prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「イコライザー」

2014年11月05日 | 映画
序盤、デンゼル・ワシントン扮する主人公ボブの規則正しい物静かな生活の描写が魅力的。夜はダイナーで静かに読書しいつも同じ頃にいる娼婦に対しても特に構えず紳士的に応対する一方で只者でない感じを出すあたり、役者の力量のみせどころ。
多くの本をつぎつぎと読んでいるのだが、それを勧めた人(亡妻)への思いが自然に出るのと、本の内容がその時々の状況や気持ちを象徴的に表現している。

ここがしっかりしているので娼婦を搾取し暴力をふるうロシア系マフィアをぶち殺すのが納得できるし、やられたマフィアが当然黙っていなくて事態がみるみるエスカレートし、反撃の方も徹底的になって加速度がついていくドライブ感はなかなかいい。ヒーローの素性をすぐ明かさないでストーリーの流れに組み込みながらちょっとづつわからせていく展開もいい。もっとも強すぎていくらなんでもというところはある。

描写に随所に省略法を効かせてメリハリをつけているが、効果をあげているのと意味がわかりにくくなっているところと、両方。
話の発端になった娼婦が途中から完全にストーリーから外れてしまうのだが、殺されたのかと勘違いしていた(殺されたのは仲間の娼婦ということだろう)。後から考えると人質にすればいいのにそうしないマフィア側はちょっとマヌケだが、見ている間は気にならなかった。
娼婦役は「キック・アス」のクロエ・グレース・モレッツだが、よく化けたもの。まだ17歳なのだが。

勤務先のホームセンターに揃っている多種多様な日用品を武器にして戦う趣向がおもしろい。炎が上がりスプリンクラーが働いて大量の水が降り注ぐ中、スローモーションでワシントンがぬうっと現れるのがとにかく格好いい。推測だけれど、デジタルカメラだとスローモーションの秒あたりのコマ(フレーム)数を増やせるので、水滴や爆発でふっとぶ破片がくっきり見えるようになったのではないか。

エンド・タイトルを見ていたら、hair stylist for Mr.Washingtonと出てくるけれど、終始スキンヘッドで通しているのにヘア・スタイリストって何だろうと思う。それともカツラなのだろうか。
(☆☆☆★★)



本ホームページ


公式ホームページ

イコライザー@ぴあ映画生活

映画『イコライザー』 - シネマトゥデイ

イコライザー(アンレイテッド・バージョン) [DVD]
主演 デンゼル・ワシントン
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


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