家事の効用

最近、歳をとったせいなのか、様々なところに目が行くようになったと感じています。結婚して３５年を過ぎて、急に休みの日に家事の手伝いをさせられるようになりました。一つは全く手を付けてこなかった炊事、洗濯、そしてトイレ掃除です。皆さんはやるのが当たり前のように思われるでしょうが、私にとっては結婚以来初めての経験でした。我が家では専業主婦の家内がやる仕事だとばかり今日まで考えてきたのです。

毎日同じ家事の繰り返しで、妻は何の報酬も無く陰で黙々と私を支えてきたのだという有難さが自分で家事を手掛けてみて初めて分かりました。最近のご家庭は共働きが普通なので、家事は男女共通の仕事だと思いますが、私たちの時代は結婚したら女性は家庭にいるのが当たり前、という感覚で現代とはだいぶ違っていました。若い頃より妻は洗濯好きで私の出る幕はなかったのですが、歳をとるとそんな呑気な暮らしも許されなくなってきたのです。

トイレ掃除に関しては、ある日、突然言われてやってみてから日課で掃除をするのが当たり前となりました。今では会社で人の使ったトイレの後始末まで気になるようになりました。他人の為に自分自身が少しでも清潔に使用することの大切さも学びました。他人の使ったトイレの後始末をちょっと掃除したり空のロールを処分したりしています。使用後に忘れて流さない人もいますので、どうしても気になり代わりに流しています。