ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

黒と緑....さぁ~どちらが......?

2013年04月26日 | ジャズ全般
DEL MORAL/AL-711/HAL HAIG/AL HAIG TODAY!

AL HAIGの最高傑作にして人気盤だが長い間超入手難であったオリジナルを入手できた人は非常な幸運に恵まれた一部の人だけだったというアルバムでもある。最近になって以前よりは入手難がやや緩やかになった。とはいえ簡単にどこにでもあるというありふれたアルバムではなく今でも探している人も多いと思う。僕もたまたま入った廃盤店で色々物色していると店主がこれを聴けと薦めてくれた。本当は手放したくないんだがとも言う。薦められる未所有のアルバムは購入する事が多い。最近になって試聴させてもらう事もあるが試聴もせず真っすぐに帰宅してターンテーブルに載せるまでが楽しい一時でもある。このアルバムを最初に聴いた印象はAL HAIGに対する印象ががらりと変わってしまった。それ以降ピアノトリオのアルバムとしてはDUKE JORDANのSIGNAL盤と並んで僕のお気に入りの1枚となった。AL HAIGの良さと個性が満載された60年代で1枚だけのアルバムだがこれ以降彼の活動は以後9年間にわたって休止する。70年初頭に再び活動を始めた彼の演奏を聴いて日本のあるピアニスト(名前忘れた)がもうピアニストを廃業しようかと考えたという話も聞いた。演奏内容も録音も良く再生音も素晴らしいアルバムの1枚です。このアルバムのピアノの打鍵音を聴けばちょっとぐらつきますよ。

話は変わってこの記事ではアルバム紹介よりもレーベルに2種類あってそれにまつわる話とどちらが先かつまりどちらがオリジナルかという事について多少の情報もありましたので紹介したいと思います。

上の写真)グリーンミントと呼ばれる方のジャケット。色調が少し赤味がかっています

上の写真) グリーンミントと呼ばれるレーベル。緑地にグリーン文字だから見にくい。この盤は黒よりも重量が重くグルーブガードがとても低くフラットか?と思えるエッジです。


上の写真) ブラックミントと呼ばれる方のジャケット。色調が少しグリーンがかっています。

上の写真) ブラックミントと呼ばれるレーベル。レコード番号無し。緑地に黒文字で見やすい。この盤は少し軽いのでその分柔らかい感じがする。しっかりとしたグルーブガードがあります。

さてここから本題ですが、どちらが先出のオリジナルなんでしょうか?という疑問を持ってしまったものですから出来るならば解答を誰かにいただきたいと各方面に尋ねてみたりネットで検索して調べてみました。まず廃盤オリジナル専門店主に尋ねてみました。行きつけの新宿や渋谷の店主殿は揃ってブラックがオリジナルと考えているようです。関西の冗談伯爵(残念にも店は閉めましたが)元店主はグリーンがオリジナルと分かれてしまいました。ネットで調べるとモア氏<http://more.main.jp/mezurasi16.html>のちょっとめずらしいジャズ・レコード盤VOL.16にモア氏の考え方が載せられていますが、モア氏はグリーンがオリジナルと考えていらっしゃいます。色々と見聞きする内にますます興味が湧いてきて更に尋ねてみました。旧ヴィンテージマイン店主の池田氏はブルーノートのレジスター・マークが登録されたのは後年だからR付の1500番台~は理屈に合わずオリジナルではなく再発盤だと最初に言い出した人と聞いています。これはもう池田氏にもご意見をという事で尋ねた結果は、『当初からGREENミントロゴが先ではないかと考えています。この考えは黒ミントロゴが出始めた90年代初めから考えは変わりません。黒ロゴをAL HAIGの奥さんより譲り受けたのはF.COHEN氏だったと思いますが、その時にAL HAIGの奥さんは黒が先と言っていたので、黒がオリジナルだとCOHEN氏は言っていたと記憶しています。しかしAL HAIGの奥さんがラベルの事まで記憶しているとはにわかには信じ難いので、どちらにしても信憑性は薄いと思います。COHEN氏が譲り受けた黒ロゴは大半オークション等で日本に来たので、日本国内には黒ロゴが多くあると思いますが絶対数は黒の方が少ないと思います。一般的に追加プレスの方がプレス枚数はオリジナルより少ないのでこの事からも、GREENが先ではないかと思います。私が推測するにロゴがGREENラベルの中のGREENなので黒にすることにより目立たせる為だったのではという他愛もない理由によるものではないかと、、。いずれにしても、このレコードに限った事ではありませんが発売当初はラベルのデザインの詳細は殆どだれも無頓着だったと思うので、今となっては推測するしかないので、どのケースも絶対はあり得ないと思っています。ですので、黒が先と言っている方達を頑強に否定するつもりもありません』

最後の一言が素晴らしいですね。黒が先と言っている方達を頑強に否定するつもりもありません。この一言は僕自身にもぐらりときました。最初は黒緑つけようと意気込んでいたのですが、どちらでもいいではないかという気持ちにもなりましたが、僕自身はグリーンが先でオリジナルと考えています。ですが再生音はどちらも甲乙つけ難い音です。後から聴く方が音が良いと感じる事は差がないということでしょうか。さぁ~てブラックかグリーンか想いを巡らせながら是非聴いてください。

