一般的にいって伝統的趣味は結構お金がかかります。
節約できることは節約して、と。
ここ5年ほど前より印材の価格は高騰しています。
一般的には過去の作品は印譜に残し、印材は削って再利用される
場合が多いです。
しかし、思い出の作品には印材も保存することもあります。
昨年ご逝去された篆刻界の大御所・河野隆先生は若いころの作品としての印材を
経済的理由で大部分を再利用に廻され悔いておられました。
「若いときの記念に残しておくべきだった」
写真でご覧のように10年ほど前の印材は3cm角で250円程度でした。
印材もかなり掘り尽くされて高騰になっているわけです。
そこで印材3ケ(顆)の内、左側のような印材は鉄線切断用ノコギリで
半分にカットして使用する場合があります。
切断には30分前後の所要時間です。
勿論、印材の価格もピンキリです。
お稽古用には青田石(せいでんせき)や寿山石など。
しかし、寿山石でもかなり高価な印材もあります。
最も高価で現在は産出されない「田黄」(でんおう)などは数センチサイズで
数百万円とか。
宝石並みです。
小生自身も印材のカットは5~6回程度やっていますが、万力など使用しないと
結構疲れます。
左手で印材を固定して行いますが小生は万力を持っていなくて。