港区まち創り研究会(まち研)ブログ

港区の情報、まちづくり情報をお伝えします。
海外の街あるきの報告もあります。

豊島(てしま)まち歩き

2016-12-02 15:18:02 | 日本の街から
旅行報告の続きです。
直島から高松に戻り翌日、朝、栗林公園を少し見て、9時発の豊島行きの高速船に乗る。高速船は小さな船であったが、あまりゆれなかった。1時間ほどで家浦港につく。家浦でやはりレンタサイクルを借り、豊島美術館に向かう。西澤立衛設計のこの美術館を見るために、豊島を訪れたようなものである。
美術館は曲線の白い屋根が少し見える程度であまり目立たない。
美術館を訪れた時、ちょうどにわか雨がふりだしてきた。
チケットセンターと美術館は離れている。雨が降っていたため、チケットセンターから美術館へのアプローチで海を見る景観を楽しめなかったのがやや残念だった。美術館に入るときは靴を脱ぐ。中に入って驚く。展示物がなにもないのである。
優雅な曲線におおわれた内部空間は素晴らしいが、天井に大きな穴が2か所開いている。エアコンもなく内部は外部と同じ環境である。
床はコンクリートであるが、微妙に高低があり、かすかに模様もある。これがartの仕掛けになっていることが段々わかってくる。天井の大きな穴から雨が吹き込んで床に水たまりができている。床のところどころに内藤礼の作品である小さな球がおかれている。
これとは別に床の小さな穴からかすかに水がでてくるのがわかる。床からでてきた水が表面張力で優雅な曲線の水の膜をつくる。これが刻々変化する。水の流れができ、それが小さな球にからんでいく。これこそが彫刻家内藤礼のねらったartであることがわかってきた。この建物の形態も水の膜がつくる曲線を現したものである。
時間とともに変化する小さな水の膜を見ているだけであきない。
一方、天井の大きな穴から空を見ていると天気は変化し、雨が上がり雲がながれていく。空の変化を見ることもartなのだ。なにか、禅僧が禅寺に対峙し、修行しているような気分になる。時を忘れて、数時間この空間で過ごしてしまった。美術館、artという既成概念を超えた空間にただ茫然としていた。西澤立衛と内藤礼とのコラボレーションでつくられたこの美術館。創造力のすごさにただ感嘆。
昼は、別棟の小さなレストランでオリーブライスを食べる。
この美術館の印象があまり鮮烈だったので、帰りはあまりあちこち寄らず、横尾忠則ミュージアムを少し覗いて帰る。
高速船で高松に戻り、JRで岡山に行き、岡山から品川まで新幹線、自宅に夜の10時に着く。

豊島行き高速船 小さいが早い

高速船からの景色

直島の町役場が見える

豊島美術館が見えてくる 目立たない 右がart space 左がレストラン

美術館まわりの環境


美術館内部 絵葉書より

美術館内部 絵葉書より

上から美術館を見る 絵葉書より

横尾忠則ミュージアム
コメント
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