自問自答の演技(マット運動を例として)
前回りでは、マットの前に立つ、しっかり前方をみつめてから、
手をつき、腰を伸ばす、徐々に上体を倒してゆく、両手に体重がか
かっていく。
まだ、回らない、まだ、回らない。心にくいまでの落ち着きである。
ある子どもは、何回も手の着く、位置を確認する。足の伸し具合を考
える。
後ろ回りでは、マットに腰を着いてから、ぐっと足を胸に引きつける、
頭を胸に沈める。足は宙に浮く、そのままで何秒我慢するのであろうか。
やっと回って、静かに丁寧に演技を納める。
やり遂げた子どもの顔に充実感と笑みがこぼれる。
これらの一つ一つの短い演技の中で子どもたちは自問自答し、自分をつ
くり出していく。
単に技を学び体をつくるのでなく、やはり心をつくる体育と言えよう。
ですから、この学びは他教科や生活に転移していく。