Opera! Opera! Opera!

音楽知識ゼロ、しかし、メトロポリタン・オペラを心から愛する人間の、
独断と偏見によるNYオペラ感想日記。

オープニング・ガラ、フレミングをモデルに3デザイナー対決!

2008-07-15 | お知らせ・その他
NYサン紙の7/11の記事によると、メトの2008-2009年シーズンのスタートを飾る、
9/22のオープニング・ナイト・ガラで、3人の大御所ファッション・デザイナーが、
一人ずつ各幕の衣装デザインを担当することになりました。

もはや、ルネ・フレミング・ファッション・ショーの様相を呈しつつあるこのオープニング・ガラ、
『椿姫』第二幕をクリスチャン・ラクロワが、
『マノン』第三幕をカール・ラガーフェルドが、
そして、『カプリッチョ』の最終場面を、ジョン・ガリアーノが担当することになっているそうです。
いやいや、これはファッショニスタには見逃せないなかなか豪華な顔ぶれです。

さて、ファッション・ショーを見ていて、”???”という珍奇なデザインに何がいいのかわからん、、
と頭をお抱えの男性(女性も?)諸氏も多いと思われますが、
あれはあくまでファッション・コンセプトを表現するためのもので、
あんなものを街で着て歩いている人がいないのも道理。

一方で、同じデザイナーが、アカデミー賞授賞式やらに出席する有名人のために、
きわめて美しいドレスを作ったりしているのはご承知の通りです。

そこで、このメトのオープニング・ナイトを飾る3人のデザイナーたちの、
”???”なデザインと、最近のレッド・カーペット・イベントで評判の良かったドレスをご紹介。
これで、ファッションはちょっとよくわからない、、という男性も、
オープニング・ナイト当日のルネ・フレミングのドレス・デザインの予想をするもよし、
詳しくなったついでにこれらのデザイナーのお洋服を奥様や恋人にプレゼントして差し上げるもよし!
もちろん、私へのプレゼントも大歓迎。

では、行きます!

『椿姫』を担当するクリスチャン・ラクロワはフランス人。
エルメスなどで修行を積み、独立。
私の勝手な思い込みでは、彼のデザインは明るくて、ややクレージーという印象があったのですが、
(↓ そのラインは最近でも健在らしい、、。)



しかし、2007年のアカデミー賞で、女優のヘレン・ミレンが来たドレスが大好評。
大人の女性によく似合うこんなシックなデザインもできる人でした。



3人のなかでは、デザインがオペラ的世界から最も通い人のように個人的には感じるので、
そのあたり、どう切り抜けてくるのか、大変楽しみ。
『椿姫』ですから、みんなの期待は大きいですよ!ラクロワ氏、がんばってください。

そして、『マノン』担当のカール・ラガーフェルドはドイツ生まれ。
一時は恰幅のある体型だったのに、数年前に何をどうしてそうなったのか、超スリムに。
まるで、どこぞの女性オペラ歌手のよう、、。
自ブランドに加え、シャネルのデザインも手がける超大御所です。
スカラ座で衣装デザインも経験しているようですので、安心して見ていられそうです。



↑ クレイジーにしていても、どこかシック。

つい最近の2008年のアカデミー賞でペネロペ・クルスのためにデザインした
濃い青(この写真では黒に見えますが、、)のドレスが好評だったようですが、
私はあんまり好きじゃないかも、、。



写真家としても活躍しているラガーフェルドですが、その彼本人が撮影した写真の中のこのドレス、
おそらくデザインも担当したのでは?と思われるのですが、
この感じの方がオペラらしくて、期待が高まります。
『マノン』も、『椿姫』と似た世界のお話なので、ラクロワのデザインとの対決も見ものです。



しかし、私が一番楽しみにしているのは、『カプリッチョ』を担当するジョン・ガリアーノ。
ジブラルタル人とスペイン人の両親を持つロンドン育ち。
現在は自ブランドと共に、クリスチャン・ディオールのデザイナーとしても大活躍中で、
彼の手がけるデザインは、レッド・カーペット・イベントでも本当に素敵なものが多くて溜息もの。

↓ こーんなクレイジーなデザインもしてしまいますが、



今年(2008年)のアカデミー賞で最高のドレスとの評価が高かった
ハイディ・クルムが来たもの ↓ をはじめとして、全部はとてもここで紹介できないほどです。



MoMA(ニューヨーク近代美術館)の
"Costume Institute Party of the Year: Anglomania Exhibition" で
展示されたこの黒の絹のドレスの美しさはどうでしょう!





ということで、このデザイナー対決、私の大本命はガリアーノですが、
これは何としてもルネ・フレミングに頑張って着こなして頂かなければなりません。

オープニング・ナイトについては、彼女の歌もさることながら、
衣装についても猛烈に詳しくレポしたいと思っておりますので、お楽しみに!

