ジャズとレコードとオーディオと

音楽を聴く。人によって好みが分かれるでしょうが、このブログでは主に女性ジャズボーカルを紹介させていただきます。

SYLVIA TELLES

2007年04月29日 | 女性ボーカルT
KAPP盤/SYLVIA TELLES/THE FACE I LOVE

今日は会社のゴルフコンペへ参加してきました。天候は上出来で汗ばむほどの快晴でフェアウエーを歩いていると実に心地良かったです。成績はいつもと変わらず月イチゴルファーぶりを発揮してきました。こういう天気の良い日にはボサノヴァ調のものを聴きたくなり、今晩はこのアルバムをビール飲みながら聴いています。このシルビアというシンガーはブラジルの歌姫と言われているようですが30歳過ぎに事故で亡くなったという事です。本アルバムはそんな彼女のアメリカでの第二作でスタンダード曲も選曲してボサノヴァとして歌ったものです。彼女の声質はやや乾いた声ながら可愛らしく, 僕にはかなりあっさりさせてジョニーソマーズを連想させるシンガーです。A-1のIT MIGHT AS WELL BE SPRINGやA-6のBUT NOT FOR ME, B-4のPADON MY ENGLISH(曲の最後にumm?と言うのも可愛いです)あたりが好きです。可愛いく爽快なアルバムです。

収録曲
A面
1, IT MIGHT AS WELL BE SPRING
2, IF YOU WENT AWAY
3, THE FACE I LOVE
4, RAIN
5, IMAGE
6, BUT NOT FOR ME
B面
1, BAUBLES, BANGLES AND BEADS
2, VOCE
3, TETE
4, PARDON MY ENGLISH
5, BALANCO ZONA SUL
6, SURFIN' IN RIO

DARLENE EDWARDS(Jo Stafford)

2007年04月28日 | 女性ボーカルS
CORINTHIAN盤/DARLENE EDWARDS(Jo Stafford?)/THE ORIGINAL PIANO ARTISTRY OF JONATHAN EDWARDS VOCALS BY DARLENE EDWARDS

このアルバムですが入手した経緯というか, 何が聴きたいと思って購入したのかが全く思い出せないアルバムです。ジャケットに魅かれたわけではないし. 今もってよく判らないまま棚にあった一枚です。彼等の名前からもお分かりだと思いますが、この二人は夫婦による共演で彼等にとって初めてのアルバムです。このアルバムを聴いてまずピアノのプレイが独特のタッチである事を感じると思います。聴きながらノートを読んでいるとこのJONATHAN EDWARDSは両手とも右手であると書かれています。両手とも右手とは, それを読むまでは気がつきませんでした。曲のテンポが早いばあいに少しもたついた感じがするプレイヤーだと思った程度です。この隻腕のピアニストを支えるボーカルのDARLENE EDWARDSはアルバム内で4曲を歌っているのですが、彼女の経歴等は一切分かりません。メゾソプラノの声で丁寧に歌っているように思えるのですが、このシンガーは女性ボーカリストのモンクと言われているのではないかしらという程、音程が微妙にずれているのです。これが匠の技でテクニックを凝らして半音程度ずらしているのか、それとも自然に歌ってこうなっているのか僕には判定不能です。こういうボーカルリストも存在するのだと驚かされたアルバムです。ジャケットを良く見ると両手のイラストのように見えますが、二本とも左手が描かれています。ですからジョナサンというプレイヤーは右手に身体的ハンディーがあると思えます。ボーカルのアルバムとして取り上げるに足らないアルバムかも知れませんが二人の息はピタリと合っておりシンパシーしています。
追記:charlieさんからコメントをいただき、僕はこのアルバムのユーモアが理解できていなかったというか知らなかったという事かも知れません。charlieさんのコメントも含めてご覧下さい。

