チェロ奏者の憂鬱。。。

チェロ弾きの安野英之です。
演奏のほかアマチュアオーケストラ指導・指揮、音楽高校の非常勤講師などしています。

4年前の3.11

2015-03-12 | オーケストラ
4年前の3月11日は確か金曜日。

天理オケでのキッズコンサートを二日後に控えた私は、ボーっとテレビを見ながら、MCの内容を考えていました。
そうすると生放送中の画面の中(東京)が急に揺れだして、数十秒後テレビの前の私(尼崎)も遅れて大きな揺れに・・・

すぐにNHKにチャンネルを変えると・・・
スゴイ揺れが東北を襲ったんだな。と、見ていると
「津波に注意を!」とアナウンサーが。

私自身あんなに大きい津波が来ることを想像もしていませんでしたので、不謹慎ですがテレビを横目に再びMCを考えようかと・・・

しばらくしてあの大津波をリアルタイムでテレビで見ることに。。。
漁港はあっという間に飲み込まれ、空港も浸水、人々が流されていくのをハイビジョンがゆえはっきりと見えてしまいました・・・

MCのことも忘れ、夜までずっとテレビの前でした。

で、ふと
「二日後の演奏会はするべきか???」
そんなことを考え始めていました。

二日後のキッズコンサートのテーマは「笑顔になれるクラシック」。
多くの方が被災されているのに不謹慎では??

などいろいろ考えながらも、翌日に練習のため天理にむかいました。
最終的に演奏会は開催することにしましたが、そのことを決定するにいったたのは20年前の阪神淡路大震災での経験でした。

当時私は大学生で、震災の何日か後に弦楽合奏で慰問演奏に行きました。

演奏するより炊き出しやがれきの撤去を手伝った方が?
なんて考えながら、寝泊りされている体育館で演奏を開始すると、みんな静かに聴いて下さいました。
涙を流しながらみなさんは聴いて下さいました。
誰も怒るどころか、すごく感謝されました。

音楽ではおなかは一杯になりませんし、がれきが撤去できるわけでないですが、とにかく感謝され、とても喜んで下さいました。

この経験があったので、最終的に二日後には演奏会を開催しました。
今でもこの判断が正しかったかはいろいろなご意見あるでしょうが、私はそういった判断をしました。

復興はまだ道半ば。
なにが出来るか?

一日も早い完全な復興を願っています。
コメント
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