Opera! Opera! Opera!

音楽知識ゼロ、しかし、メトロポリタン・オペラを心から愛する人間の、
独断と偏見によるNYオペラ感想日記。

OPENING NIGHT GALA 前編 (Mon, Sep 22, 2008)

2008-09-22 | メトロポリタン・オペラ
Metropolitan Opera Opening Night Gala

今年はシーズン・オフの合間合間に色々なメトがらみのニュースに事欠かず、
かつ、いろいろなイベント(映画のプレビューレクイエムの演奏 など)があったので、
例年の”いよいよ始まるわあ。”という感じとは少し違って、なだれこむような勢いで
オープニング・ガラの日がやってきましたが、やっぱりこの日はオペラヘッドにとって、
格別に嬉しいものです。

今年のオープニング・ナイトはルネ・フレミングのファッション・ショーもかねるらしい、
と耳にした日から、ならば私もそのスピリットにあやかって!と、
真剣に、”オープニング・ナイトに着る服探し”が始まりました。
過去のオープニング・ナイトにおいては、会社から直行するはめに陥り、
ほとんど普段と変わらないような格好でオペラハウスに駆け込んだこともありますが、
そんなことだけは絶対に今年は避けたい。
なので、今日は何ヶ月も前に申請して自宅勤務の日にしてもらいました。
私の上司や同僚は、私のオペラ狂いに信じられないくらい理解があり、
彼らなしには今のような調子でオペラに通うことも、このブログを書くこともままならないと思う。
本当に感謝してます。

さて、私の家の近所にかなり強烈な個性のゲイのおじさんが経営している
ユーズドのお洋服のお店があるのですが、これが、ユーズドといって、あなどってはならない!
スタイリストやモデルの御用達と思われ、新品同様の商品やら(往々にしてタグがついたまま)
とんでもない美しい商品が時に現れるので、全く気がぬけないのです。

たまたま私がオープニング・ナイト用の服を探し始めたころ、
なんとも繊細な生地の、素敵なデザインのドレスが店内にあらわれたので、”これは、、?”と尋ねると、
お店のお姉さんが、”これは実はシャロン・ストーンがゴールデン・グローブ用に
作らせたドレスらしいんだけど、今年結局欠席することになって、それでうちに来たのよ。”
気軽なお姉さんの人柄に便乗して、ゲイのおじさんがむこうからじっと
”買わないんなら着ないでよね。”という視線をなげかけてくるのも完全シカト状態で、
無理矢理試着させてもらったのだが、やっぱり着ると欲しくなる!!
それにしても、なんて手の込んだ生地!
しかも、裾がいわゆるトレインと言って、長く引き摺るような裾になっており、
これなら、ルネ・フレミングも尻尾を巻いて逃げていくだろう、というようなセレブ系ドレス。

おいくらですか?と尋ねて、私の銀行口座の残高との比較がはじまったとき、
突然、オープニング・ナイト当日の行動シュミレーションが私の頭の中で始まってしまった。
うちは、エレベーターすらない、ウォークアップのビルである。
しかも、NYのストリート(東西に走る通り)の大部分が一方通行になっているのだが、
私の家の前の通りはメトとは逆方向なので、いつもはほんの10歩ほど歩いて、
アベニュー(南北に走る通り)の角でキャブを拾うことにしている。
この長い裾をもって、階段を歩いて降り、さらにはアベニューまで歩いている自分の姿を思い浮かべると、
なんだかがっくり来てしまった。
”やっぱりちょっと考えます”と言ってドレスをお返しすると、
お姉さんは気さくに”OK! また気が変わったら来てね!”と言ってくれたが、
ゲイのおじさんの、”だから着ないでって言ったじゃないの!”という視線が背中に痛い。

結局、こちらでいう”ガウン”(フォーマルなロングドレス)は我が家に全く不釣合いである、
という結論に達し、もう少しトーン・ダウンした、シンプルなワンピース型のドレスに落ち着き、
かわりに髪をプロにお任せすることにした。

NYは日本以上に美容院の質がピンきりなので、要注意である。
私は一度、安かろう、悪かろうの匂いがぷんぷんしている美容院でパーマを任せるという
人生最大の過ちを犯し、その変な髪形が自分の頭にのっているという屈辱感のために、
その後半年間外出するのも億劫になってしまったことがあるくらいなのだ。

