畑を掘り、木を彫り、石を刻り、の自然人!

退職後、自分に気ままな課題をちょっと与えて遊んでいます。

皇位継承行事・・・アッと驚く伝統

2017-12-30 15:12:53 | 篆刻


今日の朝刊記事を見てびっくり。
3千年以上前の風習が今も生きている!

新聞によれば
「即位の礼に続き、19年11月には皇室行事の大嘗祭(だいじょうさい)が
行われる予定。
新天皇が国民の安寧や五穀豊穣を祈念する一代に1回限りの儀式だ。
大嘗祭に先立って行われるのが「斎田点定の儀」。

儀式で使う米とアワをどこで作るかを卜定(ぼくじょう)で決める。

アオウミガメの甲を焼き、できたひびの具合で占うが、ワシントン条約で輸入が
禁じられており、甲の入手は非常に難しい」。

1990年の行われた際は東京・小笠原で自然死のアオウミガメを見つけ、儀式を
執り行ったという。


古代中国では今から3千年以上前、殷の時代に卜辞が行われていた、とされています。
卜辞というのは神様に伺いを立てたもの。
当時は亀の甲や牛の肩甲骨を使って占っていたとあります。

その甲や骨に刻み込んだ文字が「甲骨文字」。

写真は京都大学人文科学研究所蔵で、
文献によれば「貞人(ていじん)」(占い役)と呼ばれる大臣、時には王様自身が
亀の甲や獣骨をもってきて、その裏側に凹(くぼ)みを刻み込んで、その一端を
火で灼く。
その1点だけを熱して急に冷ますと、甲や骨の滑らかな表面に、パリッと亀裂を生じる。

しかし、亀の甲といっても実は腹の甲で、背中の甲は固くて文字も刻れないし
亀裂も注文通りには出ないということです。

日本の皇室の大礼は口伝とも言われていますがはっきりとは分かりません。

亀卜の法は唐から日本に伝わったが、いま大和のある地方では「ハハキ」という木の
細枝を用いているという。

日本の皇室行事のいわれは詳細不詳ですが、古代中国の卜辞は上記の如くとされています。

甲骨文字の一部を掲載しましたが篆刻作品でもちょくちょく使用されています。
甲骨文字は絵文字の如く面白いため使用される場合もありますが、字書なしでは判読
不可能な場合もあります。
しかし、全ての文字は解析されていなくて篆書体に比べ一般的ではないようです。

甲骨文字の一例を掲げました。

年末の読書・・・27年前、購入本

2017-12-29 19:26:35 | 日記


毎晩、就寝前に布団を被りながら読書する楽しみ。

しかし段々と根気が欠乏しつつあり、大冊は手に負えません。

印刷フォントサイズも小さいと最初から意気上がらずの始末。

いずれ将来には読もう、と購入しておいた雑誌。
購入したのは27年前、書棚で長らく眠っていた本を取り出し、パラペラと頁を開く。

時代小説大全集「時代小説人物日本史」小説新潮増刊

定価950円(本体922円)消費税3%のころ。
全758頁。
登場人物39人。
長くても20~30頁ですので一晩で読了できます。
読了後には睡魔が襲ってきます。
丁度いい塩梅です。

来年、大河ドラマの主人公・西郷隆盛は津本陽著。
小説・長嶋茂雄は五味康祐著。
人物諷刺の登場するのは
伊藤博文・大隈重信・岩崎弥太郎など計17人。

作家も現在でも活躍中の著者は少なく、物故者が多いです。

歴史人物に登場するのは戦後では
「マッカサー」「吉田茂」「「川端康成」「「黒澤明」「愛新覚羅」「美空ひばり」
「力道山」「田中角栄」「「長嶋茂雄」など。

広告頁は少なく「スーパーニッカ プレミアム 5,000円」
「アリナミンA」「積水ハウス」「理研ビタミンのドレッシング」
「住友銀行」「明治記念館(レストラン)」程度。

今年を振り返るのもいいですが、本箱の隅で出番を待っている書物もあります。

髭剃りの儀式

2017-12-26 10:27:18 | 日記


毎日の儀式。「髭剃り」。

朝か、夜か。ひとそれぞれ、毎日の習慣。

定年退職後には「目に見えない、または見える拘束」から解き放たれ
髭を生やす人もあります。

髭を剃る人は電気シェーバー派か剃刀派、好みはいろいろ。

小生は剃刀派。
シェービングクリームを付けて剃刀使えばスピードや爽快感、毛穴まで洗浄される
性能が電気シェーバーより優れていると勝手に思っています。

ネット上の調査によれば剃刀派は約25%、電気シェーバー派が約75%となっています。
しかし電気シェーバー派で深剃りできないという不満比率は約50%で、高品質の
剃刀の経験のない方も多いのでは。

剃刀の売り場に行けば圧倒的に海外製品が席巻。
G社かS社でほぼ独占。

国内メーカーの製品は岐阜県関市にあるK社かF社。
しかし店頭にはほとんど並んでいません。

やむなくアマゾンでF社のハイグレード品を購入しています。
替刃付で2千円程度で購入でき、耐久力は約1ケ月はほぼ同じ剃り心地。
1ケ月に1回の替刃交換で済みます。
肌への感触も素晴らしくストレスを感じません。
勿論、髭の濃さによって感想はひとそれぞれと思いますが。

