港区まち創り研究会(まち研)ブログ

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世界の街から81 フランス ランスの新ルーブル美術館

2013-05-24 08:06:05 | フランスの街から
日本建築家SANAA(妹島和世、西沢立衛)がコンペで当選し設計したランス(Lens)の新ルーブル美術館を見にいく。昨年12月にオープンしたばかりである。パリ北駅からTGVでarrasまで行き、そこで普通列車に乗り換えランスに、1時間ちょっとで着く。駅から美術館までシャトルバスがでている。駅前に大きな看板があり、歩くコースも指示されているので、歩いてみた。道はきちんと植栽され新しい橋もかけられていて、気持ちよく歩くことができた。但し、1.5kmと結構距離がある。
 この建物は外観ほとんど主張していない。四角いアルミとガラスで構成された箱が並んでいるだけである。むしろ、建物の形を消し、まわりの環境にとけこもうとしているのかもしれない。
 オープンして1年間は無料ということで、かなりの人が来ているがほとんど近くに住むフランス人らしい人がほとんど日本人も観光客らしい人もあまり見当たらない。
 ホールの内部空間は素晴らしい。ガラスに囲まれ外の景色がよく見えさらにトップライトで光を入れている。円形のガラスで囲んで部屋をつくっているので、すべてがオープンで軽やかである。
 展示室の「時のギャラリー」にあっと驚く。長さ130mの大空間が一目で見渡せるのである。この大空間の縦の壁に何千年という文明の時の刻みが記されている。横は東洋から西洋に至る地球の幅を示している。世界の美術が時空間に分けて一つの部屋に展示されている。今までの美術館で考えられなかったわかりやすい展示である。時代ごと、地域ごとの美術の推移が理解できる。
 この展示室の大空間に、柱も梁も見えない。柱は壁の中に、梁は薄い鉄板でつくられ狭い間隔で配置され、天井の中に吸収されている。新しい構造技術なのであろう。梁と梁の間はガラスのトップライトになっており柔らかい自然光が入っている。美術館に自然光がふんだんに入ってきているのが驚く。
豊富にあるルーブル美術館のコレクションの中から、ドラクロアの「民衆を導く自由の女神」の名画の他、ラトゥール、ラファエロ、ゴヤ、アングルなどの画、エジプト、ギリシャなどの美術が貸し出されて展示している。
カフェテリアは、簡単なおいしい食事ができる。買って外の庭でも食べることができる。
地階もあり、大きなタッチパネルのスクリーンがたくさんがあり、それを触って中に展示されている絵画を見ることができる。地階のトイレもきれいである。
ただ、広い美術館の外庭は石庭のような前衛的なデザインであるがちょっとさびしい気がする。帰りはシャトルバスに乗って駅にいく。
開館してまもない美術館がこれだけ人がきているので、地方の活性化のための美術館の分散化はある程度成功しているのだろう。

美術館までの遊歩道が整備されている

外観

外観

明るい透明なホール

平面プラン

ホールの平面プラン

時のギャラリー

時のギャラリー

薄い鉄板の梁とトップライト

年代を記した縦の壁

ドラクロア「民衆を導く自由の女神」

囲われた特別展示室

カフエテリア

外庭

地階にあるタッチパネル

シャトルバスのバス停
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