収録曲
A面
1, IT MIGHT AS WELL BE SPRING
2, POOR BUTTERFLY
3, AUTUMN IN NEW YORK **
4, NOLA
5, STAR DUST
6, IT'S A MAGIC**
B面
1, SUNDAY. MONDAY OR ALWAYS
2, JEALOUSY
3, COCKTAILS FOR YOU**
4, DIZZY FINGERS
5, THREE COINS IN THE FOUNTAIN
6, YOU'RE BLASE**

**印がボーカルあり

ROSEMARY CLOONEY

2007年04月27日 | 女性ボーカルC
HARMONY-COLUMBIA盤/ROSEMARY CLOONEY/YOUNG AT HEART/1950

今晩はローズマリー・クルーニーのアルバムを紹介します。彼女は1928年生まれですから, このアルバム収録時は22歳という事でしょう。姉妹でのクルーニー・シスターズに区切りをつけ, ソロ活動を始めて初めてのアルバムだと思います。最近知ったのですが彼女の息子がミゲル・フェラーという俳優でTVのスター・トレックやハーヴェストというスリラー映画等に出演しているというので, やはり芸能一家という事なんでしょう。このアルバムは彼女が1951年にカモンナ・マイ・ハウスでビルボードの一位という大ヒットを出す前のアルバムですが、ジャケットを見てもその初々しさが素晴らしく輝いて見えます。僕はこのクルーニーというシンガーにすごく家庭的な女性をイメージしてしまうのですが、ドリス・ディーが古き良き時代のアメリカ女性代表ならば、このローズマリーは良き敬虔な米国女性クリスチャン代表というイメージです。少し固いイメージがあるわけですね。そういうイメージは実際に会った事はないので勿論想像というか彼女のボーカルから受ける印象が下地になっていると思います。実際彼女のボーカルは曲に忠実でキチンと隅々まで丁寧に歌っているわけで僕は彼女はカトリックに違いないと睨んでいるわけです。そんな彼女のアルバムですが、ジャケットの彼女の初々しさと清潔感はどうでしょうか、こういう風に木陰に寄り添いWE'LL BE TOGETHER AGAINと言われたら誰が拒めましょうか(笑)

収録曲
A面
1, YOUNG AT HEART
2, HELLO. YOUNG LOVER
3, WHY FUGHT THE FEELING
4, BLAME IT ON MY YOUTH
5, WHILE WE'RE YOUNG
B面
1, YOU MAKE ME FEEL SO YOUNG
2, YOUNGER THAN SPRINGTIME
3, LOVE AMONG THE YOUNG
4, THE KEY TO MY HEART
5, WE'LL BE TOGETHER AGAIN

