先日、日本を代表する篆刻家・河野 隆先生が突然ご逝去されショックを受けています。
1948年生まれ、60代の若さです。
大東文化大の教授であり、全日本篆刻連盟の会長という要職に就いておられました。
先生の作品を直接拝見できるのは「現代書道家20人展」です。
今回は過去出品された作品の中から選んで展示されるそうです。
来年早々(と申しても10日ほど後ですが)新宿高島屋で1月2日~8日に開催です。
名古屋は松坂屋美術館で2月24日~3月4日、開催です。
(朝日新聞デジタル12月19日付)
この現代書道家20人展は書道家18人、篆刻家2人が出品されます。
篆刻は河野 隆先生と尾崎 蒼石先生です。
作品と共に印材(石)も同時に展示される貴重な機会です。
河野 隆先生は作品のあり方について
力強さ・流暢さ・含蓄・精微・軽快・簡潔・重厚・優雅・謹厳・洒脱・調和・対称・粗密・平衡・長短・緊密
ということを考慮しながら作ることが大切、と述べられています。
掲載の作品は今年の全日本篆刻連盟展に出品されたものです。
「得時者昌」
堂々とした作品で奇をてらう作品ではありません。
伝統を重視しながら現代性を取り入れた作風というべきでしょうか。
高校時代に20作品を刻され、その後、生井先生に師事されます。
47歳のとき「篆書の基礎学習ー基本部首5種」を自費出版されています。
最近の公募展向けには自己主張の強い作品が多いという声も聞こえてきますが
河野先生はいわば正統派というべき作風でしょうか。
写真は大東文化大学ホームページから。
掲載著書は手元のもので、書道テキスト第10巻「篆刻」と「名印百話」です。
篆刻にご興味ございましたら、パソコン画面で
「NHK Eテレ 篆刻」
にて検索されますと河野先生の高校講座をご覧になれます。