追記;書き忘れたのですがDIW(ディスク・ユニオン)さんもオリジナルはブラック派です。DIW再発盤がブラックで出されたところからそのように思います。

ここ一週間のつぶやき

2011年11月13日 | ジャズ全般
JAZZballadsの名前でtwitterで独り言をつぶやいています。今週はこんなでした。

そういうお話を聞くと嬉しいですね。ステレオ盤本物オリジはますます希少みたいです。RT@megurojazz Pepper Meetsのお話をしたら、あの録音は3つのマイクで録音、モノ盤はそれをミックスしたとのことでした。で、ステレオのほうが断然よいですよと…(21時間前 webから)

天気が良い休みの土曜日なのでデュークエリントンのポピュラーを少し大きめの音量で聴きながら窓を開け放して部屋の掃除と各部の拭き掃除してルンルンランラン作業なうじゃw(11月12日 webから)

カンバック?したソニーロリンズの橋。なかなか聴かせてくれます。ジムホールのギターも上出来。細やかなロリンズもいいもんです。ビクター犬レーベルも好き、しかも超廉価で今でも入手可。RCAがラジオ・コーポレーション・アメリカとはつい数年前まで知らなかった僕(恥)ww(11月11日 webから)

これぞ正しく老害ですなぁ~w RT@westjazzman 社長になったら責任取らなくてはならない。口出しだけしたいご老人w(11月11日 webから)

巨人の内紛を見ると日本プロ野球業界は体質が古いんだな、やっぱり。年配の方は黙ってそこに座っているだけで良しと思うのだが。口出ししたけりゃ社長に返り咲きしてからだな。(11月11日 webから)

スイス本国に完全オーバーホールに出していたIWCの腕時計が予定の8ヶ月より早く5ヶ月で出来上がった。これでもう30年か40年は大丈夫かな?少なくとも僕の寿命よりは長く働いてくれるだろうって。(11月10日 webから)

帰国してこれから風呂へ入ります。ゆっくり入ろう。今回かなり密に仕事をしたつもりがよく考えると10日前ぐらいの状態に押し戻しただけだったかも。やれやれ。(11月9日 webから)

先月26日に帰国したばかりなのに、またぞろ急な出張となり今日AIRを手配して明日出発となった。急に日程を決めるとAIR代が高いんだよなぁ~。まぁAIR代金は僕個人が負担するわけじゃないけど違い過ぎる金額は愉快じゃないです。(11月4日 webから)

BARDOT眺めながらGEORGES ARVANITASを聴く

2011年03月05日 | ジャズ全般
仏BARCLAY/ /GEORGE ARVANITAS QUINTET/ LA BRIDE SUR LE COU/7inch/1961年

今晩のレコードのジャケットはB.Bですよぉ~。B.Bと聞いてトヨタのbBを連想する人の為にあえてしつこく説明させていただくと、B.Bという女性はフランスの女優のブリジット・バルドーの事ですよぉ~。当時はB.B.と言えば彼女、M.Mと言えば再発盤のM&Mではなくマリリン・モンロー、少しB級になるけどC.Cというとクラウディア・カルディナーレという女優がいたのです(一人懐かしがっております)。B.Bの事を少し書くと彼女は1934年生まれ、本レコードは1961年発売ですから26歳か27歳の頃という事になります。当時の男性の羨望の的となったロジェ・ヴァディム監督と18歳の時に結婚して5年程後に離婚したのですが、18歳から20歳台までが彼女の人気の絶頂期だったように思います。元亭主である監督で撮った映画のサウンド・トラックが本EP盤です。ジャケットはB.Bがティーンの頃にELLEのモデルをしていたのが納得の体躯とポーズであります。ちなみにモデルから女優の転身を薦めたのがロジェ・ヴァディムですから、さすがフランスの花花公子は仕込みが早いです(注:花花公子=プレイボーイ)。現在もB.Bは動物愛護活動で活躍中ですが老いた彼女の写真はご覧にならないほうがよろしいかと思います。若くして逝ったM.Mは老いを晒さずにすんだという意味ではモンロー本人も得心している事でしょう。
本アルバムは探して入手した一枚ではなく、GEORGES ARVANITASを検索していて見つけたもので、映画“LA BRIDE SUR LE COU” (邦題;何がなんでも首ったけ)のサウンド・トラックという事だったので入手を少しためらったのですが、価格も数千円だったしジャケットも気に入ったので収録内容が期待外れでもいいやと思って購入したものです。GEORGES ARVANITASの事はよくご存知の方が多いと思いますので僕は遠慮させていただいきます。彼のアルバムでは有名で人気盤でもあり且つレア盤として名を馳せている仏COLUMBIA盤のSOUL JAZZやPRETORIA盤の3amやCOCKTAIL FOR THREEが頭に浮かびますが, どれも入手には手こずるアルバムです。1958年から1960年にかけてのアルバムが一番充実していたのだろうと思いますが、本レコードにはその頃の演奏で収録されているはずなので期待はできるはず、だけど映画音楽だからなぁ~という思いもありました。この映画自体は自分は観てないようにと思います。
B.Bのジャケットを眺めながらGEORGES ARVANITASを聴くとこれが何とも渋くてかっこエエです。LA BRIDE SUR LE COUはSLOWと副表記されているので多分映画内で演奏されたものよりゆったりと演奏されているのではと思うのですがミュートされたトランペットも味があってエエです。BRIGITTE STRIP BLUESはこれまたかっこいいブルースで聴けます。盤面を変えて聴くと、こちらはLES AYMARA(知りません)のラテンの演奏が入っていますがサウンド・トラックという印象が強い内容に思えます。このEP盤は僕にとってはジャケ写真とGEORGES ARVANITASの演奏分だけで充分満足できた一枚でした。なお所有のEPがオリジナルかどうかは知りません。再発盤かもと思っています。

収録曲/ A面/1, LA B.B. BAMBA /2, AL BONDY CHA CHA / B面/1, LA BRIDE SUR LE COU / 2, BRIGITTE STRIP BLUES



おフランス盤ざんす、ジャケが素晴らしいでがんす!

