prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「雨鱒の川」

2004年12月15日 | 映画
まあ、北海道の風景のきれいなこと、きれいなこと。磯村監督は毎度地方ロケーションがうまい。
劇中で使われる画がよくできている。特に一見写実的でうまい子供の絵と、子供っぽく荒いようで実はうまい絵とを続けて見せて、後者がいいとはっきりわからせるのに感心。

雨鱒のCGは、あんなに都合良く魚を操れるわけがないと思うからCGだと見当がつくが、水面の揺らぎまで取り込んだ驚くばかりにリアルな傑作。作ったのが沖縄のスタッフというのがなんだか可笑しい。魚の動きや質感に強いからだという。その他、ちらっちらっと画面にさりげなく蝶が飛んでいたりするのもCGかもしれない。

子供時代と青年時代とを絡めた構成も巧い。恋敵が聾唖のヒロインのため一生懸命手話を覚えたりする“いい人”で、主人公の画家が一応生活力があるという具合に、性格づけを安直に対照的なものにしていない。
見ている間に障害ものという印象を一瞬も覚えなかったのに、見終えてしばらくして気がついた。

日本映画なのにオープニングでパラマウントのマークが出る。
(☆☆☆★★)


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