「男装した中3女子が」
★男にも女にも見える傍らのひとが下車する赤坂見附 (松井多絵子)
8月最後の朝刊の天気予報の隣に ▲ 「中3女子、男装し金受け取り役」。▲
警視庁は、足立区の女子生徒(15)を詐欺未遂容疑で現行犯逮捕。逮捕時、中3女子生徒はオールバックの髪形にスーツ姿で男装していた。共謀した他の男らが、東京都稲城市のマンション管理人女性(55)に長男を名乗って「取引先に渡す通帳をなくし400万円を用意しないといけない。部下が取に行くので駅までもってきて」などと電話し、女子生徒は駅に行き女性から現金をだましとろうとした疑いがある。女子生徒は「先輩から頼まれた」といっているらしい。
女性が詐欺と気づいて110番通報。女子生徒はサラシを巻いて胸のふくらみを隠し、スーツにネクタイ、髪はオールバックにし駅に現れたところ、通報を受けて張り込んでいた署員に逮捕された。逮捕した署員は「若い男だと思った」と話しているという。
警官にも男か女かわからないのだから乗り物のなかで、男か女か私にはわからないひとが度々いるのものも当然だ。いま若い女の子に男装が流行っているそうだが、女には元々男装願望があるのではないか。先月「宝塚」が創立100周年を迎えたらしい。私の母は宝塚が大好きで、母といっしょに何度も公演を観ている。母は越路吹雪のファンで「スミレの花咲く頃」をよく口ずさんでいた。私も越路吹雪の歌が好きになり、シャンソンや詩が好きになった。私の短歌のはじまりは宝塚かもしれない。男っぽい服が好きだった私に、母はピンクのふわふわした服を着せたがった。丸顔のわたしを「音羽信子」のようなをお姫様にしたがった。しかし父は「この子は痩せていて162センチなんだから男装の方が似合う。ピンクや、フリルの服なんて着せるな」と母をたしなめたこともあった。わたしが女っぽくない服を着ていたほうが「虫」がつかないと父は思ったのではないか。ほんとに「虫」がつきませんでしたから。母の好みの服を着ていたらわたしは「バラ色の人生」を。などと後悔してもおそすぎますね。 、
明日から9月 「あまちゃん」に災難が起きませんように 松井多絵子