JANE MORGAN

2007年04月26日 | 女性ボーカルM
KAPP盤/JANE MORGAN/THE AMERICAN GIRL FROM PARIS

彼女は1920年ボストン近くのニュートン生まれで, 父親は彼女が幼い頃に他界したそうですが, 最初は母親の薦めでオペラ歌手になるべくレッスンを続けていたようです。高校卒業後にN.Y.のジュリアード音楽院に学びオペラの勉強を継続しながらナイトクラブやパーティーで歌っていたのですが、ある日バンドリーダーのART MOONEYが彼女の歌を聴き彼のバンドへ招いたのがオペラ歌手ではなくポピュラーシンガーとなった始まりです。本国よりもヨーロッパで先に活動しパリのエリーゼ宮やロンドンその他の都市で数年間の活動をした後にアメリカへ戻り、最初にシカゴのパーマーハウスで歌いました。(今から約25年前ぐらいにそのホテルへ僕も泊りましたが、豪華なホテルだったように記憶しています。懐かしいです)その後は全米各地の有名ホテルのクラブで歌いながら, TVショーやNBCで自分のショー番組も持つようになったシンガーで, ジャズ味は薄くポップシンガーでしょうが、その柔らかく包み込むようなボーカルはポップやジャズの範疇に関係なく魅了されるものがあります。彼女の曲ではFASCINATIONが大ヒット曲で, その同名アルバムがKAPP盤で有りこれもロマンチックなアルバムで大好きですが、本アルバムも新鮮な情感に溢れておりお気に入りです。このアルバムを入手するにかなり時間を要しました。探しても見つからない日が続きやっとあったと思うと予想外の価格でむざむざと諦めた事が一度ありました。懇意にしているショップが入手し連絡をくれたものを即買いしたアルバムです。ジャケットも盤もMINTと言える状態で予定していた価格より少し高くつきましたが、このアルバムを聴いているとそれを少しも惜しいとは思いません。経験のある方が多いとは思いますが、苦労して入手したアルバムには余計愛着が涌くものですね。本アルバムのジャケットをご覧下さい。彼女の表情と髪のカールの具合といい肩から少しはずれたストラップの位置といい申し分ないエレガントなジャケットです(自己陶酔, 笑)。彼女が英語と仏語で歌うA-1の IT MIGHT AS WELL BE SPRINGやA-2のI'LL BE SEEING YOU, B-2のIF I LOVED YOUには魂を抜かれるようなロマンチックな解放感に浸れることを約束します(?)

MARTIN GOLDの指揮によるオーケストラ伴奏 with ERNEST BRAGG(p)
収録曲
A面
1, IT MIGHT AS WELL BE SPRING
2, I'LL BE SEEING YOU
3, BETTER LUCK NEXT TIME
4, J'ATTENDRAI(I'LL BE YOURS)
5, IT'S EASY TO REMEMBER
6, THANKS FOR THE MEMORY
B面
1, IF I LOVED YOU
2, WHEN THE WORLD WAS YOUNG
3, A WOMAN NEEDS TO BE TOLD
4, I CAN DREAM CAN'T I
5, INSENSIBLEMENT
6, I DIDN'T KNOW WHAT TIME IT WAS

TONI HARPER

2007年04月25日 | 女性ボーカルH
VERVE盤/TONI HARPER/TONI

彼女のアルバムは今年初めのNIGHT MOOD に続いて二枚目の紹介になります。その時にはまだ今日のアルバムは入手しておらず早く聴きたいものだと願っていたのですが, 先日海外で見つけ購入し届いて間も無いアルバムです。国内で見つからない場合は海外で見つける事が最近はますます多くなっているのですが、送料が一枚につき8ドルとか15ドルとかにつくものですから馬鹿にはならないのですが、探し回る手間を考えると老い先短い人生ですから(笑)早く聴いておかないといつ目が見えず耳が聴こえなくなるかも知れず入手のスピードアップを図っています。聴いた感想ですが、結果から言うと彼女のアルバムの中では一番のお気に入りとなりました。彼女が18歳の時のデビューアルバムだそうですが、その初々しさと甘さに魅かれます。多少は未完成に感じる部分はありますが、この歌声を聴くとそういう不足さは吹き飛ばす力があります。また共演のメンバーも素晴らしくバックの演奏も充分に楽しめるアルバムとなっています。どの曲も幸せに包まれたような気分で聴けます。

パーソナルは, TONI HARPER()vo, OSCAR PETERSON(p), HERB ELLIS(g), RAY BROWN(b), ALVIN STOLLER(ds)
収録曲
A面
1, CAN'T WE BE FRIEND ?
2, I COULD WRITE A BOOK
3, GONE WITH THE WIND
4, SINGIN' IN THE RAIN
5, LOVE FOR SALE
6, JUST A SITTIN' AND A-ROCKIN'
B面
1, A FOGGY DAY
2, YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS
3, BEWITCHED, BOTHERED AND BEWILDERED
4, LITTLE GIRL BLUE
5, YOU TOOK ADVANTAGE OF ME
6, LIKE SOMEONE IN LOVE

