ふるさと納税の景品で山形県尾花沢産の小玉西瓜を4つ頂いた。まだひとつしか切っていないが、妻の話によるといままでにない固い西瓜で切るのがたいへんだったという。味はすごい。西瓜というものは本当はこういう味だったのかと感心した。甘いとかどうとかいう話ではないのである。私の貧弱な語彙活用能力ではとうてい表現のしようのない深い味である。
これは今年の我が家のふるさと納税第一弾だ。過去には昨年に兵庫県丹波産の黒豆を頂いただけで、これまで積極的に検討したことはなかった。ジジイとババアのふたり暮らしなので、食べ物は保存ができるものでないと食べきれないし、食べ物以外ではこれといったものを見聞きしないという事情もある。また、日頃生活している土地に税金を納めるのは当然なので、その分を削って他所に回すという考えもなかった。しかし、今年はある程度積極的に考えようと思うようになった。
きっかけは舛添さんだ。徴税する側が、集めた税金を惜しげもなく懐にする実態があることが彼のおかげで明らかになった。おそらく彼が始めたことではあるまい。以前からそういう慣習があったから、それに乗ったというだけのことだろう。自分で金銭出納帳を記録しているのでよくわかるのだが、家計の出費で一二を争うのは食費と税金だ。我が家は所得が低いので、エンゲル係数が高い。都知事ほどの報酬を得る人は、美術品の購入といったもののほうが家計に占める割合は高いのだろうが、日々自転車操業のような私のところは税金の絶対額は高額納税者の人々から見れば目くそ鼻くそのようなものでも負担の実感は非常に重い。しかし、舛添さんのおかげで、重いという気持ちが軽くなった。他所に回せるものは他所に回して東京都に納めた税金を減らすことに何のためらいもなくなった。おかげで、こうして今まで味わったことのない美味しいものをいただくことができる。ありがたいことである。