遠い森 遠い聲 ........語り部・ストーリーテラー lucaのことのは
語り部は いにしえを語り継ぎ いまを読み解き あしたを予言する。騙りかも!?内容はご自身の手で検証してください。
 



    三年一組の教室で「やっぱり 森さん!!」先生と思わず抱き合うところでした。A小学校の特別支援学級のご担当だったA先生との再会です。わたしは二年間クラスにうかがいました。なつかしい子どもたち....どうしているでしょう.....天使みたいな知的障害の子どもたち、最初のうちは見ているのが苦しかった情緒傷害の子どもたち.....けれどもしだいになじんでおはなしを聴いてくれ いっしょにゲームを楽しむようになったのでした。

    特別支援学級の子どもたちにはもっとてつだってあげられることがあるような気がします。.....気持ちと身体をしずめるのにアレクサンダーテクニークはとても有効でした。脱力と集中 そこにもっと光をあててみたかった。ことばの感覚.....がときにユニークでおもしろく ことばをつかってもっとなにかできそうな気がしたのでした。

......ともかく 今日は3年1組のおはなし会です。タイトルは六羽の白鳥
......王様が狩の途中 深い森で迷子になり どうしても出口がみつかりません。すると魔女が「自分の娘と結婚するなら出口を教えよう。さもないとお前はさまよったあげく、この森で死ぬことになる。」というのです。王様は命が惜しかったので約束とおり、魔女の娘を后にしました。けれども后に何か恐ろしいものを感じて 前妻の子どもたち 6人の王子と妹姫を遠く深い森の中のお城に隠すのでした。その城には王でさえ精霊のくれた糸だまがないとたどり着けないのです。糸だまをころがすところころころがって王を子どもたちのいる城に案内するのでした。

   たびたび王のすがたが見えなくなることに気づいた后は家来を問い詰め、糸だまを手にいれると 6枚のちいさなシャツを縫って森の奥のお城に向かいました。そして父王と思って駆け寄ってきた王子たちにシャツを投げかけると、王子たちはたちまち白鳥に姿を変えられ なきながら飛び去っていきました。........妹が一言もしゃべらず笑いもしないという禁忌をまもり ゆうぜん菊で六枚のシャツをぬうことでしか兄王子たちの魔法はとけないのです。

   妹姫は木にのぼり ひたすらシャツを縫い続けますが とうとうある日 この国を治める王の家来に見つかってしまいます。王は娘の清らかなうつくしさに驚き、口もきけず笑いもしないこの娘を愛し、后にしました。けれども王の母はそれを喜びませんでした。后に男の子が生まれると赤子を隠し 后の口に血を塗って 「后は魔女だ、赤子を食ってしまった」と訴えるのです。王は后をかばいましたがふたりめの子どもがおなじことになったときかばいきれず とうとう后は火あぶりにされることになりました。

   刑場にひかれてゆくとき后は日夜ぬいつづけたゆうぜん菊のシャツをかかえていました。薪の山に火がつけられそうになたっとき 六羽のまっしろな白鳥が后をまもるようにまわりを飛びました.....后は持っていたシャツを投げました。シャツが白鳥にふれるやいなや白鳥は王子にすがたを変えました。けれども六番目の王子だけは左の肩からつばさが生えていました......

   このものがたりによく似た話にケルトの”リールの白鳥”という恐ろしくもうつくしいものがたりがあります。キリスト教に侵食されるまえの原話を知ることができたら.......ダユーのイスの物語もそうなのですが、どこかに古いかたちのものがたりが残っていないかと思います。古事記どうよう インスピレーションで組み立てるしかないのかもしれません。




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