ADA MOORE

2007年04月24日 | 女性ボーカルM
DEBUT RECORDS/ADA MOORE/JAZZ WORKSHOP volum three/1954

エイダ・ムーアというシンガーは多芸な人だったらしく歌だけでなく絵を描いたりライターとしての活動もあったりしたようです。本アルバムは10inch盤ですが、COLUMBIA盤で“CAT MEET CHICK”のアルバムもおもしろそうと思うのですが未聴です。彼女の声質は低く迫力のあるもので歌い回しは, ダイナミックに或いは気怠いジャズフィーリングに溢れたボーカルを聴かせてくれます。本アルバムを最初に聴いた時のA-1のMAN I LOVE はフリージャズかと少し驚かされましたが, その他の曲はまま普通にジャジーに, また時にはやや冒険的なアプローチも試みます。B-1のTHE DEVIL IS A WOMANの歌い出しはホンマもんのデビルのような不気味さを感じさせました。芸達者なシンガーですが全体に曲調は声が低いせいもありやや暗く重く感じさせます。

パーソナルは, ADA MOORE(vo), JOHN LaPORTA(as. cl), WALLY CIRILLO(p), TAL FARLOW(g), OSCAR PETTIFORD(b), OSIE JOHNSON(ds), ALOMZO LEVISTER & CHARLES MINGUS(arr)

収録曲
A面
1, THE MAN I LOVE
2, SOMETHING TO LIVE FOR
3, YOU CAME A LONG WAY FROM ST.LOUIS
B面
1, THE DEVIL IS A WOMAN
2, LASS FROM THE LOW COUNTRY
3, STRANGE FASCINATION
4, SUMMER TIME

菅野邦彦 三部作!?

2007年04月23日 | 菅野邦彦
AUDIO LAB/KOHNOSUKE SAIJOH MEETS KUNIHIKO SUGANO/INCARNATION

久しぶりの菅野邦彦です。僕は菅野の録音されたものでは“MUSIC”, “LOVE IS A MANY SPLENDORED THING“と“ENERYTHINGS HAPPENS TO ME”並びに“ON A CLEAR DAY”が好きで今でも順番によく聴きますが、今日の紹介は録音日が同じというアルバムです。ライナーノートによると当初は西条孝之助とのセッションを録音し、その後岡崎広志とのセッションを録音して一枚のアルバムとする予定だったとあります。が菅野の出来があまりにも良く(こういうと菅野氏に申し訳ないような表現ですが、菅野さんゴメンナサイ)カットをするのもあまりに惜しい演奏だったので, それぞれを独立させて一枚は西条とのセッション盤として、もう一枚は岡崎とのセッション盤として売り出す事にしたとノートにはあります。乗りまくった菅野は今度は自分のアルバムを作ると演奏を続けでき上がったのがEVERYTHINGS HAPPENS TO MEという訳です。したがってここに紹介する2枚のアルバムは気持ちよくリラックスして乗りまくった菅野の演奏が聴けるアルバムで, いわばスガチン乗りまくり三部作とも言える内容となっています。本アルバムでは西条のテナーサックスもいいんですね。よく歌う西条孝之介のあたたかい音色と聴き応えのあるフレーズも特色しています。

パーソナルは、西条孝之介(ts), 岡崎広志(as), 菅野邦彦(p), 小川庸一(cong), 宮沢昭一(dr), 鈴木憲(b), 青島信幸(b)
収録曲
A面
1, I CLOSE MY EYES
2, LOVER MAN
B面
1, BLUES IN F
2, BALLAD MEDLEY


AUDIO LAB/HIROSHI OKAZAKI MEETS KUNIHIKO SUGANO/EXTENSTION

パーソナルは、岡崎広志(as), 菅野邦彦(p), 小川庸一(cong), 宮沢昭一(dr), 鈴木憲(b), 青島信幸(b)
収録曲
A面
1, IT CLOUD HAPPEN TO YOU
2, MY FUNNY VALENTINE
B面
1, MIDNIGHT SUN WILL NEVER SET
2, BLUES

開店しました!

