中国・四川大地震で、死者・行方不明者の合計10万人以上に達するとの見通しを示しており、犠牲者数はまだ増える可能性が高い。避難生活者1550万人、被災者は4550万以上に達したと発表したが、4550万人という被災者の数はスペインの全人口に匹敵する。人民解放軍などの救助部隊は、震源地の四川省アバ・チベット族チャン族自治州ブン川県での救助活動が、道路の寸断などの影響で作業は難航しているもようだ。中国国営の新華社によると、温家宝首相に続いて胡錦濤国家主席が四川省大地震の被災地を視察するため、四川省に入いった。同主席が地震後、現地に入るのは初めて。
このあたりは、元々チベット人が住んでいた所で貧困層がきわめて多い地域。中国はインドプレートに押され1年に6cm縮んでいるといわれている地帯。中国国旗「五星紅旗」の4つの小星はそれぞれ満州・モンゴル・ウイグル・チベットを表している。これら4星の自治区地域が中華人民共和国国土の約6割を占め、漢民国がジワジワだまし取ろうとしている。中国人の内10億人を超す漢人(漢民族=漢民国)を養うには、漢民国本土だけでは人口過密で生活環境や経済環境の確保は出来ず、この4自治区地域なしに国家が成立しない。4自治区地域は資源豊かな地域でもある。また、核施設軍事施設など危険や公害の発生しやすい政府施設は全てこれら地域に集中している。中国人の本心から云うと、この地震でチベット人が出来るだけ多く死亡してくれれば、この地域を漢民国化したい中国政府にとってこの上ない幸運であり、復旧活動や情報公開をしないのがベストの対策であったのだが・・・甚大自然災害で、さすがの共産中国政府も報道統制が間に合わなかった。今はチベット自治区の騒乱や北京オリンピックで、世界の注目が中国に向いており救助しない訳にもいかず、逆手をとって人権や情報公開などのパフォーマンスのチャンスとして使っている。
その一方でチベット人が多く暮らす地域は、孤立状態になったため直ぐに報道陣の入れなかったのを良い事に、人民解放軍が入る様になっても外国救助支援部隊にも立ち入らせず、後に報道統制された。その間、この地域で起こったチベット人の騒乱の押さえ込みの好機とし首謀者の隠滅を画策した。また外国に知られてはならない核施設軍事施設の秘密保持にも努めた。実にシタタカな国である。
中国政府にとってもう一つの問題は、自治区住民や農村部、貧困層が、この地震の報道を通じ国内事情を知り中国全域に社会不安が広がって全国各地で暴動を誘発することである。今回の地震は報道統制も間にあわず、4つの小星の自治区地域である四川省のチベット人をはじめ少数民族と中国人との格差、内陸部と沿岸部の格差ははなはだしく大きい事や人民解放軍と共産政府の主導権争いによる不調和な行動など「中国のひずみ」が表面化してしまう。中国としてはめずらしく、中国国内の実情が外国人報道者によって中国国内も含め世界に地域・貧困・社会インフラの格差の実態を明らかにされてしまった。中国政府は、国内治安のためにも政府が全力を上げ地震被災者救援に取り組み少数民族貧困地域の区別なく対応して、ミャンマー軍事政権と違い開かれた中国であると、国内外にアピールすることが最重要課題となった。
ともあれ、チベット人が地震で多数死亡することなど中国にとって問題でなく、漢民国人の本心を知られることと、国内他人民が中国国内の超格差に気付き暴動に発展することを恐れている。地震後1時間30分後に温家宝首相が4日後には胡錦濤国家主席が四川省に入り、主席と首相が同時に北京を離れるのはきわめて異例で、中国が国内外に抱える問題が大きい事を意味している。
反面、反日など対外的に問題意識を持たせ国民を結束させてきたが、中国政府にとっては北京オリンピックと四川大地震は国民を一丸とさせるチャンスでもある。それを見込んで地震後の中国国内報道は、報道監視で果敢な救助活動と感動画面で埋めつくされた。そのやり方は、四川大地震の少し前にサイクロンで7万人の死者・行方不明者を出したミヤンマー軍事政権と同じだ・・・日本の救助支援隊に対するおおげさな感謝の言葉も、指示によるパフォーマンスと思われる。