Opera! Opera! Opera!

音楽知識ゼロ、しかし、メトロポリタン・オペラを心から愛する人間の、
独断と偏見によるNYオペラ感想日記。

LA DAMNATION DE FAUST (Sat Mtn, Nov 29, 2008)

2008-11-29 | メトロポリタン・オペラ
昨2007-8年シーズンの『蝶々夫人』の回に登場された隣席のワシントンDCからのご夫婦ですが、
実は今年のサブスクリプションでもお隣です。
サブスクリプション申し込みの際、前シーズンと曜日も席種も同じ場合、
だいたい前シーズンと同じ座席が割り当てられるので、
まわりの方と顔なじみになれるのもサブスクリプションの楽しいところです。
こうして二年間、お顔を合わせていると、私は決してエクスチェンジ
(他の公演にチケットを振り返ること)をしないのでサブスクリプションに組まれている公演にはすべて出動してますが、
たまにご夫婦がエクスチェンジをされたかで姿が見えなかったりすると、
あら、今日はどうされたかしら?と気になったりします。
本当は席種をアップグレードしたくて、今シーズンも希望を出してみたのですが、席の空きがなくて却下されてしまいました。
しかし、こうして周りの席の方とご縁が出来た今、
もうこのままこの座席で突っ走るのも良いかも、という気もしています。

座席に着くと、早速ご主人の方にサブスクリプション・シリーズの前回の公演だった
『ドクター・アトミック』についてどう思ったか?と質問攻めに合いました。
日本人の感想が気になられたようです。
最後に”お水をください”という日本人女性の朗読でもって幕が降りる点についてどう感じたか?と聞かれたので、
そのアイディアそのものは効果的だと思うが、、、
(あの女性の台詞の読み方がが何とも呑気で拍子抜けしました、と続けたかったのですが、
そのまま言葉を宙に浮かせておきました。)とお伝えしたところ、
ご主人もアイディアは悪くなかったと思う、という評でした。

昨夜(11/28)のトリスタンはオケがなかなか聴きごたえがあってよかったし、ルネ・パペがすごかったんですよ。”と言うと、
”君も来てたのかい?私達もいたよ!”
なんと、昨日ワシントンDCからNYに来た足で夜に『トリスタンとイゾルデ』を鑑賞し、
今日はマチネにこの『ファウストの劫罰』を、そして夜はブロードウェイで、ジョン・リスゴー、ダイアン・ウィースト、
そして、”あの”(ってどの、だ?)ケイティー・ホルムズが出演中の
アーサー・ミラーのお芝居『All My Sons』(ちなみにケイティーは新聞などでは酷評されてました。)を観るという舞台三昧。
昨日の『トリスタン』に続く鑑賞で、私のような若年者(彼らに比べれば、、)ですら、
なんだか体がまだ疲労を感じている状態で、このマチネの後はとても何かを鑑賞できる気力なんかありません。
60歳代後半~70歳代前半とは思われないお二人のバイタリティに頭が下がります。

演奏に関しては、先週のライブ・イン・HDで観た公演で、ジョルダーニが若干弱かったとはいえ、
ほとんど最高のものが出たと思うので、あれほどのものはもう今日は出ないだろう、という
覚悟はしているのですが、映画館のスクリーンでは個人的に非常に面白いと感じた演出、
これが実際の舞台でどう見えるかを確認する、という楽しい作業があります。

昨夜の『トリスタンとイゾルデ』終演からたった12時間後に始まるというハンデと、
それから、ライブ・イン・HDでいい演奏が出たための”燃え尽き症候群”か、
オケが第一部で精彩を欠いていたのは残念。
特に、これは間違いなく疲労から来ていると思うのですが、
チューバから全く音が出てこなかった個所があったり
(吹いている空気の音は聴こえるのですが、楽器から音が出ていない)、金管セクションが全体的に辛そう。
これが最後まで続くと辛いなあ、、と思っていたのですが、
スーザン・グラハムのまたしてもの熱唱がオケにまで火をつけ、
第二部については、ほとんど先週と遜色ない出来でした。