2007年04月22日 | 世間話
こちらにきたのが金曜日ですが、木曜日に新開店した台湾資本であり, 三越提携先でもあったと思いますが北京に開店した新光百貨店の吹き抜け部分の様子です。5階のレストラン街はまだ開業しておらず、次回のお楽しみとなりましたが、地下の食堂街は昼食をとる人達で溢れていました。こちらの百貨店の商品の価格は日本より5割や10割は高いのですが、それでも決まり切った商品しかない中国では、こういう高級百貨店は一部のお金持ちの絶好の買い物スポットとなっています。おりしも中国の株価は天井知らずのバブルが始まったばかり、仕事をしないで株ばかり眺めて毎日1万元儲かったと夢中になっている人が日に日に増えている状態です。お上も外資の流入阻止にあの手この手を尽くしているのですが、上に政策あれば下に方策ありのお国柄ですから、ファンドマネーもいろいろに姿を変えて株市場に入っています。しばらくはこの狂乱振りが続くでしょうが, いつか必ず反動がくるのが投資の世界です。それがいつ来るのか判れば僕も参加したいのですが(笑)

FLO BENNETT

2007年04月20日 | 私的Rare盤
GIFT/GXL-711/FLO BENNETT/HALF PAST LONELY

このアルバムは、僕にとってはかなり入手に苦労しました。レコードショップで漁ってもどこにも見当たらず, 一度も国内のショップでは見かけた事はありません。一度だけヤフオクで出品されていたのですが、ジャケット表も何か書かれておりあまり気が進まなかったので、咽から手が出るほど欲しかったのですが、泣く泣くパスしました。パスしてしばらくした時に海外でやっと見つけ入手できました。久しぶりに嬉しく大袈裟に言えば飛び上がるほど嬉しかったです。到着するまで少し心配でしたが無事に到着したときにはささやかですが幸福感が味わえました。
フロー・ベネットは米コロラド州デンバー生まれで。高校時代から活動していたようで州の行事などでも歌っていたようです。, その後西海岸に移りハリウッド等で歌っている頃にこのアルバムが録音されるチャンスを得ました。他にアルバムがあるのかどうかは不明です。彼女の声質は透明感ある澄んだ美しい声で、かつ歌い回しは柔らかく情感を感じさせるものです。そのボーカルは聴き手に心地良さををもたらします。アルバム全体も品の良いものにに仕上がっていて是非聴いていただきたい一枚です。ジャケットもどこか品良くでき上がっていると思います。このアルバム、ジャケットにはGLX-711LPと表記されていますが, レコードレーベルではGXL-711となっています、どちらが正しいかは知りません。

収録曲
A面
1, HALF PAST LONELY
2, SATURDAY NIGHT
3, PUT OF TOWN
4, LONELY WINTER
5, YOU TURNED THE TABLES ON ME
6, IF YOU WERE ME
B面
1, DON'T GET AROUND MUCH ANYMORE
2, WHAT TO DO
3, NOTHING TO LOSE BUT THE BLUES
4, LAUGH AT ME
5, NEVER BEEN SO LOST
6, HALF FAST LONELY