2010年05月26日 | ジャズ全般
仏RCA VICTOR/430 226/COUNT BASIE/BASIE'S BASEMENT/

今晩はフランスの別ジャケアルバムを紹介します。っとは言ってももうご存知の方が多くいとは思いますが、最近は僕も若干手詰まり気味なので、こういうアルバムも記事にさせてください。このアルバムを最初に見たのは、LP Cover Lover(http://lpcoverlover.com/)というHPでそこにはジャズのみならずジャンルと問わず変わり型のアルバムやレア物と言われるアルバム、セクシー系のアルバムまでが紹介されています。もの凄い枚数がありますので、全部見るのは丸一日かかると腹をくくってご覧ください(笑)。このHPでは検索を使って探すと早く探し出せます。HPの管理者が所有しているアルバムばかりというわけではなく、メール等で届いたアルバムのジャケット写真も載せられているようです。ここで今日のアルバムBASIE'S BASEMENTとTHELONIOUS MONK TRIOを見たのが何年前かは忘れましたがそれが最初です。THELONIOUS MONK TRIOは、LP COVER LOVERで見たのが最初で、二度目はTEMPOさんのHPの方で粋な使われ方をしていたのを拝見しました。
以上はフランス盤ですが、↓本家アメリカのRCA盤はANDY WARHOLのイラストでこちらも人気があって店頭にあると足が速い一枚です。
↑は米RCA/LPM-1112/COUNT BASIE/ どちらのジャケットにも僕は魅力を感じます。米盤のANDY WARHOLのイラストは元々は仏盤のジャケットに使用されているベイシーの写真を参考にイラストを作製したとLP COVER LOVERでは説明されていますが、それが事実と思えます。本アルバムのベイシー・バンドの演奏はやや時代を感じさせる印象があってもう少しモダンなベイシーの方が僕は好きですが、録音年が1947年~1950年という事で、これも当時のベイシーの演奏を楽しむという事で聴いています。



仏BARCLAY/xBARCx 39 041//THELONIOUS MONK TRIO/ 僕は米PRESTIGE盤は所有していませんが、こちらは内容は米PRESTIGE/PRLP7027のフランス盤です。正直白状すると僕はモンクのピアノは以前は聴いても上手く消化できませんでした。最近になってすこしづつ聴けるようになってきたというモンク初心者です。彼のトリオのアルバムは少ないので知られていますが、本アルバムはその一枚でジャケットのモンクの顔写真のなんとインパクトのある事でしょう。“何か文句あんの?俺はやりたいように演奏してるだけさ”って感じです。彼のオリジナルが詰まった本アルバムですがBLUE MONKは僕にも吸引力を感じさせてくれます。但し嫁さんや娘はさっぱり良さが理解できないとおっしゃいます。モンクのピアノ演奏は、まるで聴衆の受けとかは気にもかけず媚びる事もせず我が演奏に集中するといったスタイルが感じられて、そこに潔さを感じます。

購入したBLUE NOTEの3枚, THAD JONES

2010年05月04日 | ジャズ全般
BLUE NOTE /BPL1527/THAD JONES/THE MAGNIFICENT/

昨年の夏ぐらいからトランペットが主役のアルバムを物色しては廃盤専門店やネットで購入しています。本アルバムについては僕より詳しい方の方が多いと思われますし、いまさら内容についてコメントするのも今さらという気がするので、今日は僕の手持ちの新旧のレーベルについて写真をアップしました。
↑のレーベル写真、鳩で有名なTHAD JONESのレーベル写真、LEXINGTON AVE NYCで深溝有。
↑のレーベル写真、BLP1513/DETROIT-NEW YORK JUNCTION。同じくLEXINGTON AVE NYCで深溝有。
↑のレーベル写真、BLP1546/THE MAGNIFICENT THAD JONES Vol.3 こちらは47W 63Rd NEW YORKで深溝有。

以上の3枚ですが本当のオリジナルは冒頭の1枚だけで残りの2枚は再発盤です。DETROITE-NEW YORK JUNCTIONとVOL.3は深溝まで模してつくられた米CLASSIC RECORDS社のアルバムです。ヤフオクなどでアドレスと深溝だけをセールスポイントにした売物があるとオリジナルと錯覚して購入してしまう人もいるかも知れませんね (いるわけないか、笑)。CLASSIC RECORDS盤は重さがそれぞれ200gあります。オリジナルよりかなり重いです。現物を見ればすぐ再発盤と判断できるとおもいます。RVGの刻印はなくかわりにBGの刻印があります。聴き比べてないのでオリジナルとの音質の違いは分かりませんが、CLASSIC RECORDS盤もマスターテープから音源をとっているので多少の音質の劣化はあると思いますが、ひどく再生音が劣るという事もないような気がしていますが、聴き比べられた方の感想は如何でしょうか?

思いがけず 二人の女性シンガーが聴ける!