なので、慎重に、アッパーイーストのマダム達も顧客にいそうなサロンを選択。
up-do(髪をアップにすること)を出来るスタイリストの人を割り当ててくださった。
このスタイリストのお兄さんが、滅茶苦茶腕がよくて、
”今日は、オペラに行くっていうお客さん、すでにあなたで三人目よ。”
(ちなみに、まだ開店してからまだほとんど時間がたっていない。)
といいながら、ものすごい勢いで、髪を形作っていく。

す、すごい!
ここから6時間、どうやってこの頭をキープしようか、と思っている私なのに、
さらに早く来て髪をセットしていった方がいるとは、、。
うーむ、オープニング・ナイト、盛り上がってます!
仕上がりに大満足し、お兄さんには来年もよろしくお願いします、とお伝えして、
自宅に帰ってきたら、突然眠気が襲ってきた。
しかし、この頭ではうかうか横にもなれないのだ。
おしゃれをするのは大変である。

首尾よくキャブをつかまえ、オペラハウスに向かうと、
あと2ブロックほどでリンカーン・センター!というところで、
ふと窓の外を見ると、今日のガラで『マノン』の第三幕を指揮する予定のマルコ・アルミリアートが、
蝶ネクタイなしのタキシード姿で楽譜を抱え、あわただしく路上を”徒歩通勤”する姿が見えた。
ガラの華やかな雰囲気とはあまりに対照的な、その姿に目頭が熱くなりました。

今年は比較的開演間際に到着したので、
オペラハウス入りするお客さんウォッチングを出来なかったのが残念ですが、
座席がサイドボックスだったので、パルテールと平土間に座っているお客さんがよく見えました。

パルテールにはブルームバーグ現NY市長や、
まもなくメトでルチアを歌う予定のダムローの姿が見られました。
余談ですが、そのダムロー、ルチアのオケとのリハーサルで
ホームラン級の歌唱を聞かせてその場にいた人たちを驚かせた、という話が伝わっているので、
公演が本当に楽しみです。
そして、もちろん正面のボックスにいるのは、メトでお馴染みの大パトロンたち。
平土間にはマーサ・スチュワート、ジョン・リスゴーをはじめとする著名人や俳優の姿が見られました。

ゲルプ現支配人の考えでは、オープニング・ナイトというものは、
そのオペラハウスの”自分たちはこういう演目を、こういうスタイルでやっていくんだ!”というような、
強いメッセージ性のある公演であるべきで、
その考えに基づいて行われたのが一昨年の『蝶々夫人』であり、昨年の『ルチア』であったわけですが、
今日のこのルネ・フレミングを中心に据えたガラ、というのは、彼の就任前(つまりヴォルピ前支配人時代)に
すでに、メトが彼女に約束していたものらしく、ゲルプ氏はその約束を尊重した、ということのようです。
ゲルプ氏は、今年のこの一人の歌手に頼るガラというのは、”レトロである”とまで言い放っており、
あまり本意ではないことを匂わせています。

かくいう私も実は、オープニング・ナイトはおおいに全幕もの推進派で、
ガラは、大勢の歌手によっていろいろなアリアが歌われる類ならまだしも、
一人もしくは二人の歌手が、幕単位の抜粋をつぎはぎで歌う、というまさに今日の形式は、
個人的にはあまり好きでないパターンです。
というのも、”いいところどり”という言葉がありますが、幕ごとのガラというのは、下手をすると、
演目によっては、とっちらかった印象になったり、また歌手の歌がまずかった場合、
アリア単位なら我慢もできる長さですが、幕単位になると、かなり苦痛になりえ、
また歌が良かったとしても、全幕に比べると物語として食い足りない、、と、
”悪いところどり”に終わってしまうことがままあるからです。

各幕で、違ったファッション・デザイナーにルネ・フレミングの衣装のデザインを担当させたり、
この次期に合わせて彼女の香水が発売されたり、という話題づくりも、
そのレトロさや食いたりない感じを補うための苦肉の策だったのかもしれません。