旅館、ホテルなどで無料の剃刀の使用感は、やらないよりはまし、という
程度かと思いますが。

年末になりますと大掃除の気分ですが、自分自身の顔の清掃も大事かと。

国内には刃物産地が各地にあり、それぞれ特徴があります。
包丁・ナイフ・剃刀・鋏・メス・鉈・鎌・彫刻刀など一般向けや職人向け
など様々です。

円空仏制作で使用する鑿(のみ)は三木市、新潟・燕のものを使用しています。
岐阜県関市は包丁・ナイフなどが主なようです。

産地地図は土佐・トヨクニのHPから。

年中、曇り空で・・・

2017-12-23 21:03:17 | 日記


今年も残り少なくなって忘年会シーズンも終わりが近づきました。

某日某所で。
X氏「最近の話題って消化不良の感じよね。」
Y氏「例のK知事の優柔不断な決断ぶり。どうかと思うね。」
Z氏「最近は政治家も小粒っていうのかなあ。
   言動に重みがないよね。
   健全な野党も必要と思うけど民進党も一夜城ならぬ一夜崩壊だもん。」

X氏「終戦直後の吉田茂にしても政治家の思想・哲学っていうのは国民より一歩先を
   行っていたよね。
   最近は国民目線だってよく聞くよね。
   国民目線であれば誰でも政治家になれちゃうんだ。」

Y氏「やはり根本的には教育の仕方が変わってきたからでしょ。
   昔の政治家は漢籍の素養もあり、古代中国の歴史から学んできたこともあったけど、
   最近はITとかいって知識はパソコンから得ている風潮だよね」

Z氏「知識はパソコンなどから得られるけど知恵は学べないよ。
   恥の文化もすっかり消滅したし。」

Y氏「確かに今は恥ずかしい、という言葉は耳にしないね。
   卑近な例では通勤時間帯で列車の中でモグモグ食べたり、化粧したり、何をやっても
   許されるという時代になってしまった。」

Z氏「無料ということばにも直ぐに誘惑されて、無料と聞くと凄い行列ができたりして。」

X氏「経済界でもトップが頻繁に頭を下げているシーンが多くなったね。
   頭さえ下げていればそれでオシマイってわけか。」

Y氏「シャープ、東芝、三菱自動車という日本を代表する企業があれよ、あれよという
   間に斃れて行くというのはトップが時代を読み切れていないからだよね」

Z氏「まあ、ジャーナリストというかマスコミも鵜の目タカの目で標的というか
   餌食を狙っているから。
   まるで重箱の隅を突く様な報道もあるね。」

Y氏「相撲の世界も大変だよね。真実がわからないからコメントもできないよ。」

X氏「こうしてしゃべっているけどお互い影響力のない人間ばかりだね(笑い)。
   世の中の動きも気になるけど自分の健康状態がいちばんの問題よ!」

Z氏「まあ、あれやこれやの年だったけどすっきりしたお正月を迎えようね」
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篆刻家・河野 隆先生

2017-12-21 10:11:09 | 篆刻


先日、日本を代表する篆刻家・河野 隆先生が突然ご逝去されショックを受けています。
1948年生まれ、60代の若さです。

大東文化大の教授であり、全日本篆刻連盟の会長という要職に就いておられました。

先生の作品を直接拝見できるのは「現代書道家20人展」です。
今回は過去出品された作品の中から選んで展示されるそうです。
来年早々(と申しても10日ほど後ですが)新宿高島屋で1月2日~8日に開催です。

名古屋は松坂屋美術館で2月24日~3月4日、開催です。
(朝日新聞デジタル12月19日付)

この現代書道家20人展は書道家18人、篆刻家2人が出品されます。
篆刻は河野 隆先生と尾崎 蒼石先生です。
作品と共に印材(石)も同時に展示される貴重な機会です。

河野 隆先生は作品のあり方について
力強さ・流暢さ・含蓄・精微・軽快・簡潔・重厚・優雅・謹厳・洒脱・調和・対称・粗密・平衡・長短・緊密
ということを考慮しながら作ることが大切、と述べられています。

掲載の作品は今年の全日本篆刻連盟展に出品されたものです。
「得時者昌」

堂々とした作品で奇をてらう作品ではありません。
伝統を重視しながら現代性を取り入れた作風というべきでしょうか。

高校時代に20作品を刻され、その後、生井先生に師事されます。

47歳のとき「篆書の基礎学習ー基本部首5種」を自費出版されています。

最近の公募展向けには自己主張の強い作品が多いという声も聞こえてきますが
河野先生はいわば正統派というべき作風でしょうか。

写真は大東文化大学ホームページから。
掲載著書は手元のもので、書道テキスト第10巻「篆刻」と「名印百話」です。

篆刻にご興味ございましたら、パソコン画面で
「NHK Eテレ 篆刻」
にて検索されますと河野先生の高校講座をご覧になれます。