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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
日本でも見たい (今泉澄)
2008-07-17 18:34:09
ものすごく、ご報告、愉しみ。
画像付きだとさらにうれしい。

(平泉澄から今泉澄に変更。理由:重いから)


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私も見たい (チャッピー)
2008-07-17 20:37:29
本当にお美しいわ、フレミング様
でも、ライブビューイング無いんですよね。
DVD出す予定は無いのかな?
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改名/デッセイのルチア系リリース (Madokakip)
2008-07-18 04:29:01
 今泉 澄さん、

初めてコメントを頂いた時には、”歴史学者の平泉さん!”と緊張したものです。
(1984年にお亡くなりになっているというのに、、。)
その時の刷り込みが激しく、今でもお返事をするときは正座モードになってしまいます。
なので、改名されても正座し続けます。

当日の様子については、厳選しつつも、出来るだけたくさんの写真をご紹介できれば、と思っています。

写真といえば、最近メトでも、公演中に(!)
フラッシュをたいて写真をとっている人がいますが、
舞台の上にいる歌手や合唱、またオケの人たちにとって、
一瞬何も(舞台の端も、楽譜も)見えなくなることがあり、大変危険です。
そのため、アッシャーのチェックが近頃一層厳しく、
誰かがカメラを取り出そうものなら、アッシャーが飛んで走ってくるようになりました。
(ちなみにメトでは、一旦座席のあるエリアに入ると、写真撮影は禁止。)
なので、私の海賊写真ではなく、プロのフォトグラファーが撮影したルネ・フレミングの写真が
当ブログを飾る予定です。お楽しみに!!!

 チャッピーさん、

ははははは、すでにルネ様にめろめろにされましたね!
確かにこのプロモ写真、素敵です。
そうなんですよ、残念ながら、この日のライブ・ビューイングは
アメリカ国内のみの上映です。
でもきっと映像自体はメトが所有しているでしょうし、
昨シーズンのプレミアからの『ルチア』の狂乱の場の映像が、
デッセイのアリア集にDVD付録としてつきましたので、
その線はありうるかもしれないですよ!
ルネ・フレミングの新発ディスクに期待!です。
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写真撮影 (チャッピー)
2008-07-18 21:11:09
では、カーテンコールの際にパチパチ撮ってるのはOKなのですか?
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マニュアルによると (Madokakip)
2008-07-19 12:32:49
 チャッピーさん、

多分、同じ疑問を持っていらっしゃる方が多いと思います。

メトのサイトの、
”オペラ初心者のための問答集 (FAQs for Newcomers) "によると、

http://www.metoperafamily.org/metopera/season/visit/attending.aspx#photos

問:写真をとったり、録音してもいいでしょうか?
答:いけません(ばっさり)。いかなる公演の写真撮影、音声の録音を行ったり、および、劇場内にそういった目的の機器を持ち込むことは、
マネージメントの書面での許可がない限り、法律により禁止されています。(中略)
オーディトリアム内でのフラッシュの使用も禁止です。ペン型の懐中電灯の使用も遠慮していただいております。

となっています。
微妙な書き方になっていますが、禁止しているのは、
”公演を撮影又は録音すること”であり、
それと付随して、”その目的でカメラやレコーダーを持ち込むこと”が禁止されています。

オペラハウスの敷地内かつオーディトリアムの外の部分で、
お友達同士写真を撮る、これは全く問題なしです。

この間にある、つまり、
1)カーテンコール
2)オーディトリアム内でお友達を撮影する
といった行為が判断の分かれるところです。

いずれにしても、フラッシュの使用はFAQsにあるように問題外ですが、
フラッシュを使用しない場合、
カーテンコールなど、公演そのものの外にある枠の時間も”公演”の一部にあたるのか、というのが、焦点になると思います。
私が観察した限りでは、開演前に座席でお友達を撮影しあう時にも、
アッシャーが気付く限り、注意を入れているので、
私はオーディトリアムに足を踏み入れてから、外にでるまでは”公演”の一部と解釈しています。

ただし、カーテンコールに関しては、メト側のサービス、プラス、とても人数的に取り締まれないのもあって、
割と大っぴらに写真撮影を許しているようです。
ただ、これはあくまでメトの好意ベースで行われていることなので、
観客側も濫用せず、撮影するならできるだけ手短に、
当然、フラッシュは使用しない、ということを心がけたいものです。
返信する
カーテンコールの写真 (娑羅)
2008-07-19 21:07:25
これって、判断が難しいですよね。
最近、オペラを御覧になった方のブログをハシゴしていると、カーテンコールの写真が大量にupされていることが多く、“海外のオペラハウスは、カーテンコール時なら、写真が許されている”というふうに思ってしまいます。
私は気が小さいので、写真は撮れません・・・。
やり慣れてないことをやると、絶対に痛い目に遭うだろうし

どこかで、“パリのバスティーユは、写真に寛大”とか読んだのですが、4年前に私達が行った時は、上演前に客席で写真を撮ったら、前に座っていたフランス人カップルに怒られました。
(しかし、こいつら、オペラが始まったら、イチャイチャするわ、喋りまくるわ・・で、オペラなんか観ちゃいない!お前らのほうが迷惑じゃ~~~!