JONI JAMES

2007年04月19日 | 女性ボーカルJ
MGM盤/JONI JAMES/YOU BELONG TO ME

今日はSP盤の紹介です。SP盤が濃く生々しいボーカルが聴けると知ってからは、少しばかりのSP盤を買い求めました。DECCAのエラはあまりピンとこず、SP盤にも録音の良し悪しがあるのだと知ったところです。ターンテーブルの上に載っているのは, MGMのジョニ・ジェイムスの“YOU BELONG TO ME”が僕の手持ちのSP盤の中では一番聴けるものです。ボーカルを聴くのは現代のオーディオ機器で最新の録音技術で録音されたCDやレコードを聴くのももちろん素晴らしいのだと思いますが、SP盤を現代のSP針で再生するのも味わいのあるものです。このSP盤ではオーケストラ伴奏となっていて, そのバック演奏の高音域や低音域が犠牲になっているところはあるのですが、その分シンガーのボーカルはいささかも損なわれる事なく再生されるところが濃く生々しく聴こえる、中音域を主に分厚い再生音が楽しめるのがSP盤の魅力です。このSP盤に収録させている“YOU BELONG TO ME”という曲自体も大好きな曲の一つですが、それをジョニ・ジェイムスがあまく温かく歌うのは聞惚れます。3分足らずで終わるのが惜しいのですが、つい何度も聴いてしまうのです。

LEW DOUGLAS指揮によるオーケストラ伴奏
A面, YOU BELONG TO ME
B面, YES. YES. YES

NINA SIMONE

2007年04月18日 | 女性ボーカルS
COLPIX盤/NINA SIMONE/NINA AT NEW PORT/1960

僕は正直に言うと彼女ニーナ・シモンを敬遠していました。どこか硬くて難しい性格俳優ではなくシンガーのような, そのようなイメージがあって理屈を聴かされるような先入観があって, 聴いて楽しいとか癒されるとかが好きな単純な僕には理解できないのではないかと考えていました。先日レコード棚にあった彼女のレコードを何年ぶりか分からないほど久し振りに聴いて, これも悪くないと思えたのは彼女の演奏スタイルが変わったのではなく自分の聴く耳が以前より多少許容範囲が遅まきですが広がったのではと思った次第です。

1933年ノースカロライナ生まれの彼女ですが、社会派としても有名です。両親が音楽にたずさわっていたので幼い時から音楽に親しみ4歳からピアノも弾いていたという事です。ピアニストとしても確かな腕前で“ニーナとピアノ”では素晴らしい弾き語りを披露して弾き語りの才女ぶりを発揮しています。高校卒業後にジュリアード音楽院やカーチス音楽院で学び、その後にクラブで歌うようになりアトランティック市で歌っている時にベツレヘムのプロデューサーに認められレコーディングをするに至りました。59年にコルピックスに移り, 64年にフィリップス, 66年にRCAと契約しています。本アルバムは彼女の初ライブ盤といえるもので、ジャズピアニストとしても一流の腕前を証明していると思います。彼女は自分で自身の音楽を分類しないで欲しいと常々語っていたようでジャンルにとらわれず、オリジンを前面に出してアフロアメリカンである事を主張したと言われています。

収録内容ですが, 出だしのA-1のTROUBLE IN MINDはブルースの味を持たせながらスイングしていて彼女らしい味わいがあります。続くPORGYは語るような歌い口で始まり訴求力を強めていくというボーカル。A-3の曲の始まり前にタンバリンを探す彼女がライブならではです。A-4のYOU'D BE SO NICE TO COME HOME TOはちょいとヒネッたアレンジ、これは難しいです。B-2のNINA'S BLUESはボーカルは無しで彼女のピアノプレイが堪能できノリも良い1曲、彼女がボーカリストではなくピアニストだったらもっと聴いていたのにと思えました、ここでのピアノプレイが好きです。

パーソナルは, NINA SIMONE(vo. p), CHRIS WAHITE(b), BOBBY HAMILTON(ds), AL SCHACKMAN(g)
収録曲
A面
1, TROUBLE IN MIND
2, PORGY
3, LITTLE LIZA JANE
4, YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO
B面
1, FLO ME LA
2, NINA'S BLUES
3, IN THE EVENING BY THE MOONLIGHT



