〈教師には研究の自由が必要なのであり、時間の自由も必要になるのである。単なる勤め人としてすごしているなら、研究の自由も時間の自由も少しも必要はないはずである。〉斎藤喜博著『私の授業観:教師の研究の自由より』
夏休みは、子どものためのものであって先生方のためのものではないことは理解している。しかし、子どもが登校しない夏休みこそ先生方は、ゆっくり休んでもらいたいし、豊かな体験の時間や自由な研究についやしてほしい。先に引用した斎藤喜博の言うようにである。
今は何かと研修や会議や出張が多く、先生方の自由の時間がとれないようである。昔はもっと自由な時間がとれて、夏休みになると先生方も嬉しくて心がうきうきしたものある。
先生は、自由な時間が取れても、何でも遊べというのではない。いろいろな体験(2学期に子どもに熱っぽく語れるようなもの)をしてほしいということです。
私が現役の時にしたことでは、
○玩具店でポンポン船(水蒸気の圧力で推進力を得る船舶玩具のこと)を手に入れて、理科の時間に子どもに見せたこと。今の子どもは、ゴム動力か電池モーターなどしか知らないから、すごくビックリした。
○めずらしい昆虫、特にタマムシを採集して、子どもに見せたこと。子どもたちは、あまりの美しさに感動した。ついでに、法隆寺宝物「玉虫厨子」の装飾として使われていることも話した。
○秋に鳴く虫の音をテープレコーダーで録音しておき、子どもに聞かせたこと。夏休みも終わりに近づくと、コオロギやスズムシやカネタタキやウマオイなどが盛んに鳴くようになる。子どもたちにこのように意識的に虫の音を聞かせないと知らないでいる。
○旅行に行った際、教科書教材に関する写真等を撮影してくること。実際にはなかなか子どもたちを現地に連れて行くことができないからだ。
○工作なども子どもだけにやらせるのでなく、先生も大作をつくってみること。絵などを描くのもよい。
○スポーツでは、何か技を練習して、そのできばえを見せること。私は若いときは、バク転を練習して、子どもの前で見せたら、「先生凄い!」と褒められた。
まだまだいろいろあると思う。夏休みに何かに挑戦して、2学期に入ったら子どもたちに見せてあげよう。2学期の始まりも楽しみになる。先生のお株も上がる。
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