例年通り、メト・オケの伴奏つき、観客全員起立してのアメリカ国歌の斉唱があり、
いよいよ、『椿姫』の第二幕でオープニング・ナイトがスタートです。

第一場のパリに程近い田舎(といってもあくまでおしゃれな田舎であることがポイント)
にあるヴィオレッタとアルフレードが住む屋敷のシーン。

この『椿姫』でルネ・フレミングの衣装を担当したのはラクロワですが、
なんだか、このドレス、デザインは悪くないと思うのですが、
まるでゼッフィレッリがデザインしたセットの大道具の一つであるソファのカバーの余った生地で
作ったのかと思うくらい、部屋のソファと色が似通っているのです。
ラクロワだけではなく、次の『マノン』のラガーフェルドにもいえることですが、
少しセットの全体の基調となっている色彩に、衣装の色が似通いすぎているのが私にはやや残念でした。
もうちょっと冒険してもよかったのにな。
ソファの近くに寄って歌ったりすると、まるでジャングルの中の迷彩服のように、
ソファと一体化してしまうルネ・フレミングなのでした。



ルネ・フレミングのヴィオレッタについては、過去にめった斬りにしてしまったレポがありますが、
今日の歌を聴いても基本的な感想は変わりません。
また、それは純粋に歌だけの問題ではなくて(歌もおおいに問題ではあるのですが)
本来は演技力のある彼女が、なぜだか、このヴィオレッタについては何かを掴み損ねている気がしてなりません。
いや、掴みたくても、今の彼女では掴めない、と言った方が適当か?

アルフレードとは対照的に大人で世慣れしているヴィオレッタは
人前では絶対にみっともない形で感情を爆発させることがないし、
(彼女が本当に自分の気持ちを激しく吐露するのは、一人でいるときと、
アルフレードに対して”私を愛してね”という場面くらいしかないと思う。)
特にこのジェルモン父と話すシーンは、
父に”一時的”にではなく、”永遠に”息子と別れてください、と言われ、
つい、そんなこと、絶対にできません!と言う場面以外は、
アルフレードをあきらめなければならないと最初から予感しつつ、
父の言葉に観念していく、という、きわめて抑制の効いた歌の中に、
どのように彼女の辛い本心を滲ませるか、というところがポイントであると思うのだけど、
このフレミングのヴィオレッタは、いかにも最初から気が強いし、
ジェルモン父に喧嘩腰なのが私には全く違和感がありました。
で、ここで歌に話は戻ってしまうのですが、この”抑制の効いた歌”を歌うためには、
やはり、一般的にこの役に必要とされるといわベル・カント的なテクニックが不可欠なのだと思います。
今の彼女のヴィオレッタの歌唱の問題点は、このベル・カント的テクニック不足を補うために、
ドラマティックな歌唱を代わりにすえて、それに合わせて役作りを行っている点にあるのでは、と思います。
もしも、彼女にテクニックがあったなら、もっと違った役作りをするのではないかな、
という感が拭えませんでした。

ただ、付け加えておくと、こういう理由により、いわゆるオーソドックスな、
ベル・カント的アプローチのヴィオレッタが好きな向きには彼女の歌はかなり厳しいものがありますが、
逆に、そんなことはどうでもよい、ドラマティックで結構!というお客さんには、
悪い出来ではなかったと思います。
今日のガラの中では、この『椿姫』が最も声も良く出ており、高音も確かでした。

ルネ・フレミングよりも個人的に罰したいのはトーマス・ハンプソン。
この人はいつから、こんなに俺様、ハンプソン様風の歌しか歌えなくなってしまったのでしょうか?
それとも、最初から?
また刺され覚悟で言うと、どんなに声がよくて、歌唱力があったとしても、
こんな歌を歌うようになっては、オペラ歌手もおしまいだと思います。
今日の彼の歌のどこからも、ジェルモン父のキャラクターの微塵も感じられなかった。
そこにいたのは、ジェルモン父のパートを歌っている”ハンプソン様”だけ。
”ガラなんだし、そこまでやかましいことを言わなくっても、、”?
いやいや、幕物のガラで、ほんの少しでも良いところがあるとすれば、
それは短い時間だけでも、そのオペラのエッセンスに、そのオペラの登場人物の心のひだに
触れられる、というところにあるのに、それが全く感じられないのだから、最悪です。

ラモン・ヴァルガスはいつもどおり、安定した歌唱で実に丁寧に歌っているのだけど、
彼にはもう少し華が欲しいかな、、。
通常の公演ではそこまで感じないのだけど、
こういうガラの場では少しその地味さが目立つかもしれません。
俺様ハンプソン様よりは、華がなくても真摯な彼の歌の方が私にとっては
数千倍好ましいのには間違いありませんが。
このアルフレードはカウフマンがメトで何度も歌っている役だし、
彼は『マノン』のデ・グリューも持ち役にしているはずだから、
ヴァルガスではなくって、カウフマンという手もあったのではないか?と考えたのは私だけでしょうか?