2009年03月02日 | ジャズ全般
CALLIOPE/CAL3001/SESSIONS,LIVE/OSCAR PETERSON GERALD WIGGINS/

この素っ気無いジャケットのアルバムですが、裏面のライナーを読むと JANE FIELDINGが2曲、TERRY MORELが2曲歌っています。JANE FEILDINGといえばJAZZ WEST盤でKENNY DREW QUINTETをバックに歌ったEMBERS GLOWと、同じくJAZZ WEST盤でLOU LEVYやRED MITCHELをバックに歌ったINTRODUCINGの2枚のアルバムでよく知られているシンガーです。またTERRY MORELといえばBETHLEHEM盤でRALPH SHARONやHERBIE MANNをバックに歌ったSONGS OF A WOMAN IN LOVEが知られていますが、本アルバムではそれらとバックのメンバーが変わって、ジャケットをご覧になればお分りのようにオスカー・ピ-ターソンのバックでJANE FEILDINGが、GERALD WIGGINSのバックでTERRY MORELが歌っています。どちらもライブからの収録で一発録音されているわけですが、ライブの緊張感もありながら程よいリラックスの具合が感じられて出来の良い収録となっています。録音はいずれも1957年ですが僕の所有盤は1976年発売のものですのでオリジナルとは言えないのだろうと思いますが、このアルバム自体の詳しい事は不勉強です。
A面の5曲がピーターソン・トリオの演奏と2曲のジェーンのボーカル。ピーターソン・トリオはレイ・ブラウン、ハーブ・エリスというお馴染のメンバーで彼等のインスト演奏ならA-1のCALICOが特にお気に入りです。ジェーンのボーカル2曲は, IF I WERE THE ONLY IN THE WORLD AND YOU WRE THE ONLY BAYと SOMETHING I DREAMED LAST NIGHTで聴けるわけですが、どちらもスロー・テンポで恋する乙女のボーカルと表現されるに相応しい出来と思います。
 B面はテリーがGERALD WIGGINSバックにこちらも2曲を歌っているわけです。GERALD WIGGINSはリナ・ホーンやケイ・スターの歌伴もしたという事ですが, あまり詳しくは知りません。B-1のIN MY MERRY OLDMOBILEの演奏を聴くと歯切れのよいドライブ感のある演奏を聴かせてくれるピアノ・プレイヤーです。テリーはBUT NOT FOR MEとWHAT IS THERE TO SAYの2曲を歌っているのですが、これまた乾いたヴォイスで歌われる2曲はどちらも秀逸の出来栄えでわずか2曲ですが充分に価値ある収録です。

収録曲/A面/1, CALICO/2, TIME AFTER TIME/3, IF I WERE THE ONLY IN THE WORLD AND YOU WRE THE ONLY BAY/4, SOMETHING I DREAMED LAST NIGHT/5, SEVEN COME ELEVEN/ B面/1, IN MY MERRY OLDMOBILE/2, HOW LONG HAS THIS BENN GOING ON/3, BUT NOT FOR ME/4, WHAT IS THERE TO SAY/5, A FIFTH OF FRANK/

柔らかさが素晴らしいSTAN GETZ

2009年01月02日 | ジャズ全般
ROOST/LP423/STAN GETZ/SPLIT KICK/10inch

ご訪問いただいた皆さん、新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

元旦の昨日は僕の地方でも霙模様の寒いお天気でした。家にいる日は一日2回、足が弱った父が歩行補助器を使用して自宅裏の駐車場で散歩する介護をしているのですが、昨日は一回にとどめました。年老いた父と共にイチニと声を出しながと歩くのですが、どういう訳か昨日は父が戦時中に満州へ行った時には最初から生きては帰れぬと覚悟していたとか、寒さで瞼が凍りつきそうになるんだとか話をするので戦友の分まで生きにゃおえんぞなどと言いながら歩きました。

今日は元旦に聴いたアルバムの内の一枚です。僕がSTAN GETZを聴くに至ったのは高校生の頃に、ASTRUD GILBERTOのVERVE/THE SHADOW OF YOUR SMILEの輸入盤を少ない小遣いの中で購入して聴いて気に入り、次に買ったのがVERVE/GETZ GILBERTOでその後にCHARLIE BYRDと共演したJAZZ SAMBAでスタン・ゲッツを聴いたわけです。当時の僕にとっては毎月コンスタントにレコードが買うなんてとても無理な事でしたので、今でもこの入手順序はよく覚えています。当時はサンバとかボサノバの第一次ブームだったように思いますが、当時の僕自身はスタン・ゲッツを聴くというよりもボサノバとしてのゲッツを聴いていたようです。最近になって国内盤に飽き足らず入手した10インチ盤の本アルバムを入手できて聴くことができたのですが、ゲッツのサックスの音色はJAZZ SAMBAで演奏した時と同じように柔らかさと優しさに満ちあふれているのです。彼の奏でるサックスの音色の柔らかさは彼独特の持ち味なんでしょう。本アルバムでの、OUT OF NOWHEREはHORACE SILVERが22歳の初録音としても有名です。僕のお気に入りはピアノがDUKE JORDENのFOOL RUSH INやピアノがホレスのIT MIGHT AS WELL AS SPRING、OUT OF NOWHERE あたりでしょうか。ゲッツのクールだけども熱く柔らかい演奏が聴けるアルバムでやはり名盤の一枚だと思います。


