「あなたを抱きしめる日まで」

アイルランドのカソリック教会の異常な未婚の母に対する扱いは「マクダレンの祈り」という直接母たちの体験を描いた見るのが辛いくらいの力作映画でも描かれていたが、これは産んだ子供を取り上げられた母親が50年経ってからジャーナリストとともに追っていく話。

斜め上ぎみの意外な展開を重ねていくところは実話タネだからなのだろうけれど、ドラマ仕立てにした分、予想したとおりの結末を期待するとはぐらかされたような感じもする。
しかし通してみると母の子に対する思いというものが、期待したような普通の形ではなくてもこれからも受け継がれていくという、その多様さに見合っているようでもある。

ジュディ・デンチの表現の幅の広さはいまさらだけれど驚異。
若いとき男好きなところを不用意に見せてしまったのではないかとちょっと思わせるところすらある。

それにしても、キリストが処女懐胎で産まれたという荒唐無稽な主張と、婚外出産に対する異常としかいいような罪悪視はどういう具合に結びつくのか。
（☆☆☆★★）



本ホームページ

公式ホームページ

あなたを抱きしめる日まで＠ぴあ映画生活

映画『あなたを抱きしめる日まで』 - シネマトゥデイ