二場の夜会のシーン。
ここでルネ・フレミングが衣替え。というわけで、唯一三人のデザイナーのうち、
ラクロワだけが二点衣装をデザインしたことになります。
この写真ではドレスの全体が見えないのが残念ですが、後ろから裾のラインが
非常にゴージャスで、大変美しいドレスでした。
また、こうやって写真で近くで見ると少し胸元のデザインがやり過ぎな風にも見えますが、
舞台で見ている限りは、この赤の部分が、何となく、椿をイメージさせていて、
なかなか効果的だと思いました。
(『椿姫』は適当につけられた邦題ではなく、
デュマ・フィスの原作 La dame aux Camelias から来ています。)

また、ドレスの本来の生地の色は赤っぽい色なのですが、
アルフレードになじられた後に、床に打ち伏せるシーンでは、
ライティングの色に反応して、写真にあるような深い紫色になるのも美しかったです。




一場よりはこの二場の方がフレミングの役へのアプローチに破綻が少なく、
場全体としては一場より見ごたえがありました。

レヴァインの指揮については、一場が少しゆっくりに過ぎ、
逆にこの二場の、特に、アルフレードが博打を打って勝ち続ける部分など、
ややテンポが早すぎるような気もしましたが、
もちろんこれは私の好みの問題が大きいのは言うまでもありません。

オケは『レクイエム』に続いて、非常にクリスプで締まった音で好感を持ちました。
このテンポの問題を抜きにすれば、最もオケのまとまりが良く、出来が良かったのは
この『椿姫』だったように思いますが、それは『マノン』や『カプリッチョ』に比べると、
作品そのものが、それこそ毎年のように演奏されるメトの(もちろん世界でも)定番中の定番で、
オケが作品慣れしているということも無視できないと思います。

しかし、この二場の合唱シーンは何度聴いても泣ける。
泣けて、だけど、ガラにふさわしい華やかなシーンもあって、、なんて懐深い。
やはり『椿姫』は名作なのだ、と思い知らされるのでした。

後編に続く>

Giuseppe Verdi LA TRAVIATA Act II
Renee Fleming (Violetta)
Ramon Vargas (Alfredo)
Thomas Hampson (Germont)
Theodore Hanslowe (Flora Bervoix)
Louis Otey (The Marquis d'Obigny)
Paul Plishka (Doctor Grenvil)
Kathryn Day (Annina)
Juhwan Lee (Giuseppe)
John Shelhart (A Messenger)
Conductor: James Levine
Production: Franco Zeffirelli
Costume Design for Renee Fleming: Christian Lacroix

Jules Massenet MANON Act III
Renee Fleming (Manon Lescaut)
Ramon Vargas (The Chevalier des Grieux)
Dwayne Croft (Lescaut)
Robert Lloyd (Count des Grieux)
Monica Yunus (Poussette)
Reveka Evangelia Mavrovitis (Javotte)
Ginger Costa-Jackson (Rosette)
Bernard Fitch (Guillot de Morfontaine)
John Hancock (De Bretigny)
Jason Hendrix (The Porter of the Seminary)
Conductor: Marco Armiliato
Production: Jean-Pierre Ponnelle
Costume for Renee Fleming: Karl Lagerfeld for Chanel

Richard Strauss CAPRICCIO Final Scene
Renee Fleming (The Countess)
Michael Devlin (Major-Domo)
Conductor: Patrick Summers
Production: John Cox
Costume for Renee Fleming: John Galliano

Grand Tier Box Odd/Front
ON

*** オープニング・ナイト・ガラ Opening Night Gala ***

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13 コメント

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待ちに待った、、、、。 (yol)
2008-09-23 21:57:08
うわぁ、とうとう待ちに待ったシーズン開幕ね!
感想とても楽しみにしています。

私たちに不人気なフレミングのトラヴィアータ、オープニングはどうだったのかとても気になります。そしてヴァルガスはきっとまた一途に歌ってくださったのかしら?指揮は大好きなピノキオことアルミリアート。

目新しくはないけれど手堅くきたといったところかしら?アメリカ人、フレミングのこと愛してるもんねー。
返信する
とりあえず前編 (Madokakip)
2008-09-25 13:53:45
 yol嬢、


始まったわよー、いよいよ!!