これは映画館のスクリーンで観ているときには気付かなかったのですが、
このキャスト、主役の三人のおかげでビジュアル的にすごく映えた部分もあると思います。
というのは、スクリーンで観る以上にオペラハウスの中では舞台がグランドに見えるので、
ここでちびっこい歌手がちょこまかと歌ったなら、華々しいセット(というか、
ほとんどプロジェクターを使って映写なんですが)に押しつぶされてしまいそうです。
その点、三人とも背があるし、オペラ歌手にしてはスタイルも良い方なので(特に男性二人)、
ビジュアル的にはこれ以上求めようがないと言えるでしょう。

特にレリエーのメフィストフェレスは甲虫のような衣装でも動きが綺麗で、
このプロダクションでの当役がお笑いに終わらなかったのは
彼の見た目の麗しさと端正な歌唱に負うところが非常に大きい。
メトは彼に百万回感謝する必要あり。



さて、プロダクションなんですが、私は映画館で見て素晴らしい、と感じたのですが、
オペラハウスで観て、なおその思いを強くしました。

このルパージという演出家、どのシーンも妥協がなくてすごいです。
その凝り方からは、ほとんど執念のようなものすら感じます。
その凝ったこと全てが上手くスクリーンに映りこんだわけではないので、
ライブ・イン・HDでご覧になる方にはこの全ては伝わらない可能性もあり、
実際、私もHDで観たときには見えなかったものがオペラハウス内では一杯見えました。

例えば一番最初の書斎の場面で、あえて古い映写機を使って映像を写しているような加工。
スクリーンで観るより、ずっと微妙で古色蒼然とした感覚が出ていて、
このシーンだけで、本に埋もれて生きてきたファウストの境遇がすぐに伝わってきます。
あと、これはライブ・イン・HDにも映ってはいるんですが、
スクリーンという平面ではどちらかというと少し鬱陶しい感じがしてしまうのが惜しい個所ではあるのですが、
セットの一番奥にまるでガラスにリフレクションが映っているような細かい加工もされていて、
歌手やダンサーが動くたびにまるで幻想を見ているような、”ぼやけた”輪郭を作ることに貢献しています。
これも実際にオペラハウスで観る方が、ずっとずっと成功しています。

このように彼は、オペラの筋を忠実にビジュアル化することより、
(とはいえ、もともとこの作品はそういった筋そのものの具体性が
他のメジャーなオペラ作品ほどはっきりしていない点が特徴でもあるわけですが)
その場面の”空気”のようなものをビジュアル化するのに長けたタイプの演出家と見ます。



上に上げたのはほんの一例で、この演出、大仕掛けの部分もさることながら、
この細かい部分に及んでいる手の懲りようの方に私は圧倒されました。
そして、彼を私は高く買うのは、それらの手の凝り方が決して手法のための手法になっていない点です。
よく観ると、全てのシーンで、彼がどういうことを意図してその手法をとっているのかがきちんと伝わってくる。
結果としては中にはすごく成功しているものもあれば、そこまでは成功していないものもありますが、
しかしその心意気やよし、です。



例えばオペラヘッズの間で巻き上がっている批判の一つは、”鬼火のメヌエット”で
鬼火(女性ダンサー)を相手に登場するガーゴイルのようなメフィストフェレスの手下たち。
確か、ルパージがシルク・ド・ソレイユを手がけた際のメンバーを連れてきた、というような
ことを言っていたと記憶しているのですが、体にハーネスをつけ、自由自在に壁を移動。



飛び回る姿に観客から笑いが出ていたのですが、私が感じたところでは、
それは決して失笑ではなく、どちらかというと”面白い”とか”へー”というような、
つまり、このシーンをややコメディックなシーンに転換してしまっているわけで、
これも面白い発想だと感じました。
だって、ベルリオーズの音楽も、マルグリートを表現する美しいメロディーの隙間に
ちょろりとメフィストフェレスをあらわす短い金管のモチーフを入れてみたり、なんだかお茶目です。
もちろん、メフィストフェレスはおどろおどろしい存在ではあるのですが、
そのおどろおどろしさは最後に一気に集約するのであって、
それまではコミカルさが混在しているわけですから、鬼火のシーンをコミカルにするのも全く”あり”だと思うのです。

また、シルク・ド・ソレイユでの経験が生きているのか、
空間の使い方や方向に既成概念がなく、三次元を自由に使っているのがとても新鮮でした。
(第一部最後にハーネスをつけた兵士が壁を登っていき、壁、つまり兵士の足元の
草が風でなびくところにもそれは現れています。)



