人間万事塞翁が馬

長い人生では、人の周囲に何がどのように展開されるか分からない。だから人生は生きている価値がある。

卒業生

2017-05-31 15:20:23 | Weblog
此処に取り上げるのはある退職者の話です。つまり弊社を卒業して新天地で再び頑張ろうという人の事です。入社歴は20年近くですが、彼の入社当時は世の中の景気も良くて企業からも学卒者は引く手あまたな時代でした。弊社も採用コストをかけたからには採用数の確保ばかりを考えていたのです。

ちょうどその時、採用会場のブースの前を通り過ぎるばかりで椅子に座ろうともしない、妙に自信の無さそうに見える若者がいました。其れを見て私はそっと近づいて話だけでも聴かないかと半ば強引に椅子へ座らせたのです。人が採れない時期でもありましたので、何とか会社で人間的に育てようと考えて試験結果には拘らず採用したのです。

その彼が幾度の変化の困難にもめげずに、何度も挫折をくり返しながらも今日まで勤めました。普通であれば諦めてとっくに業界を去っているのが一般的ですが、彼は彼なりに困難な仕事にも生きていくために努力してきたと思われます。努力すればどんな仕事でも普通の能力であれば対処が可能ですが、ITは特殊な業務なので向き不向きも少しは関係します。

採用数を優先して強引に採用した私にも責任がありますので、彼の事は何年経っても心配でした。会社にもほとんど戻ってこなかったので、現場で通用しているのか、少しは成長したのか我が子のように様子が気になっていたものです。今日はその彼が弊社を卒業する日でした。一番嬉しかったのは、彼が気持よく円満に退職してくれたことです。

これからも元気で、いい人生を歩んでくれることを密かに祈りたいと思います。弊社で過ごした彼自身の20年近くの歩みが彼の人生に少しでも糧になれば幸いです。本当に御苦労さまでした。元気で頑張ってください。そして良い家庭を持ってください。応援しています。
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