつまみ食いします。 

            2月24日  松井多絵子

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