暑い日には熱いボサノヴァを

2008年07月14日 | ジャズ全般
RIVERSIDE/RM455/CANNONBALL ADDERLEY/CANNONBALL'S BOSSA NOVA/1962年録音

暑い日が続きます。暑い晩には熱い音楽をというわけで熱いボサノヴァが最適です。皆さんご存知のとおりキャノンボールがブラジルのミュージシャンと共演したアルバムです。このアルバムを一口で言うと熱い彼のボサノヴァが堪能できます。スタン・ゲッツのクールなボサノヴァとは対極になるアルバムでしょうか。また熱いだけでなく、ロマンティックな味わいも盛り込まれていて僕がとても好きなアルバムの一枚です。彼の他のアルバムと少し味わいが違いますがそれがまた魅力ある仕上がりのアルバムでしょう。キャノンボールの吹き上げるサックスにも脳内を掻き乱されますが、DURVAL FERREIRAのギターそれからセルジオ・メンデスのピアノも外せません。他のメンバーも腕が揃ってます。キャノンボール以外はすべてブラジルのメンバーですが、このブラジル人ミュージシャンとの息もあってキャノンボールが実に馴染んでリラックスしているとう雰囲気が伝わってくるような気がします。
冒頭のCLOUDs, キャノンボールがいきなり演奏を始めますがこの出だしから渋いorカッコいいに尽きます。リズミカルで爽快感のあるMINHA SAUDADE、続くCORCOVADOはメロディーの美しい曲で原曲から好きですがキャノンボールが甘く奏でてDURVALのギターがそれを引き立てています。O AMOR EM PAZ、これも美しいメロディーでお気に入りですが、その他の曲も楽しめないような演奏はこのアルバムには有りません。全曲が楽しめ味わえます。このアルバムのジャケットですが、多分今は随分と眺めが変わったであろうリオの写真も素晴らしいです、このジャケットを眺めながら且つ冷えたビールを飲みながら聴けば気分は最高です。後はスッキリとお休みなさいです(笑)

パーソナル:Cannonball Adderley (as ),Durval Ferreira (g), Octavio Bailly, Jr. (b), Paulo Moura (as), Pedro Paulo (tp), Sergio Mendes (p), Dom Um Romao (ds)
収録曲:A面Clouds/ Minha Saudade/ Corcovado/ Batida Diferent/B面/ Joyce's Samba/ Groovy Samba/ O Amor Em Paz(Once I Loved)/ Saambop

これが有るのか、見つかった!(嬉)

2008年06月28日 | ジャズ全般
ARGO/LPS-4012/DODO MARMAROSA/DODO'S BACK/1961年録音

しばらく記事がとだえてしまいました。毎週のように東京出張があってやや疲れ気味です。気分転換に明日の日曜日はキス釣りに行こうと計画していたのですが今晩から明日の午前中は雨が降り続くという予報どおり雨が降り始めましたのでキス釣りは中止です、あぁ~あ、自分が釣ったキスの天麩羅が食べたかったなぁ~という気分です。絶好のストレス解消にもなったと思いますが残念です。

東京では時間を何とかヤリクリしてレコードショップ巡りもしてきました。新宿のデスク・ユニオンへも行ったのですが、最近このお店の価格が以前より安く設定されているような気がします。今一番高いのはヤフオクで激レア盤と言われる品は東京の専門店より高い値がつく事も多いように感じます。このDUで2枚ほど購入、続いて西口のHAL'Sへ今回は店主殿とゆっくりと話ができました。前回僕がEP盤を試聴せずに購入した時に店員さんに“試聴されますか?”と尋ねられたのですが、“いや試聴は結構です。聴くと多分買わないから”と言うと店員さんが大笑いしたことを聞かれて、特に印象に残っているようです。このお店でも数枚その中にSP盤も一枚あったのですが買い求めました。それから渋谷のJAROへ行ったのですが、さすがに財布の資金が枯渇寸前となりこのお店では店主殿には申し訳なかったのですが少し店内を物色しただけで退散して宿泊先へ帰りました。最後の日に時間があったので友人に聞いていた日本で一番高い中古レコード・ショップと言われている横浜のDeeBee'sヘ行こうとして電話をかけたのですが“現在使われておりません”というアナウンスがあるのみ。それで下車先を変更して京急川崎で降りTOPSへ。ここでは珍しく最初から最後までお客は僕一人でした。店主殿とゆっくりと話ができました。聞けばDee Bee'sは約ひと月前に閉店したそうです。店主殿の話では日本で一番高い中古レコード・ショップはDee Bee'sではなくお茶の水の何とかというお店だったらしく(店名忘れました)その店のオーナーみずから“うちが日本で一番高い”とおっしゃっていたそうです。そのお店も閉店したそうですが。日本で一番高いという事は世界で一番高いという事になると納得しました。そんな話をしながら新入荷の箱を見ていると突然出てきたのが冒頭のレコードです。このアルバム、先日も海外オークションで出品されていたのですが高値がつき, 手が届きませんでした。しかし目の前に出てきたレコードは、実に適正価格というかハッキリ言うと廉価と僕には感じられました、しかも美盤。これがステレオではなく、モノラルならもっと良いのですが欲はほどほどにしておかねば、その内に祖母がよく言っていたように罰が当たることになるかも知れません。

冒頭のレコードの話に戻りますが、僕はこのDODOが最初に聴いた時から気に入っていました。彼が麻薬に手を出してブランクがあったとか、そのせいかどうか録音盤も少ないのですが、かなりのレアと言われているDIAL盤10inch以外はこれで揃ったと思います。その中でもこのアルバムは録音も良いし選曲もアレンジも好きなアルバムです。以前は再発盤やCDで聴いていたのですが、やっとオリジナルが聴けるのは嬉しかったです。このアルバムの入手が今回の僕の一番の収穫でした。彼の簡潔にしてアドヴァンシングなピアノ・プレイは凄みさえ感じさせてとても好ましいのです。僕の好きなモノラルではありませんが、本アルバムのステレオは悪くなかったです。中央でDODOのピアノが鳴り、右手でRICHARD EVENSのベースそして左手でMARSHALL THOMPSONのドラムがさほど大きく分離することもなく程良い距離感を保って聴こえてきます。最初のMELLOW MOODから引き込まれますが、どの曲も退屈するような曲はありません。このアルバムを聴くとパソコンのI-TUNESに有るCDからの同アルバムを中国出張中によく聴いていたのを思い出します。