やはり、こういう幕ガラは難しいなあ、、と思いました。
それなりにお祭り的な雰囲気もあったし、楽しかったけれど、
オペラはドラマである!という考えの私には、
やっぱり全幕が一番。
でもゲルプ氏の口ぶりから言って、もうこの手の幕ガラはオープニング・ナイトには持ってこなさそうだから、一安心だわね。

意外と一番良かったのは『カプリッチオ』だったの。
後半に詳しく書くわね。
返信する
毎回楽しみにしています。 (ゆみゆみ)
2008-09-25 22:11:06
お世話になっています。
オープニングというのは、そんなに華やかなのですか?髪まで朝からセットするのですか。
ここからはただオペラ街道を驀進されるのですね?
オープニングに、少しお洒落なだけの普通の服(早く言えば私が着れる類の)を着てくる人はいませんか?
それでも可能なら、1回だけ行ってみたいですね。
(全く懲りない人ですが)
オペラシーズンの終了まで、どの位の数をご覧になるのでしょうか?レポ下さるのを楽しみに拝見させていただきます。(NYにいる気分で)
返信する
緊張! (娑羅)
2008-09-26 02:36:01
オープニング・ガラは特別華やかといいますけど、Madokakipさんの気合いの入り方、そして各方面で見たセレブ客の写真を見て、来年の125周年記念ガラが、ますます場違いに思えてきました....。
演奏会用のドレスは何着かありますが、あんなもの着たら、トイレにも行けない。(まず、それか!?)
着慣れないものを着たら、必ず何かしでかしそうだし、これは黒のワンピか!と思っているところです。
なんか緊張してきました....。
返信する
一回だけですまないのです!/トイレ (Madokakip)
2008-09-26 14:52:31
 ゆみゆみさん、

こんにちは!
メトは実は通常公演においては、服装は比較的カジュアルで、
気兼ねせず行けるオペラハウスの一つだと個人的には思っているのですが、
オープニング・ナイトだけは別ですね。
年間で、一度だけおしゃれしてオペラに出かけるなら、
この日です。

>少しお洒落なだけの普通の服

日本人の方のおっしゃる”少しおしゃれなだけ”は、
十分フォーマルであるケースが多いので、
全然大丈夫だと思います。

ただ、座席との関係もありますね。
やはり、平土間、そして、パーテール、
この二つは、オープニング・ナイトの日は盛装されている方がほとんどです。
(そして、この盛装、というのは、本当に”盛装”です。)
グランド・ティアーあたりからは、段々、”やや盛装”とのミックスになっていきますが、
それでも、完全なカジュアルな服装の方というのは、
あまりお見かけしません。

ぜひ、オープニング、いらしてください。
やはり独特の雰囲気があって、これはこれで楽しいです。
多分、一回で済まず、来年も!ということになる可能性が高いです(笑)。

今年は今鑑賞が確定しているメトの公演で45本ほどでしょうか、、。
しかし、これ以外にもカーネギー・ホールの公演など、
メト以外のものもあるので、他に観に行きたい公演日もあるのですが、都合がつくかどうか、、。
レポはもれなくあげていくつもりですので、
読んでいただけるとうれしいです。

 娑羅さん、

もう気合だけ空回りしましたよ、今年は。
いろいろ計画だけはしたんですが、やはり、
自分の生活レベルにあった服装というものがありますものね。
この私にガウンは100万年早いです。
むしろ、日本から旅行でいらっしゃる方の方が、
ホテルで着替えて出れるうえ、ホテルの前から車に乗れるので、私のようにアパートの階段を
歩きながら降りて、、という情けない格好とは無縁だし、
トライしやすいかもしれませんね。

