前作「エリート・スクワッド」で完成した特殊部隊BOPEがスラム街のギャングを掃討すると、今度は腐敗警察官集団“ミリシア”がスラムを支配し始め、庶民から金を巻き上げ、金払わないと警官が平気で一般人を撃ち殺すのだから唖然としてしまう。
さらに政治家たちが裏でミリシアを動かし票集めに利用するといった具合に、ブラジルのスラムの巨大さ、警察と政治の腐敗のひどさには言葉もない。
重要なキャラクターがおそろしくあっさり殺されてしまうあたりの非情なタッチも見事。
経済成長とかオリンピック開催だとかいわれる裏のものすごさを容赦のないリアリズムで抉り、銃撃戦も独特のリアルさがあって、音響効果がまた秀逸。
監督のジョゼ・パジーリャはリメイク版の「ロボコップ」の公開が控えているわけだが、荒廃した世界のリアリティの抽出を買われてのことだろうか。
オープニング、長々とスポンサー企業のロゴが続くが、その中にサムスンが入っているのにあれと思う。
(☆☆☆★★★)