きゃおきゃおの庭

近代建築から現代建築までPHOTOたてもの探訪の記録。大切にしているものなど写真で綴ります。

「ますむらひろしの世界」展◇ギャラリー猫町

2008-09-09 | 美術展
石段の脇に、「ギャラリー猫町」のプレートが緑の中に埋もれています。
初めて訪れたのは、2005年の9月。ますむらひろしの「ゴッホ型猫の目時計」の原画展でした。
2年ぶりの猫町は、スリッパが無くなっていました。
入り口で靴を脱ぐと、友人の家に来たような懐かしい気持ちに包まれます。




1階には、2009年カレンダーの原画が展示。
カラフルな色彩の背景の中に、無邪気に遊ぶヒデヨシの姿。
画文集 「イーハートヴ波」から選ばれた作品が多いかな。



浴衣地や手ぬぐいなどの販売コーナーがあり、新作のコミック手ぬぐいシリーズの中に、大好きな「トト&ドス」を見つける。もちろん買いました。




「アタゴオル玉手箱 9巻」に収められた作品で、
寒い洞窟の中で、不思議な卵を2個発見し、中からヒトデ型の生物が2つ生まれ、物語が始まります。

子供のように慈しみ、時には対等に遊んだ(遊ばれた)トトとドスとのお別れのシーン。涙が出ます。

このお話の中で、一番好きなところは… (手ぬぐいの中にはありません)

お月様が追いかけてくるよ。
ホラ さっきからずーっと追いかけてくるよ。
安心しろ。お月様なんかオレがぶちのめしてやるぜい。
わーい わーい。

ああ、おれも ずーっと小さい頃
そんな気持ちになったことがあるぜ。  今もだけど。


私も、ますむらさんと同じ米沢に生まれ、育ちました。

子供の頃、母に手をひかれて 松原の道を歩いた夜のこと。

雪の積もった原野に 頭上高くにある月が
すきとおった光を放っていました。
どこまでも 月はついてくるのです。
きーんと冷え切った空気を やさしく照らしていました。
とぼとぼと歩く私たちを見守るように どこまでもついてくるのです。
とても不思議な 特別な光景に思えました。

冬の記憶。
窓ガラスに霜の花が咲く。アラベスク模様の白い花。それを指でなぞると、ひんやりとした、かたく鎖された 何かが伝わってくる。
雪が降るのをじっと見上げていると、いつしか自分が天に昇っていくような
灰色の雪空に 吸い込まれていき、天使になって 空を羽ばたいているような。
不思議な気持ちになってくる。
ヒデヨシが空を飛ぶのをみて、ああ、私も子供の頃 雪空を飛んだっけなー。と思ったり。

ヒデヨシは 忘れ去った 
懐かしい 遠い日々を「思い出」というお酒の中に溶かしてくれます。


2階では、初期の作品 アタゴオル絵本 「青猫島コスモス紀」の中から選んだ原画のプリントと、造形作家HISOKAさんの作品を展示。
ますむらの原点ともいえる、濃いエッセンスが閉じ込められている作品。
精巧に仕上がっているけれど、でもやはり、オリジナルが見たいなと思う。
5枚組みのポスターセットを売っていたので、購入。
HISOKAさんの作品は、アタゴオルの森をかたどったもので、伸びたツルの先にヒデヨシの家がぶらさがった楽しい世界。

  購入したポスター

2時からこの会場でサイン会が行われました。アタゴオルの浴衣を着たますむら氏、暑そう~!
ポスター5枚に、1枚づづサインしてもらいました。
ついでに、持参した本にも。
幸せな一日でした。

  

あと、購入したカレンダーの、自分の誕生日にサインをいただきました。

おしょうしな~!

米沢弁で、一番好きな言葉。(ありがとうの意)

◇「ますむらひろしの世界」展
ギャラリー猫町
東京都台東区谷中 2-6-24
2008.9.4~9.21(8,9,10,16,17休)

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