またもう一つは、第二部でスーザン・グラハム歌うマルグリートが
スクリーンに大写しになる場面への批判。
これ、私はとてもいいと思いました。
これも映画館のスクリーンからちょっと感じにくい感触なんですが、
オペラハウスに映写されるスクリーンがすごく大きくて、
ほとんどグラハムの怪獣がメトに出没したようなすごいインパクトなんですが、
これが不思議と、この場面で彼女が歌うアリアの心の昂揚とシンクロしているんです。
これを、単に”スクリーンに映す”という手法ととるから批判が出るんでしょうが、
音楽に身を任せてみれば、決して誤った方向に行っているとは思いません。
この映像で、グラハムの顔が段々モーフィングして火の映像に変化していく
(これは歌われている歌詞からインスピレーションを得たものと思われます。)のも面白い。
HDの記事にも書きましたが、火、土、木、水といった自然の要素がふんだんに取り入れられているのも
このプロダクションの特徴です。
もちろん、これらのことが効果的に感じられたのは、歌が素晴らしいからであることは言うまでもありません。
スーザン・グラハムのこのマルグリートは彼女の大事な持ち役となっているはずです。
彼女の地は、HDで観た感じから判断するに、このマルグリートと全く接点がないように思える
あっけらかんとしたキャラですが、なぜだか、この役と彼女の間には、観ているほうからでも特別なコネクションを感じます。



スクリーン大写しのときの”燃える恋の思いに D'amour l'ardente flamme ”が
あまりに素晴らしくてどうしてもそっちの印象が強いですが、
”トゥーレの王の歌”もいいんです、とっても。
欲を言うなら、この曲での弱音での維持にもう一歩、蜘蛛の(←ここ肝心)糸一本でつながっているような
繊細さが出ると完璧なんですが。
しかし、情感の豊かさはもうこれ以上望めないくらいで、この役での彼女は私は大好きです。
ただ、HDの”燃える恋の思いに”で感じたような完全にオケと歌が一緒になっている感覚は
残念ながら今日の公演からは感じられず、あれは本当に珠玉の体験だったのだ、と実感。
いやー、私はあれにやられて先週映画館で涙目になってましたから。



主役陣について最後になってしまいましたが、ジョルダーニは、平均でよく持ちこたえていたと思います。
ただ、この役はかなり声楽的に大変で、難所がそこここにあるのですが、
それを全部常にクリアする完璧さはなく、あの公演では富士山は制したがキリマンジャロは駄目だった、
この公演ではキリマンジャロは制したがエベレストは駄目だった、というような感じで、
日により成功する個所と危なっかしいところが混在していて、平均すると常に7~8割の成功率、
今日もその例にもれず、特によくもなく、悪くもなく、といった感じでした。
それらの難所以外は、声と役の雰囲気も割とマッチしていて悪くはないんですが、、。



最後の地獄落ちの場面も面白い演出です。
影絵をつかった騎行の表現、ファウストが地獄に落ちる瞬間の表現、
いずれも創意工夫に溢れています。
(騎行の場面については、HDの記事を参照ください。)
特にインパクトがあるのは、ファウストが地獄に落ちた後に登場する合唱。
男性の合唱メンバーが全員上半身素っ裸にされてます。
ああ、こんなことなら、もっと体を引き締めておけばよかった、、と後悔したメンバーも多いはず。
でも、引き締まってないところが逆にリアルで素敵。
ここで、第一部で登場する十字架に磔にされたキリスト像役で登場する人たちや
メフィストフェレスの部下を演じたシルク・ド・ソレイユのメンバーのように
アスレティックでナイス・バディな男性を混在させず、たぷたぷのお腹の男性で固めたところに、
ルパージのセンスを感じ、思わずにやっとさせられます。

舞台の組み方も非常に巧みで、主にキャストが現れるところは舞台の割と高い部分で、
公演のほとんどの間、あえて半地下のようになった舞台の下部は空白にし、使用していないのですが、
この地獄落ちの場面でここに半裸の合唱(女性はその後に続く天国のシーンを演じるため、
白い衣装を身に着けています。)を並べるのです。
なんでもないようですが、ここに合唱をおいてくれるおかげで、声がよく通るうえ、オケの音と良くブレンドするので、
この場面でオケと負けない存在感を出さなければならない合唱の使命をよく助けています。
このように音楽の効果もよく考えて演出を組んでいるところが、これまたルパージの巧みな手腕です。