GEORGIA CARR

2007年04月17日 | 女性ボーカルC
TOPS盤/GEORGIA CARR/MOODY MISS

ジャケットの副題によると AMERICA'S FOREMOST NIGHT CLUB SINGER とありますので、クラブで大活躍している歌手という意味合いではないかと思うジョージア・カーを今晩は聴いています。彼女の事はボーカル本にも取り上げれていないようですしネットで調べてもあまり資料が見出せません。ライナーノートでは, 彼女はロス生まれで少女の時から母親の友人に指導を受け歌っていました。少し後になってDESI ARNOZのオーケストラと共に歌うコンテストに出場し、そこで審査員を悩ませることになります。審査員が下した結果、僅差で優勝したのは, あのAPRIL STEVENSだったという逸話があります。しかしその経験は彼女にとっても貴重なものであったし。その後に良い再出発ができたと彼女は語っています。彼女はサンディエゴを代表するクラブで歌い始めます。そこで6年間歌った後に全米の有名クラブのすべてに出演したと言っても過言ではないほどに各クラブを席捲しました。全米のクラブシンガー・クイーンとも言える彼女のボーカルですが、声質はしっとりとした大人の味わいのあるもので声の質はサラ・ボーンに近いのですが, もっとサラリとしてアクがありません。歌い回しは素直でフェイクも使わず原曲そのままに歌っている感じですが、そこここに歌熟れた旨さを感じさせます。当時のアメリカには上手いシンガーは各都市に一人や二人はいたと言ってしまえばそれまでですが、いまさらながらアメリカのシンガーの層の厚さを知らされる思いです。ややハスキーにリズミカルに歌うA-1のPENNIES FROM HEAVEN、スケール感のあるA-2のIT'S THE TALK OF THE TOWN、ギター伴奏が光るA-3のSUGAR BLUESは絶妙の歌い回しです。B-5のMAKE ME A PRESENT OF YOUは懐かしいリズムに乗って聴かせてくます、B-6のMISS YOUは曲の良さも相俟ってしっとりと歌い綴ります。佳盤です、どこかで見かけたらちょいと聴いてみてくださいませ。

LEW RAYMOND指揮によるオーケストラ伴奏
収録曲
A面
1, PENNIES FROM HEAVEN
2, IT'S THE TALK OF THE TOWN
3, SUGAR BLUES
4, GOTTA WALK, CAN'T SLEEP
5, WHERE TO NOW
B面
1, BABY WON'T YOU PLEASE COME HOME
2, HEY, MISTER MOON
3, TROUBLE IS A MAN
4, CHEEK TO CHEEK
5, MAKE ME A PRESENT OF YOU
6, MISS YOU

DREAM GIRLS

2007年04月16日 | ジャズ以外
MOTOWN/THE SUPREMES/MEET THE SUPREMES/

今晩の紹介はダイアナロスがソロシンガーになるその前、“ダイアナロスとシュープリームス”と名乗るその前のシュープリームスのアルバムです。初春に封切られた映画“ドリームガール”は、このグループやダイアナロスをモデルにしていると言われていますが、僕もそれ以外は考えられないわけです(映画は観ていませんが)。このアルバムのライナーノートを紹介しますので、もし映画をご覧になる方や既に観た方はストーリーと照らし合わせてみて下さい。

シュープリームスはDIANA ROSS, MARY WILSON, FLORENCE BALLARDの三人組です。高校一年生の時にでコーラス活動をしていたメアリーは仲間を探してしたのですが、同じように歌っていたフローレンスと仲良く、彼女二人はグループをつくる事で相談がまとまりました。メアリーはその後に教会で歌っていたダイアナを誘う事を思いつき、それが実現して三人組が結成されたのです。それからほぼ二年間は, 学校・教会・市民イベント等で歌っていたのですが、三年生の時ににカナダ・オンタリオのアマチュア・コンテストで優勝したのです。(デトロイトとオンタリオは比較的近いので出場できたのでしょう) この優勝がキッカケとなってモータウン・レコードのスカウトの目にとまる結果となりモータウンレコードへ招かれそこで彼女達は歌う事になった後で, 思いもかけずレコード会社との契約という運びになりました。グループの名前はシュープリームスと命名されました。(当時の彼女達にとって驚きと喜びの連続だったであろう事は想像できます)これは当時まだ新興だったモータウン初のボーカルグループの誕生だったのです。最初のレコーディング“I WANT A GUY”がまずリリースされ、あとに“BUTTERED POPCORN”が続きましたが多少ヒットしたといえる程度でした。この時の期間は彼女達にとっても厳しい試練ともなりました。それは学校側から叱責される結果となり一人は高校を退学寸前となり、後の二人も卒業までにさらに半年を要する結果となり、マネージャーは三人が高校を卒業するまで三枚目のシングルをリリースするのを待つ事となりました。がこの間もリハーサルだけは続いていたのです。こうした紆余曲折を経て本アルバムが誕生しました。

