いろいろな機関や学者がいろいろな調査をして、調査結果として結論を発表するが、その分析結論には疑わしいものが多い。調査には、調査を行う目的が存在するが、目的に合うような調査体制や母集団を選定し、調査結果を予測してある種の筋書き定めた上調査を進める事が多い。調査のデータがその予測に反する場合、調査が無駄になるため、筋書きに合わせてデータを造ってでも調査成果として発表することになる。ちょうど検察や警察の誤認調書作成と同じ思考手順である。その結果誤った調査分析と結論が導かれる事になる。こうして誤った結論が情報として社会に流れ混乱を生み、誤った政策につながっている。<o:p></o:p>
文部科学省が公表した「体力・運動能力調査」では、中学・高校で運動部で活動を経験した人は、経験しなかった人に比べ最大20歳若い体力であることが分かったとしている。文科省は「継続的な学校時代の運動部での経験が、その後の運動・スポーツ習慣につながり、生涯にわたって高い水準の体力を維持するためには重要だ」と分析している。この分析は正しいとはいえない。学生時代に運動部に属し継続して所属出来た人達は、もともと体力があり「体力・運動能力調査」の項目の運動をこなせたのだ。運動部に属していなかった人は、元々他の能力は高くても運動能力が低い人達なのだ。だから、文部省の調査分析は正確でなく、調査で分かった事は運動能力の高い人と低い人とでは、「体力・運動能力調査」で行った運動項目結果に最大20歳程の開きが有ったという、調査しなくてもわかる当然の結果でしかないのです。これでは調査目的を満足しないので、調査前の筋書き通り「生涯にわたって高い水準の体力を維持するためには学生時代に運動し、それを持続する事が重要だ」という分析を結論として発表したのでしょう。<o:p></o:p>
「父親の所得が高いと子供の成績がよい」「朝ごはんを食べて登校する子供は成績がよい」など親と子供の相関関係を調査した結果が数多く発表される。低収入で甘んじねばならない低能力の親に、子供に朝ごはんを食べさせて登校させねばならぬという発想がないのでしょう。要は親の能力の高低がそのまま子供の能力の高低になっているだけ。低能力の親に優秀な子供は生まれないという至極当たり前のこと。粗暴な親の子は粗暴、精神発達障害者の子供には精神発達障害者が多い、非常識な親にはマナー欠如の子供、肥満の親に肥満の子供などなど。トビはタカを生まないが、人間の場合は、子供が親の劣等性を強く意識し矯正すればタカにもなれます<o:p></o:p>
厚生労働省の研究班の全国調査で、たばこ値上げによって中高生喫煙者の2割がやめたと言う結果を発表した。タバコ値上げは、中高生喫煙者の2割が禁煙するという意外な効用があったとする結論。たばこ値上げで中高生が2割禁煙したというが、大人は2割以上の人が禁煙したと云う調査もあるのだから、タバコ値上げは中高生の喫煙防止効果は低かったとするのが当り前の結論でしょう<o:p></o:p>
喫煙と低体重・低コレステロールは自殺率を高めると云う調査分析結果が発表されている。世間知らずの学者らしい分析だが、この分析は本末転倒だ。喫煙する人は強いストレスの生活環境をまぎらわすため、低体重は極低所得の生活環境で満足な食事が出来ず栄養不足状態のためだ。そのような人達は、生活に疲れ困窮して自殺に追い込まれるのだ。自殺率を高めている真の原因は、喫煙と低体重・低コレステロールでなく、ストレスと極低所得の生活環境にあるのだ。バカ学者によるこの種の分析が、誤った常識や政策をを生んでいる。自殺者を減らすには禁煙や体重増加を訴えても無意味で、自殺予備軍の生活環境を、自殺しなくてもよい環境に変えなければ何もかわりません。<o:p></o:p>
動脈硬化の原因の一つとされるコレステロールについて、日本脂質栄養学会が「総コレステロール値またはLDL(悪玉)コレステロール値が高い方が総死亡率が低い」とする今までの常識と真逆の研究成果をまとめた。日本動脈硬化学会は、血中のLDLコレステロール値が高い方が死亡率が高いとしている。だから悪玉コレステロールと云う名前まで付けられたのに・・・<o:p></o:p>
緑茶にはカテキンと呼ばれる抗酸化物質が豊富に含まれ、がん予防効果の可能性が高いと云う学術発表が通説となっている。しかし国立がん研究センターは、緑茶を飲んだ人と飲まない人で、乳がんについては発生率に差はないと、5万人規模の追跡調査で公表した。国立がん研究センターのカテキンと乳がん発症に相関関係はないと云う研究発表は緑茶制がん効果論を打ち消す結論を導いた。<o:p></o:p>
調査結果の分析結論を読むには、「読み手に分析読解力や見識がなければ適正な情報は得られない」と云うのが結論です。<o:p></o:p>