パーソナル:DODO MARMAROSA(p). RICHARD EVANS(b), MARSHALL THOMPSON(ds)

収録曲 A面/ MELLOW MOOD/ COTTAGE FOR SALE/ APRIL PLAYED THE FIDDLE/ EVERYTHING HAPPENS TO ME/ ON GREEN DOLPHIN STREET/ B面/ WHY DO I LOVE YOU I THOUGHT ABOUT YOU/ ME AND MY SHADOW/ TRACY'S BLUES/ YOU CALL IT MADNESS

ストレス解消にはコレ

2008年06月13日 | ジャズ全般
(独)MPS/2120744-7/COUNT BASIE /HIGH VOLTAGE/Stereo

僕が大学2年生の時に、初めて買って聴いたベイシーがこのアルバム。その時は日本コロンビアの盤でしたが下宿へ持ち帰り聴いた時のA面1のCHICAGOに最初から心を鷲掴みにされたような気がしました。それから繰り返し何回下宿で聴いたか分からないぐらい聴いたのですが、下宿ゆえに音量を絞り遠慮気味に聴いていたのですが不満がつもり、休みの日などに両隣の住人がいないと思える時などに音量を上げて聴いた時の爽快さは今でも忘れられず今までのストレスが吹き飛んだような気がしたものです。その時のアルバムは針を倹約した為か傷んでしまい買い直したのが現在も聴いている独MPS盤です。気分が何となく沈んだ時や理由なく憂鬱な時はこのアルバムを引っ張り出して聴く事が多いのです。このアルバムに収録されている曲で満足できないのは1曲もありません。特に気に入っているのは冒頭のCHICAGOですが、GET ME TO THE CHURCH ON THE TIMEも好きですしその他の曲もチコ・オ・ファレルの編曲によってスタンダードをベイシー調にアレンジされ楽しく聴ける快作でしょう。ジョー・ニューマンのミュートの効いたトランペット・ソロも聴けますし、ロック・ジョー・デイビスの鋭いテナーやハロルド・ジョーンズの迫力あるドラム、勿論余人を以て変え難いベイシーのピアノ。イライラしている時などはウーファーが壊れない程度で家人や近所から苦情が来ない範囲でボリュームを目一杯上げて聴きましょう、きっとスカッとするはずです。

パーソナル: Count Basie (p), Freddie Green (gt), George Duvivier (b), Harold Jones (dr), Gene Coe, Waymon Reed, Sonny Cohn, Joe Newman (tp), Grover Mitchel, Buddy Morrow, Frank Hooks (tb), Bill Hughes (btb), Bill Adkins, Jerry Dogion (as), Eric Dixon (ts,fl), Eddie "Lockjaw" Davis (ts), Cecil Payne (bs)
収録曲 A面 Chicago/ Have You Met Miss Jones ?/ The Lady Is A Tramp/ I'm Getting Sentimental Over You/ Bewitched/ Day In Day Out /B面 Get Me To The Church/ When Sunny Gets Blue/ On The Sunny Side Of Street/ Together/ If I Were A Bell/ I Didn't Know What Time It Was


RALPH SHARON

2008年04月22日 | ジャズ全般
COLUMBIA/CS 9213/the RALPH SHARON trio/THE TONNY BENNETT SONG BOOK/stereo/(MonoはCL2413)

このラルフ・シャロンというピアニストはジャズボーカル本には必ずその名前が出てくる人で、それだけシンガーの伴奏を多く務めたとも言え, 女性シンガーとの競演盤としては奥さんとのBETHEHEM/SUE & RALPH SHARON/Mr &Mrs JAZZやクリス・コナーの伴奏も務めたピアニストですが、何よりトニーベネットの伴奏を長くしていた事で有名です。トニー・ベネットはこのイギリス出身のラルフと1954年から最近まで一緒に仕事をしていたそうですからその気に入り度が推し量れるというものです。ラルフは伴奏とアレンジもしていたわけですが、本アルバムは言うなればトニー・ベネット抜きのトニーベネットの歌集というべき内容で、どこかのクラブラウンジで寛ろぎながらサラっと聴ける内容ですが、そこにトニー・ベネットが傍らで休んでいそうな雰囲気もあり、またラルフのピアノも軽く歯切れが良くて聴きやすいので、こういうアルバムが疲れた時などに聴くには持ってこいです。このアルバムではJUST IN TIMEと勿論 IN SAN FRANCISCOが特にお気に入りですがアルバム全曲ともにスムーズに聴き通せます。私事ですが今月は弔事が5つもあり, 自分もそういう年回りになったのかと思うのですが、今晩はこのピアノ・アルバムを聴きながらゆっくりしようと思っています。

パーソナル:RALPH SHARON(p), HAL GAYLOR(b), BILLY EXINER(ds)
収録曲/ A面/JUST IN TIME/ I WANNA BE AROUND/ WHO CAN I TURN TO/ ONE FOR MY BABY/ THE KID'S A DREAMER/ BLUES FOR A RAINY DAY/ B面/ THE GOOD LIFE/ YOU CAME A LONG WAY/ FROM ST. LOUIS/ BORN TO BE BLUE/ (I Left My Heart) IN SANFRANCISCO/ STRANGER IN TOWN/ BLUES FOR MR.T./