'64年になって“WHERE DID OUR LOVE GO?”や“BABY LOVE”の大ヒットを立て続けに出しこのグループの人気は60年末まで絶頂期を迎えるのです。

本ジャケットは保護フィルムの為に少し見にくいと思います。ダイアナロスの若い事! 眼尻のメークがシュープリームスしています。なお僕は昔ながらにシュープリームスと表記させてもらいました、その方がピンとくるのですが、最近はスプリームスと書くらしいですね。

収録曲
A面
1, YOU HEART BELONGS TO ME
2, WHO'S LOVIN' YOU
3, BABY DON'T GO
4, BUTTERED POPCORN
5, I WABT A GUY
B面
1, YOU BRING BACK MEMORIES
2, THE BOY THAT GOT AWAY
3, PLAY A SAD SONG
4, NEVER AGAIN
5, (HE'S) SEVENTEEN

NORMA MENDOZA

2007年04月15日 | 女性ボーカルM
FIREBIRD盤/NORMA MENDOZA/ALL ABOUT NORMA

彼女はフィラデルフィア生まれだそうですが生年などは知りません。名前からも想像がつくようにスペイン系の血筋のようです。このアルバムで共演しているジミーウィズナーは彼女の旦那さんだそうです(伊原直之氏のノートより)。所有アルバムはFIREBIRDのオリジナルではなくNORMA盤です。これがオリジナルならそりゃー嬉しいのですが, 今の僕には買えません。今までに数度見かけたのですが数十万円以上の値段がついていてとてもとても手が出ませんでした(笑)。伊原氏が30年前に入手された時が数万円だったとノートに書かれているので、今となっては数十万円もむべなるかなですが。一度はオリジナルを聴いてはみたいと思うのですが, 叶うかどうか想像もつきません。このオリジナルを聴いてみたいと思うのもNORMA盤も音は悪くないのですが、やはり再発盤特有のやや音が薄く感じられます。音楽の芯のところがややボケているという印象があるのです。彼女の声質は澄んだ声(だと僕は思うのですが時々こもった声のようにも感じられるのですが、これが再発盤ゆえに起因しているのかどうか僕には判断つきません)でメゾソプラノ程度の高い音まで正確に発声します。歌い口はストレートな歌い方ですがしっとりと情感を込めて聴かせてくれます。ただ彼女のボーカルはどの曲を聴いても, 明るさが感じられずどこか物悲しくトーチソングのように僕には聴こえるのです。そういう風情が好きなリスナーには堪らない一枚でしょう。

パーソナルは, NORMA MENDOZA(vo), JIMMY WISNER(p), ACE TESONE(b), DAVE LEVIN(ds), HANK CARUSO(ds)
収録曲
A面
1, SIDNEY'S SOLILOQUY
2, LITTLE NORMA
3, BALACK IS THE COLOR
4, WHEN SUNNY GETS BLUE
5, OUR LOVE IS HERE TO STAY
6, WARM
B面
1, DREAMY EYES
2, I DIDIN'T KNOW WHAT TIME IT WAS
3, JUST IN TIME
4, POTATO CHIPS
5, MY FUNNY VALENTINE