先日METに行った知人は、開演前に客席で、スタッフの方に「ここで写真を撮ってもいいですか?」と訊いたそうなのですが、「いけません」とのこと。
知人が「わかりました。」と、立ち去ると、スタッフのおばちゃん、後ろから更に追いかけてきて、「Never!」と念押ししたそうです(笑)

ところで、話は変わりますが、先日お話した、ホロストフスキーとカウフマンとのコンサート、決定したようです。
場所は、クレムリン宮殿!6000人入る大ホールです!
http://www.msk.kassir.ru/msk/db/text/68796955.html
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グレーなエリア (Madokakip)
2008-07-22 13:30:48
 娑羅さん、

本当に微妙なところです。
また撮影をしている側もいろんな人がいますよね。
もちろんオペラが好きで、とか、目当ての人がいて、とかで、
せめてカーテンコールの写真を、、と撮る人もいれば、
メト鑑賞のせっかくの記念に(この気持ち、とてもわかる!)、
それから、特にオペラに興味があるわけではなく、例えばNYに来た観光名所ついでにメトにいらっしゃっている方も結構いて、
そういう方の、なんでエンパイヤー・ステート・ビルのデッキで撮影してよくって、
メトの中は駄目なの?と思う気持ちもわからないではないのです、、。

しかし、他のオペラハウスのルールはちょっと存じ上げないのですが、
ことメトに関してはお友達の撮影も駄目なくらいですから、
本来はカーテンコールの撮影もいけないんだとは思います。
でもあまりに撮影している人がいるのでいまや野放し状態ですが、、。

メトは、傾向として、カメラを取り上げたり、といった無粋なことはしたくない、というのがあるみたいですね。
(最近バッグチェックが厳しくなり、アッシャーが指揮棒状のようなもので、
女性のバッグの中をチェックする姿が見られるようになっていますが、これは、危険物が持ち込まれていないか、ということを確認しているようです。)

カーネギー・ホールでは、開演前に、”携帯の電源をお切りください。”という趣旨のアナウンスが入りますが、
メトも今まで何度かこういったアナウンスを採用しては?という声が出ているのですが、
観客の良識を信じるから、そういったアナウンスは必要がない!というスタンスを頑固に守っているようです。

そうやって信用されているわけですから、私たち観客も守るべきことは守りましょう、というのが私個人の意見ですね。

おっと!実現ですか、クレムリンの夢のコンサート!!!
これは行きたいなあ、、
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2009 お初コメント その3 ファッション物申す! (Yoko)
2009-01-01 15:27:56
ラガーフェルドの服、あれは、ルネ・フレミングの肩幅が広すぎて、胸がでかすぎだから、あの手のデザインが活きない。
サイズなんてわかってるのにね。あえて、それで挑戦するのは、絶対、ラガーフェルドなりのマノンの解釈があったのよ。彼は天才なんだから。彼はドイツでもとても活躍してるんだよ。彼の方が、知ってるのよ。ドイツってものを。彼の特徴は、近未来的なところで、この起用の謎が深まる。
マノンは通しで見たいと思ったのは、そんなとこによるのだ。
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コメント三連発ね。 (Madokakip)
2009-01-01 23:56:29
 Yoko、

すごい!コメント三連発ね。
そんな急にたくさん書いて熱出さないでね。
情報を落とさないためには、一気読みより、コンスタントに、ね。

多分、わかってはいるのだろうけど、念のため、
ラガーフェルドがデザインしたのはマノンの衣装で、
マノンはフランスの作品ね。

ドイツ云々っていうのは、ラガーフェルドのことを語っているだけで、
このガラには関係ないのよね?
(子供の頃と同様、あなたの”ねじれ文”に悩まされてるわ!)

>ラガーフェルドなりのマノンの解釈

うーん。デザイナーはやっぱり、その服の究極の目標はなんなのか?ということを考えてデザインしなきゃいけないんじゃないかな。
で、このフレミング・ガラという性質、
それから、他のデザイナーと比べられる、ということを考えても、
フレミングの体型を生かせないデザインは駄目なんじゃないかと思う。
というより、私はフレミングって、そんなに肩幅も広くないし、
胸もでかくないと思うよ。
昔は彼女、結構ぽちゃっとしてましたが、
今や、標準(オペラの世界ではなく、一般の)アメリカ女性として見ても、
すごく華奢だと思います。

http://blog.goo.ne.jp/madokakip/e/9555223ff5e44801a56e799a2e03a261

↑ こんな体型で、肩幅があるというのは、厳しいよ!

私はあれはラガーフェルドのデザインミスだと思います。どんなに天才であっても。
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