DIZZY GILLESPIE

2008年04月14日 | ジャズ全般
VERVE/MGV-8242/DIZZY GILLESPIE/AT NEWPORT/

CLEFシリーズの、このAT NEW PORTはやはりいつものようにジャケ買いみたいなもんだった。GURT GOLDBLATTによるジャケ写真、ガレスピーが東南アジア風の傘帽をかぶっているのも面白いとも思った。カメラで誰の写真を撮っているのだろう。この写真のガレスピーなんとも愛嬌があって可愛らしくも感じる、口にくわえたパイプが何とも洒落ている。ニューポートと言えばボストンから南西へ向かったところにある文字通り港町で収入が比較的豊かな人々が多く住むといわれているが僕は行ったことがない。ボストンからレンタカーを借りて北の端っこにあるメイン州まで行ったのにニューポートは時間もなくその意識もなく行かなかった事が残念だ。このアルバムはガレスピーのアルバムの中でも気に入って聴いている一枚で、なんといってもジャズ・フェスティバルの雰囲気がよく味わえる。聴衆もノリノリだがガレスピーもちょっと興奮しているんじゃないかと思えるようなノリの良さで曲間にもよくしゃべっている。A-2のSCHOOL DAYSでは彼がヴォーカルまで披露している、それもちょっと歌うというのではなく楽器をおいてVOCAL専門で歌っているのだ、これには最初ちょっと面食らったが気分がいい時は歌うのもいいじゃないかと思う。ここでは出だしから大声で騒ぎながら歌い出すワイルドさがとても好きだ。WYNTON KELLYのピアノも乗っている。 A-3のDOODLIN'のちょっとユーモラスな演奏も気に入っている。このアルバムのメンバーもLEE MORGAN, BENNY GOLSONというガレスピーから見れば若手をまとめてのコンボ演奏で, そのBENNY GOLSONのソロもB-2のMONTECAで聴ける、この曲の演奏もお祭りを盛り上げるには最適、踊っている人がいるのが目に浮かぶようだ。少し大きな編成のコンボでバァーンと張り出してくる演奏も迫力満点だ。B-3のCOOL BREEZEでこのアルバムは終わるが曲の最後にガレスピーが“WELL~BYE”と大声でさよならすると聴衆のあちこちから惜しむ声が上がってTHE ENDとなる, キッパリとした終わり方が彼らしい。ライブだが録音がとても良い。ご近所に迷惑をかけない範囲でいつもより音量を上げて1957年のお祭りを楽しみたいと思う。

収録曲/ DIZZY'S BLUES/ SCHOOL DAYS/ DOODLIN'/ MANTECA/ I REMEMBER CLIFORD/ COOL BREEZE/

JACKIE and ROY

2008年03月25日 | ジャズ全般
STORYVILLE/LP322/JACKIE and ROY/JACKIE and ROY/10inch

おしどりジャッキー27歳とロイ34歳のデビュー・リーダーアルバム。このアルバム以前にはCharlie Ventura楽団で活動していて同アルバムでも彼等のスキャットが聴けます。彼等のおしどり振りは2002年にクラールが亡くなるまで活動していたというのですから本物の筋金入りおしどり夫婦でしょう。このアルバムでは彼等のボーカルやスキャットが8曲が聴けますが、共演者のドラムのジョー・モレロとベースのビル・クロウは当時のマリアン・マックパートランド・トリオのメンバーですが、ジャッキーとロイに特に請われてバックを務めることになったようです。本アルバムの中で僕が特に気に入っている曲は, 彼等が少し引いているのですがロイ作曲であるA-4のHOOK,LINE AND SNAREでここではモレロのブラッシングで始まり長いソロも披露しています、それに遠慮しながらスキャットがついていくという主役が入れ替わった形の内容ですが, ジョー・モレロの聴き応えのあるドラム・ワークが好きですねぇ, ロイのピアノソロもいいですしBARRY GALBRAITHのギターソロもあるしで存分に楽しめます。本アルバムの彼等のボーカルでのお気に入りはB-2のI DIDN'T KNOW WHAT TIME IT WASでジャッキーの透明感有るボーカルが楽しめますし B-4のTHOU SWELLでは息のあった都会的な二人のボーカルが聴けます。本アルバムは好きな世界で最後まで歌いとおした粋な二人のアルバムでバート・ゴールドブラットによるジャケット・デザインも目を引く秀逸なデザインで評判が良かったとみえ, その後の彼等のアルバムは類似のデザインが多いように思います。

パーソナル:JACKIE CAIN(vo), ROY KRAL(vo. p), JOE MORELLO(ds), BILL CROW(b), BARRY GALBRAITH(g)

収録曲:A面 MOUNTAIN GREENERY/ YESTERDAYS/ SEASON IN THE SUN/ HOOK,LINE AND SNARE/ B面 CHEERFUL LITTLE EARFUL/ I DON'T KNOW WAHT TIME IS IT/ SLOWLY/ THOU SWELL

