筆のおもむくままに

 短歌を詠んでいます。一日一首、一週間前に詠んだ歌を載せています。

寒の戻り

2017年04月20日 | 気象予報士のひとりごと
 こんにちは、当ブログ管理人の木村司です。

 このたび、電子書籍『四時四十分までの旅』を出版することになりました。

 http://www.l-gulliver.com/book/bookpage/410tabi.html
 
 その宣伝も兼ねて、月に数回、気象に関する書き物を書いています。興味があれば、『四時四十分までの旅』も併せて読んでいただけばと思います。

 今回は気温の話。

 4月に入ると、過ごしやすいを通り越して、少し体を動かすと汗ばむくらいの日も出てきます。大阪市での最高気温の平年値を見ると、

3月1日 11度4分
4月1日 16度5分
3月15日 13度7分
4月15日 19度8分

 と、それぞれ1ヶ月で5~6度も高くなっています。

 ところが、季節がスンナリ進む年はほとんどありません。昨年2016年の大阪市は、4月10日に21度ちょうどまで上がりましたが、2日後の朝には5度5分まで下がりました。郊外の能勢町では氷点下0度7分まで下がり、氷が張ったり霜が降りたりするほど冷え込みました。

 極端な気温変化があると「異常気象ですか?」と聞かれることが多いのですが……。
 違います。
 寒の戻りという言葉があるように、冷える日もあるのが春の特徴。4月の冷え込みはいわゆる花冷えで、毎年のことなのです。
 そのほか、若葉寒や梅雨寒など、6月のころまでヒンヤリ感じられる日はあります。低気圧が周期的に日本付近を通るこの時期は、低気圧通過前に気温が上がり、通過後には下がるのはよくあること。
 寒の戻りがない方が、異常かもしれません。

 異常かどうかは別にして、寒の戻りには注意が必要です。特に、農作物が育つ時季に霜が降りると大変。過去には、晩霜により数億円規模の被害が出たこともありました。
 また、暖かさに慣れたあとの冷えは、体に堪えるもの。花粉症などで鼻や喉の粘膜を痛め勝ちなため、真冬よりも体調を崩しやすいと言えるかもしれません。
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4/13 桜風

2017年04月20日 | 短歌
校門に制服の子らは吸い込まれ京橋口には桜風吹く
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