ゴルフィーライフ(New) ~ 龍と共にあれ

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ラファエロ

2013年05月04日 | 日記

ラファエロの肖像画に見入っていると、ラファエロ自身に近づいていくような気がした。

  

 ( ↓ ) ラファエロ最晩年に描かれたという「友人のいる自画像」が冒頭に登場する動画。
    友人が背後を振り向きながらこちらを指し示すポーズは謎とされる。

        画面左側のラファエロをみて、不遜ですが、自分に似ているような気がしました。
    辰巳琢郎に似ていると言われたことがあるのです、どことなく似てませんか。

       (右:つまが少女時代にフィレンツェでみてその表情の印象が忘れられないという「小椅子の聖母」。
    残念ながら
今回のラファエロ展の展示作品の中にはありませんでした。)

 

Raphael (Raphael Sanzio)  (作品の原題がままで表記されているので分かりやすいです。)
 

「アテネの聖堂」には、画面中央のプラトンやアリストテレスをはじめとする賢人達が描かれる。
(Free  as a bird のビデオでもおなじみの光景:ジョン レノンの新曲??)

そんななか、画面右端にラファエロは自画像を描き込み、自らが彼らと並ぶ存在だという自負心を示したという。

右端にちょこっと、というのは控え目だが、基本的に不遜だ。
発想が同じだ。(´・ω・`)  ビートルズに紛れてみた。

おもしろいのは、画面中央のプラトンや画面手前のヘラクレイトスのモデルになったのが、同じくルネサンスを駆け抜けた先輩にあたる、レオナルドとミケランジェロだということ。
ミケランジェロは着衣の姿は俗世界であり、聖なる存在は裸体だと考えて、聖人を次々と裸にしていったが、
ラファエロは、賢者や聖人の居る世界を、自分たちの方に引き寄せて、崇めるというよりは同化しようとしている。

ラファエロは後のロマン派の時代に、聖母子像を量産した退屈な画家との批判を受けたりもして、ダビンチやミケランジェロほどの評価を得ていないように思えるが、
先達を崇め奉るだけでなく、そこに自分たちが入り込めると考えた点などは、実にルネサンス的だと思う。

ヴァチカン宮殿の部屋の漆喰の上に、フレスコ画と呼ばれる技法で描かれた絵は、重厚というよりは無邪気で明るい。
畏怖よりも憧憬のほうがまさっている。

今回の展示の目玉になっている「大公の聖母」のように優美で柔和な表情の描写は、″美のカノン(規範)″との称号に相応しいが、
一方で、時には内面をえぐるような人間の真実も浮き彫りにする。

今回の展示で、ある意味、もっとも衝撃を受けた作品のひとつが、イエスの遺体の描写が生々しい、「キリストの遺体の運搬」。
聖なるキリストを、徹底的に人間らしく描いている。目は白目をむき、右胸下の切り傷も痛々しい。
動画の冒頭から登場する、嘆きとも怒りとも判別のつかない表情を浮かべる画面中央の女のひとは誰なんだろう。
 

Raffaello Sanzio Deposizione  

ルネサンス以降、宗教改革を経て、ヨーロッパは中世的な世界観から近世へと移行していく。
そして近代科学は、ルネサンス以降に、劇的に発展する。
科学が、その後要素還元的手法に多くを頼るようになっていくのは、ルネサンス期の解剖学的知見に端を発するのだと、ふむふむした。
(同じような見解を述べたひとはきっといるんだろうな。なかなか的を得た指摘だと我ながら思ったけど。)
ガリレオやニュートンが出てくるのは100年くらい後の話。
気になって調べてみたら、地動説を唱えたコペルニクス(1473-1543)とラファエロ(1483-1520)の生きた時代は重なっていた。

自己の地動説の発表による影響を恐れたコペルニクスは、主著『天体の回転について』の販売を1543年に死期を迎えるまで許さなかった
1616年、ガリレオ・ガリレイに対する裁判が始まる直前に、コペルニクスの著書『天体の回転について』は、ローマ教皇庁から閲覧一時停止の措置がとられた。これは、地球が動いているというその著書の内容が、『聖書』に反するとされたためである。ただし、禁書にはならず、純粋に数学的な仮定であるという注釈をつけ、数年後に再び閲覧が許可されるようになった。

ガリレオは、物体の運動の研究をするときに実験結果を数的(数学的)に記述し分析するという手法を採用した。
このことが現代の自然科学の領域で高く評価されている。彼以前にはこのような手法はヨーロッパにはなかった、と考えられている。
さらにガリレオは、天文の問題や物理の問題について考える時にアリストテレスの説や教会が支持する説など、既存の理論体系や多数派が信じている説に盲目的に従うのではなく、自分自身で実験も行って実際に起こる現象を自分の眼で確かめるという方法を採った。
それにより現代では「科学の父」と呼ばれている。

ルネサンスのあった16世紀、1500年代というと、日本では室町後期~安土桃山時代にあたる。
時代イメージとしては、あながち、まったく不揃いの別物というわけでもなく、
不思議と世界全体としては同期が取れていたのだと感じなくもない。

内的リズムと外的リズムを同調させること~同期現象(引き込み)について)

シェイクスピアも1564年生まれの16世紀人だったか。

Renaissance Man ("Blister in the Sun" by the Violent Femmes)

Rebirthを意味するRunaissanceと、BeatlesのSgt.Pepper、
旧い自分たちを葬り去って生まれ変わるというコンセプト、
様々な登場人物がコラージュされているところまで、どこかしら似ている。

The Beatles - The Making of Sgt. Pepper 2/5  

 ( ↓ )  この本、実によくまとまっていて面白い。

 

超える人 ~ ルネッサンス人の薦め

芸術とはナニモノなのか

ピカソと天才のほんとうについて

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