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to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

その土曜日、7時58分

2010-09-02 23:57:38 | the cinema (サ行)
英題 BEFORE THE DEVIL KNOWS YOU'RE DEAD
製作年 2007年
日本公開 2008年
製作国 アメリカ
脚本 ケリー・マスターソン
監督 シドニー・ルメット
出演 フィリップ・シーモア・ホフマン/イーサン・ホーク/マリサ・トメイ/アルバート・フィニー/ローズマリー・ハリス/マイケル・シャノン/エイミー・ライアン

娘の養育費もまともに払えない冴えない男、ハンク。そんな彼に兄のアンディはある強盗計画を持ちかける。狙うのはなんと彼らの両親が営む宝石店。ハンクとは対照的に、会計士として働き、美しい妻ジーナにも恵まれて不自由ない生活を送っているかに見えたアンディにも緊急に金が必要なワケがあった。ためらうハンクだったが、アンディに言葉巧みに説得されてしまう。しかし、いざ実行に移す段になって怖じ気づいたハンクは、男を金で雇い、自分は車で待機することに。すると、宝石店から予想もしていなかった銃声があがり、強盗が失敗に終わったことを悟るハンクだったが…。

DVD鑑賞してから、かな~り時間が経ってしまい、心温まる『マーリー』の後に書くことになるとは・・
なんとも哀しく救いのないお話でした。。。

一見誰もがうらやむ優雅な暮らしをしていた兄のアンディも、実態は美しい妻がありながらドラッグに溺れ、会社での立場を危うくするくらい追い詰められていて、
金銭面で逼迫していた弟を強引に計画に引っ張りこむ。
「誰も損をしない」計画なんだと―。

しかし、自分の尻を自分で拭わないのは、兄弟に共通していた。
兄は自分の手を汚さずに弟を犯罪に巻き込み、弟は自分でやれずにアブナイ奴に頼る。
そして、あってはならない結果にうろたえる。――そこからはもう地獄の坂を転がり落ちる…。

人生を賭けた計画ではなかった。
しかし、その代償は大きく、もがけばもがくほど、彼らは嵌っていく。

そして―、
そもそも、アンディはなぜその計画を立てたのか、、、。
兄弟にくすぶる暗い感情が、追い詰められた子供のように噴出し、ドロドロと飲み込んでいく。

情けない弟、ハンクをイーサン・ホークが熱演。上手すぎて本当に情けなくなってきます
「自分の人生はパーツがバラバラで繋がらない。結果が合計にならない」というアンディもいまだに人の所為にする情けない兄。
フィリップ・シーモア・ホフマン、可哀想なくらい情けないです
しっかし、この人はどうしてこんなにも気弱なワルが似合うんでしょうか・・・、
もう本当に情けない兄弟、哀しい家族でした。

別れたハンクの妻や娘も可愛気がなく、ハンクも既に兄を裏切っていて、
再生にいい材料はどこにもないと感じさせる登場人物たち―。
本当に救われる術はどこにもなかったのか?
親として.....?他の選択をしようとは思わなかったのか。。。

今や日本でも毎日のようにニュースでは、死んだ家族を押入れに入れたまま何年も平気で同居している子供がいたり、
死んだら我が子を山に捨てる母親がいたり、
親が子を、または子が親を、兄が弟を殺してしまうなどという家族間の悲劇が繰り返されています。
後味の悪いストーリーでしたが、
家族というモノ。それが人間形成に及ぼす悲劇を知らしめる作品でもありました。

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6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (mig)
2010-09-03 17:32:09
こんにちは、kiraさん夏バテしてませんか?

仕事と英語で更新遅れ気味です。

この作品、意外にまだだったんですねー★
好きでした。
イーサンってこういう役もハマる!
キャストも脚本も良かったです~♪
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migさ~ん* (kira)
2010-09-03 23:43:35
英語も頑張ってるのよねー
そんな忙しい中、この記事にTBしてくれてありがとうです~

イーサンのダメダメっぷり、
F.S.ホフマンの泣き笑いのような表情、
マリ・トメイも影のあるこんな役が似合いますし、
決して後味は良くないのに、なぜか惹かれる作品になっていました
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Unknown (オリーブリー)
2010-09-11 15:55:11
ダメ人間の負の映画でしたね。
イーサンの変装が笑えました~あれ、マジだもんね(爆)
ひとつ狂うとトコトン狂い続ける歯車が怖かったです。
真面目に生きようと思いました(笑)
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オリーブリーたん* (kira)
2010-09-12 13:48:18
そうそう、イーサンの変装ね
終始キョドってて、それが実に似合ってて、、可哀相だった。
息子と父親っていってもここでの関係は悲し過ぎましたね。
真面目に子育てしてきたか、自問しました(笑)
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何もかも悪い方向へと転がり落ちてゆく (zebra)
2014-03-10 00:21:37
フィリップシーモアホフマン 先月なくなりましたね。
薬物のオーバードースだったそうで・・・薬物汚染もアメリカの根深い病巣です。

作品ですが バカでお粗末な兄弟でしたね。

>再生にいい材料はどこにもないと感じさせる登場人物たち―。
 おっしゃるとおりです。みんな自分勝手なことが目立つ登場人物だったのは事実です。
 この作品見て 単調ながらも 平穏無事な生活を送れることこそ幸せと感じました。
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zebraさん♪ (kira)
2014-03-11 23:46:24
フィリップ・シーモア・ホフマン、
まだ40代という若さで、、本当に、残念でした。

私が観た彼の作品の中でも、これは痛い男を十分にみせつけて、
これでもか、という情けない兄弟を演じながら
強烈で忘れ難い作品になっていました。
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