オープニング・ガラは本当に唯一特別で、他の日はガラといえども、
それほど神経質になる必要はないように思います。
(もちろんおしゃれをして悪いことは何もないのですが。)
なので、リラックスして125周年ガラ、いらっしゃってください。
黒のワンピはやはり外しが少なく、対応できる場の幅が広いので、貴重ですよね。
あと、お着物の着付けがご自分で出来る方なら、
着物もとっても素敵です。

トイレといえば、ガウンを着た女性たちが、
思い切り裾を引き摺ってトイレの個室に入っていくんですよね。
あれにはげんなりします。
あんな素敵なドレスで床掃除するなんて、、と。
返信する
キャー!! (ゆみゆみ)
2008-09-27 22:09:56
45本もオペラをご覧になる。
コメント楽しみにしています。
羨ましいですね。ポッケにこっそり忍び込もうかしら。
1ヶ月に2度もNYへ行き来する私の苦労をお察しくださいませ。更にそれを2年も続けるこの愛の深さ
そのかわり、NYでは、朝のリハーサルにカーネギーにメトにと走り回るため、観光をしたことはありませんが
返信する
わかります~ (Madokakip)
2008-09-27 23:58:43
 ゆみゆみさん、

わかりますよー、その愛!
私もこちらに住み始める前は、まとまった休暇がとれそうになったら、
すぐにどこのオペラハウスで好きな歌手が登場しているか、チェックし、
オペラ中心の旅程を組んで、NY(が一番多かったですね)やヨーロッパに行ったものです。

こうしてたくさんの公演を観に行ける境遇は、本当にありがたいことだと思いますが、
また一方で、数をこなすことだけが目的にならないようにしたいな、と自分を戒めています。
いくつ公演を観たか、ということよりも、
やはり大事なのは公演から何を感じたか、ですよね。
そういう意味では、期待と興奮を胸にかかえてメトに来ていた
遠距離恋愛時代の気持ちを決して忘れることのないようにしたいな、と思っています。
返信する
おおみそか (今泉澄)
2008-10-18 12:16:49
ぬぁんと!!
毎年恒例、大晦日の歌舞伎座でのMETのライブビューイング
ことしの出し物(?)は、このオープニング・ガラだそうです。
(情報源:音楽の友)
大晦日らしい?、ゴージャスなプログラム。
よぉし行くぞぉ~~
今年は、500円のワインも飲んで、ちょっぴりハイな気分で
ゆっくり見ようかしらん。

返信する
改善の兆しあり! (Madokakip)
2008-10-19 09:52:22
 今泉澄 さん、

なるほど、あのオープニング・ナイトのイベント性を
大晦日というイベント性と重ねあわせるとは、工夫しましたね、松竹!

何も考えず、11月29日(なんの根拠もない数字です)みたいな
普通の日に上映するのでは、と思っていましたが、
過去シーズン(特に一昨年)でのやる気のなさに比べると、
かなり上映の仕方などに改善の後が見られるのは嬉しい限りです。

特に今年のオープニング・ナイトは、
全幕上演をした過去二年に比べ、ガラということで、
こちらでも、上演の内容と少なくとも同程度に、
いや、むしろそれ以上に雰囲気を楽しむ要素が大きかったので、
ぜひワインとお食事で気分を盛り上げ、
歌舞伎座での大晦日をエンジョイしてらっしゃってください!
返信する
見て来ました。 (ゆみゆみ)
2008-12-31 22:09:40
歌舞伎座です。前日までの大音量に比べて、比較的聞きやすいボリューム。2階席でしたのでメトで見ている錯覚に陥ることもありました。
「椿姫」日本に来た時のフレミングと異なり、声が良く出て、伸びていました。言葉が前へ飛び、籠った感じが無く上手かったです。日本では声がこもっていたので「マノン」の高音が出るの?と大変心配でしたが、これを聞いて楽しみになりました。始めのドレスですが「このまま舞踏会へ突入?」というくらいお洒落で(行く前に春の私の衣装を探していたため)とても田舎に籠っているとは思えません。舞踏会の衣装は本当に素敵。登場した時にチラッとはおっていた、ショールの長くて大きいのなど、直ぐに取っちゃうのもったいないと思わず叫びました。そして最後は、今日本で流行っている光沢のある紫のような素敵な色に。アレ貸し出して欲しいな私に・・。
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