松明 ~光明を指し示して~

暗闇を照らし赤々と燃える。が、自身が燃え上がっては長くはもたない。火を消すことなく新しい松明へと引き継がれねばならない。

4「アクティブ・ラーニング」どう進めるか(その4)

2017-02-20 11:25:33 | Weblog


重要なのは学習問題
 学習問題としては、
  ・一見すぐ答えが分かりそうなのに、考えれば考えるほど分からなくなっ てしまうものなどがよい。

○国語(光村)2年「スイミー」の教材で学習問題を考えてみる。

教材文
そのとき、岩かげに スイミーは見つけた、スイミーは言った。スイミーのと そっくりの、小さな 魚の きょうだいたちを。
「出てこいよ。みんなで あそぼう。おもしろいものがいっぱいだよ。」
小さな 赤い 魚たちは、答えた。
「だめだよ。大きな 魚に 食べられてしようよ。」
「だけど、いつまでも そこに じっと している わけには
いかないよ。なんとか 考えなくちゃ」

追求問題1
「スイミーが岩かげにいる小さな魚のきょうだいたちに「出てこいよと。」といったのはなぜか。
1あそぶため、おもしろいものがあるため
2死んでしまうから
普通の解釈でいくと、1が出てくる。そしてその理由は理解できる。しかし、ここでは、2が出てくることは少ない。そこで「じっとしているわけにはいかないよ。」を問題としたい。ここを考えさせたい。

「じっとしているわけにはいかないよ。」とはどういうことか。それは死を意味することである。「だめだよ。大きな 魚に 食べられてしようよ。」
といっている岩かげの小さな魚たちは、何を食べているのだろうか。小さな魚たちより小さな魚やプランクトンである。そうすると岩かげでは生きることはできないということになる。


追求問題2
「岩かげには小さな魚は何匹いるだろうか」を問題にしたい。
子どもたちは100匹とか200匹とか言うだろう。しかし、そんな数であろうか。根拠は、「海で いちばん 大きな 魚の ふりをして。」だから、そうとう数でなければならない。
クロマグロは辞書で調べると、体長4,5メートル、体重680キロに達するとある。
黒板にその大きさを描いてみるとよい。とても100~200匹の数では、その大きさにはならないのである。
こんなことも考えさせるとよいだろう。アクティブ・ラーニングの学びにぐっと近づくと思われる。

 これまでは「思考力」を育成する授業というものが曖昧でした。先生は何を問題にしたらよいのか。そしてどのように子どもたちに働きかければよいのかが分からないようでした。「ただ○○気持ちを考えましょう」では、思考力は育成できません。また、話し合いにはなりません。


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