CHET BAKER

2008年03月22日 | ジャズ全般
PACIFIC JAZZ/PJLP-11/CHET BAKER/CHET BAKER SINGS/10inch

僕が初めてチェット・ベイカーを聴いたのは大学の一年生の時で, ジャズを意識して聴き始めてまだ一年にもなっていない頃だった。当時下宿から歩いて15分のところにある東横線の駅から渋谷に出て行って買ったのは記憶しているが店の名前は全く思い出せない。レコードは一般的にはまだ大変高価だったので、それらの中で特に安いPhonogram Jazzコレクション・シリーズの1100円(発売当初は1000円だったが後で売値が上った)は大変有難かった。いつもレコード・ショップへ行くとそのシリーズのコーナーに一番に取りついたものだ。下に写真を掲載したのが、渋谷で買ったフォンタナ(LIMELIGHT原盤)のBABY BREEZE/CHET BAKERで僕が初めて聴いた彼のアルバムだ。この中でチェットのボーカルが5曲聴けるが、僕にとっては初めて聴く中性的な声質に最初は正直とまどった。こういうボーカルも有りかという程度であまり心が動かなかった覚えがある。その後しばらくは聴く事がなかったアルバムだが、それから半年後ぐらいにあることで気持ちが滅入っていた晩に安いウイスキーを薄い水割りにしてなめる程度に飲みながら何気なくチェットのアルバムをターン・テーブルに載せて再び聴いた。最初のボーカル曲である“ボーン・トウ・ビー・ブルー”を聴いた時になんて物悲しくて暗くて陰気で黒いボーカルと思ったのだが、しばらく聴いていると気が滅入っているのは僕だけじゃなく彼も相当滅入っているんだろうなという同調的感覚になってきた。その時から不思議に彼が当時の僕の気持ちを理解してくれている友人のような存在になったのだ。その晩以来しばらくは、このアルバム内のケニー・バレルのギター伴奏で歌うYOU'RE MINE, YOUには特にはまって何回聴いたか分からないぐらい聴いた。今でもシュリンク・カバーがかかったままのアルバムだが, 盤も全く傷みなく極上の状態で聴けるのがちょっと自慢したくなるぐらいだ。

それから30年以上あとになって自由に使えるこづかいに多少は余裕が出てきた頃に冒頭の10inchを入手して聴く事ができた。チェットのボーカルは僕が学生だった頃よりももっと心に沁みてくるようにさえ感じる。この10inch盤ではどの曲も彼の持ち味が充分にでているが、僕はその中でも特に I Fall In Love Too Easily を聴くと4畳半の下宿にいるような気になる。チェット・ベイカー彼ほどもの悲しく男の心が歌えるボーカリストはいないと思う。聴く時はいつもよりボリュームを少しおとして聴くとさらに良い。10inch盤よりもフォノグラム盤の話ばかりになってしまった。

FRANK SINATRA

2008年02月07日 | ジャズ全般
REPRISE/FS1012/FRANK SINATRA/IT MIGHT AS WELL BE SWING/Stereo

シナトラのアルバムはCAPITOLに傑作が多く在ると思いますが、REPRISEにも傑作はあると思います、本アルバムもその一つではないでしょうか。REPRISEの1000番台はシナトラの為の番号みたいなものでしょうが、それも当然でしょう。本アルバムはCOUNT BASIE楽団との顔合わせ、さらにQUINCY JONESのアレンジ指揮による豪華さですから、これで並の出来であるはずがありません。シナトラのスウィング感抜群の歌はもちろんですがハリー・エディソンのトランペット・ソロなどベイシー楽団の好演も聴き物です。このアルバムは先日、久保田さんやsimoneさんと淑女の三人にご案内いただいた名古屋の仁坊でターンテーブルに載せられたアルバムで久しぶりに僕も聴きました。今日再び聴いていますがアルバム最初のA-1のFLY ME TO THE MOONの華麗なこと、聴いているだけで気分は浮き浮きしてきます。シナトラの曲は今までもCMなどで使われたと思いますしMLBのヤンキース・スタジアムでは試合終了時にはNEW YORK,NEW YORKが使われています。このFLY ME TO THE MOONもクリント・イーストウッド監督主演映画“スペース・カウボーイ”の最後で使われました。トミー・リー・ジョーンズ扮する退役宇宙飛行士が自分を犠牲にして原爆と共に月方向へ向かっていく結末なのですが、確か大写しになった月とシナトラの同曲が印象的でした。こういう様々な場面で未だにシナトラの歌が使われているのは, いまなお彼の人気が衰えることなく続いているという事でしょうか。本アルバムの豪華絢爛で重厚なビック・バンドの演奏とシナトラの華麗な歌声はジャズやポップの境なく楽しめるアルバムと思います。なお僕の所有アルバムは深溝なしで, セカンドかそれ以降のアルバムだと思います。
この運転免許証は観光客向けのお遊びアイテムですが住所とシナトラのサインが印刷してあり、おもしろいと興味を持ったのがRESTRICTIONがRAT PACK, CLASSがCROONERとなっています。勿論ジョークですがRAT PACKは不良グループとか悪ガキ達そしてCROONERは小声で歌う人という意味合いでしょうか。誕生日は1915年12月12日で免許の有効期日は1998年5月14日つまリシナトラが亡くなった日となっています。特に所属が不良グループというのが気に入り入手しました。今でこそ、ちょいワル親父というような表現もされていますが、シナトラはその昔~昔からちょい悪親父総代表じゃなかったでしょうか(笑)。
追記:スペルが間違えていました。PAT RACK→RAT PACKに訂正しました。

収録曲
A面
1, FLY ME TO THE MOON
2, I WISH YOU LOVE
3, I BELIEVE IN YOU
4, MORE
5, I CAN'T STOP LOVING YOU
B面
1, HELLO DOLLY
2, I WANNA BE AROUND
3, THE BEST IS YET TO COME
4, THE GOOD LIFE
5, WIVES AND LOVERS