prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「フレンチ・ラン」

2017年03月10日 | 映画
大男の黒人のCIA捜査官と小柄な白人のスリのコンビは「48時間」の人種を逆にしたみたいで、ラストでも同作を元にしているのを示す一種の目くばせのようなシーンもある。

バティものというのはアメリカ産のような気もしていたが、もちろんそんなことはなくて十分どこの国でも通用する形式だが、国が変わると何より出演者がもっぱらイギリスかフランスかの出身のせいもあって、ハードなアクションがふんだんに盛り込まれても、アメリカ産とちょっとづつテイストが変わる。

テロが起きて以来世情騒然としているパリを舞台にして、屋上の追っかけでおなじみの形の屋根を生かしたり、クライマックスにちょっとバスチーユ陥落のイメージを重ねたりしているのも細かい。観光地を外したフランスロケの効果が大きく、エリートとそれ以外との溝が自然に描けている。

テロを背景にしながら深入りしすぎて複雑にならないように「ダイ・ハード」一作目の線にとどめているのも巧妙。

イドリス・エルバの無骨なタフガイぶり、リチャード・マッデンのフットワークの軽さのバランスがよく、ヒロインのシャルロット・ルボンがかわいい。
(☆☆☆★★)

映画『フレンチ・ラン』 - シネマトゥデイ


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