魚棚

テンコチに　カレイヒラメに　タコ２匹
明るく響く　冬の魚棚

ロウバイ

春雨に　かすみし街も　雨やめば
あちこちかおる　ロウバイの花

猫と梅

久々の　日差しに欠伸　する猫の
となりで香る　早咲きの梅

飲んだ帰りに

ほろ酔いの　瞳に映る　終電の
か弱き光　闇へ逃げゆく

冷え込んだ朝

薄氷を　コンコンコンと　叩く音
震える我の　背を伸ばせる

休み明けの朝

休み明け　まぶた重たき　眼に映る
有明の月　我を覚ませる

出発の朝

朝まだき　玉造より　見渡せば
暗がり照らす　細き冬の陽

訪問

「目印は　ないんやけれど　分かるやろ」
仰る通りの　甘き梅の香

寝不足の朝

新しき　洗剤の封　開ければ
寝惚け頭も　空も晴れゆく

思い出の街

思い出の　街角に降る　雪の音
しんしんしんと　胸に染み入る