男性の合唱は本当に昨シーズンあたりからよくなりました。
というか、声そのものが滅茶苦茶若返った感じがします。
(メンバーが変わっているのかもしれませんが、よくわかりません。)
その彼らの実力の向上ぶりが思う存分楽しめる演目でした。
それに引き換え、女声合唱は、、、もうちょっと頑張りましょうね。

とにかく、名演出の名演奏の、そして何よりも音楽として名作。
こういう作品こそ、毎年帰ってきてほしいのです。


Marcello Giordani (Faust)
Susan Graham (Marguerite)
John Relyea (Mephistopheles)
Patrick Carfizzi (Brander)
Conductor: James Levine
Production: Robert Lepage
Associate Director: Neilson Vignola
Set Design: Carl Fillion
Costume Design: Karin Erskine
Lighting Design: Sonoyo Nishikawa
Interactive Video Design: Holger Foerterer
Image Design: Boris Firquet
Choreography: Johanne Madore, Alain Gauthier
Grand Tier Odd Odd
ON

*** ベルリオーズ ファウストの劫罰 Berlioz La Damnation de Faust ***

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33 コメント

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私も録音しました! (娑羅)
2008-11-30 15:41:00
日本時間では深夜2時半からの放送でしたが、無事録音出来ていたようです♪

早く聴きたいけど、まずはドクター・アトミックのレポをあげなくては~。
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さらにHDをお楽しみに!! (Madokakip)
2008-12-01 06:15:34
 娑羅さん、

前日のトリスタンからの疲れもあってか、
(金曜のトリスタン、土曜のこの劫罰のマチネと、夜のスペードと、
多くのオケのメンバーが2公演、なかには3公演とも演奏している人もいて、
本当に気の毒になります。)
今日の劫罰では、第一部で、少し金管の失奏が目立ちましたが、
第二部の、グラハムが出演してあたりから、一気に地力が出たと思います。

演奏全体としては、ライブ・イン・HDの日の方が出来がいいので、
録音されたものを聴かれた後も、どうぞ、HDを楽しみにしていてくださいね!!
このHDの日の公演は誰をもがっかりさせない出来だと自信をもってお勧めします!!
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連日の観劇 (チャッピー)
2008-12-05 20:26:09
NY以外に居住地があると、どうしても短期間に連日の観劇になりますよね。私は今回オペラ4本とブロードウェイ「ヤング・フランケンシュタイン」を見たのですが、NYを離れた途端疲れが出ました。
GWは7日滞在で6本オペラ。しかもうち4本はワーグナー。観劇と買物以外は一切やめて部屋で寝てようかな。ただ、宿泊予定のYMCAはベッドが小さいのと若い元気な客が館内に多くて少し五月蝿い為、部屋でくつろぐのには不向きだ。館内にジム、プールやサウナがあって、宿泊者は使用できるようなので、毎日ジム通いしようかしらん。

ワシントン・オペラも結構良いですよね。ボルティモアにも近いなあ。お隣の夫婦「ノルマ」やフレミングの「ルクレチア・ボルジア」は見たかな?
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ところで (チャッピー)
2008-12-05 23:35:24
メフィストの衣装、ゴキブリみたいに見えるのは私だけ?
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同じく。 (娑羅)
2008-12-06 00:27:52
☆チャッピーさん

ゴキブリみたいに見えますよね!?
でも、ロイヤル・オペラの「リゴレット」の衣装のほうが、ゴキブリそのものの黒光りだから、これは赤い小さいゴキブリ?
でも、レリエーはでっかいんだった・・・。
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負けずのハードスケジュール/ざりがに (Madokakip)
2008-12-06 14:35:39
 チャッピーさん、

チャッピーさんも強行軍だったですよね、今回。
そして、GWは来てますねー。リング+二本、体力勝負ですね。
ジム通い、、、私なら運動しすぎて心地よい睡魔が、、ってなことになりそうです  

