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今日はアルギン酸の、ストロンチウム排泄促進効果についての話です。

アルギン酸とはどのようなもので、その放射性ストロンチウム排泄促進作用には、どのような特徴があるのでしょうか?

アルギン酸は昆布やワカメ、ヒジキなどの海藻類に、主に含まれている食物繊維です。この食物繊維は、ネバネバする成分で、2種類のウロン酸と呼ばれる糖類が、沢山くっついた構造を持つ多糖類です。内部に金属イオンを挟み込むという、徴的な性質があり、海藻は海水中にあるため、自然とカルシウムやマグネシウムなどのミネラルを、内部に取り込んでいるのです。これが、海藻にミネラルが豊富な、大きな理由です。

アルギン酸はpHが3以下という酸性の環境では、不溶性になり、それよりアルカリ性に傾くと、今度は逆に水溶性になります。

アルギン酸にトラップされているカルシウムは、一旦胃に入ると水素イオンと交換されるために、放出されますが、それが今度は腸に入り、環境がアルカリ性になると、キレート効果でもう一度カルシウムを捕捉します。多くのカルシウムを保持したアルギン酸は、ゲル状になって便通を改善する作用を持ちます。


アルギン酸は医療用を含めて、多くの用途に利用されています。食物繊維のサプリメントとして、市販もされていますし、その水分保持作用と止血作用から、床ずれの治療材としても使われています。止血作用から胃潰瘍の治療薬としても、アルロイドGなどの商品名で使用されています。

歯医者さんで歯型を取る時にも、印象材として使用されています。また、胃の検査の時のバリウムにも、その膨張する性質から、添加物として利用されています。

このように多くの用途のあるアルギン酸ですが、1965年のNature誌に、ネズミでストロンチウムの吸収を著明に阻害した、という内容の論文が掲載され、その後数年のうちに人間でも同様の効果のあることが、確認されました。
これは要するにカルシウムの保持作用と、同じに考えることが出来ますが、アルギン酸はカルシウムの吸収には殆ど影響を与えず、ストロンチウムのみの吸収を阻害する、と一連の論文では報告されているので、その違いが何処にあるのかは、正直なところよく分かりません。ストロンチウム以外にカドミウムの除去効果も確認されている点から考えて、アルギン酸はより重金属を保持し易いのかも知れません。

1966年の文献では、1日1.5グラム以上のアルギン酸ナトリウムの使用により、ストロンチウムの体内への取り込みは、半分になったと書かれています。
それより量を増やしても、その効果は変わらなかった、との結果でした。もっと著効したとの報告もありますが、その測定法もまちまちで、定量的な効果を、現時点での文献から確定事項のように判断するのは、危険だと思います。

医療用のアルロイドGは、海藻の味のする飲み薬ですが、液体の場合100ミリリットル中に、5グラムのアルギン酸ナトリウムが含まれています。

その1回の使用量は20から60ミリリットルです。僕は胃潰瘍の患者さんの場合、1日60から85ミリリットル程度を使用することが多いのですが、これで3グラム以上のアルギン酸を取ることが出来、文献上はストロンチウムの排泄促進にも、充分な効果があることになります。

副作用は少ない薬で、その連用によりおしっこのカルシウムが、やや増加したとのデータはありますが、比較的高用量の連用においても、低カルシウム血症のような副作用の報告はないようです。

今日のポイントは2つで、1つは放射性ストロンチウムの内部被曝が想定される時に、アルロイドGの使用はその吸収抑制に一定の効果があり、有害な作用もあまりないので有用性がある、ということです。

そしてもう1つは、
アルギン酸は非常に強力にストロンチウムを捕捉する性質があり、海水に放射性ストロンチウムを流すような、悪魔の所業が行なわれると、海藻類はストロンチウムをドシドシ取り込むので、その食用には充分な注意が必要だ、ということです。
勿論アルギン酸にはキレート効果がありますが、元々捕捉されていたストロンチウムが 、胃内で解離されて吸収されるリスクが、当然想定されるからです。ただこれは見方を変えれば、海藻が自らの身を犠牲にして、自然環境の汚染を、最小限に食い止めている、ということも意味しているのです。( ナウシカの腐海みたいですね luca)

今日はアルギン酸の、ストロンチウムの取り込みについての話でした。



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