この不況のなか、ブロードウェイでまたまた、
今わかっているだけでも、一月までに8本の閉演が決まり、
その中にヤング・フランケンシュタインの名前もありました。
ヘアスプレイなんかも終わってしまうみたいです。

お隣のご夫婦、確か、『ノルマ』はご覧になったようなことをおっしゃっていたと思いますが、
『ルクレチア・ボルジア』はなぜか話題の公演なのに、
全然会話に出てこないな、、と思っていたので、
次回お会いしたときに聞いてみますね。

 チャッピーさん & 娑羅さん、

ゴキブリ、、。
レリエーの気品を持ってしても、、泣けてきました。
ライブ・イン・HDでよーく見ると、
多分レザーで出来ているのか、この衣装がかなりまだ固そうで、
何かの甲羅を思わせます。
私は色とあの頭から出ている触角みたいなものもあって、
ざりがにみたい、、とも思いました。
(あの触覚が、ファウストが契約書にサインするときのペンにもなるのです!!!!
触覚がペン!!!きゃーーーーーっ!!!)
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Unknown (チャッピー)
2008-12-06 20:31:30
17年も前の話だけど、7日でブロードウェイ・ミュージカル9本見たことがあります。その時は全く疲れは感じなかったのが、今度のGWの強行軍の遠因でもあります。が、確実に歳はとってるし、ワーグナーだし。不安だ。

NYにマッサージ屋さんはありますか?レゲインみたいな強壮ドリンク売ってますか?

ま、滞在中は気分が高揚してるから大丈夫だと思うけど、問題は帰国した後だな。

「ヤング・フランケンシュタイン」、批評は良くなかったみたいですね。でも、カーテンコールでは観客の三分の二はスタンディング・オベーションしてました。皆さん、本当に芸達者で閉演は残念です。
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マッサーとドリンクで! (Madokakip)
2008-12-07 14:14:36
 チャッピーさん、

大丈夫です!
日本の商品を扱っているスーパーで強壮ドリンクは買えますし、
いいマッサージのお店もご紹介しますね。

そうですね。こうしてブロードウェイなんかでも、
プロダクションがクローズされると、
どんなに才能ある人でも、どんどんあぶれてきてしまうと思いますね。
なんだかせつないです。
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不景気 (チャッピー)
2008-12-07 20:04:13
>どんなに才能ある人でも、どんどんあぶれてきてしまうと思いますね。
ブロードウェイだけでなく、クラシック界にも不景気の影響が出てきてますよね。
金融危機以来、来日公演のキャンセルが相次いでいるし、メトも演目によっては「二枚目のチケット半額セール」やってるし。
来期が心配だなあ。
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叩き売り (Madokakip)
2008-12-08 10:00:14
 チャッピーさん、

NYも、ドルが安くなって特にヨーロッパからの旅行者が増えたときには、
普通の通りはもちろん、セントラル・パークのようなところにまで
人が溢れかえっていて、歩くのが大変なくらいで、
その旅行者の方が落としていってくださるお金がNYの、今まで以上に大切な収入源になっていました。
ところが、この不況が全世界に及んでしまった今、
旅行者自体が少なくなって来ており、この先一体どうなってしまうんでしょう?です。

二枚目チケット半額セール、、、
早くにチケットを押さえ、フルの額面を支払った人間にとってはなんとも複雑な気分ですが、
需要と供給の原則に基づけば、自然なことなんでしょう。

この半額セールといい、ラッシュ・チケット(月~木の平土間席を20ドルで販売するシステム)といい、
それを提供してくださっているパトロンの方の心意気は素晴らしいと思うのですが、
では一体どれくらいの率でこれが先に真のオペラファンとなる層を開拓しているのか、
段々と懐疑的になっている私です。
もともとはオペラの良さを知ってもらって、将来、チケットを買ってくれる層を作る、というのが目的の一つだったと思うのですが、
結局ラッシュに参加できるのは、日中に何時間も並ぶことのできる限られた人たちだけですし、
$20なら見ても、正規のチケットなら、買えるお金があっても買う気はない、という人も結構いるような気がして、
これなら、ラッシュを抽選制か何かにして、
日中仕事や学校のある人にも参加してもらう方がフェアで、
先につながる見込みもあるんじゃないか?という気がします。
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